ミヅマアートギャラリーと作家たち
ミヅマアートギャラリーディレクター三潴末雄さん。彼がギャラリストとして見だしてきたのは、会田誠さん、青山悟さん、池田学さん、OJUNさん、天明屋尚さん、宮永愛子さん、山口晃さんなど、日本の現代美術を語る上で欠かすことのできない名だたる作家たち。三潴さんのもとに集まってきた作家たちはもくもくと手を動かし、ひたむきに制作を続け、その技術力と情熱、そして美学をもって人々を圧倒する。
三潴さんは昨今の日本・世界をこう捉える。
「欧米が創出してきた経済文化の価値基準への違和感は、とみに募るばかりです。 グローバリズムの名のもとに、一元化されていく世界経済金融システム。 欧米とISISやタリバン、アルカイダとの不毛な戦い。 欧米主導の国際的なアートシーンとアートマーケットの仕組み。異教徒を認めない、一神教の姿勢が世界を不幸に陥れているのではないでしょうか。八百万の神々と共に生きている、私たち多神教の民が持っている共生思想こそ世界を救える途ではないかと最近強く思っています。日本のアートの世界も欧米のコンテキストや価値観から卒業して、自分たちの独自な美的表現で世界を変えて行けたらと思っています」
同時に、著書では日本や東南アジアにこそ、欧米が作り出した現代アートをひっくり返すほどのエネルギーが潜んでいると語る三潴さん。作家の魅力を発信するとともに、まだ見ぬ才能に出会うために、今もなお日本とアジアを中心に世界中を駆け回り、挑戦し続けている。
「日本」をテーマに語り合う対談シリーズ「日本再再再発見」
そんな三潴さんがゲストと「日本」をテーマに語り合う対談シリーズ「日本再再再発見」は、2011年猪子寿之さんを皮切りに、植島啓司さん&高橋正宣さん、高橋龍太郎さん、椹木野衣さん、茂木健一郎さん、原研哉さん、会田誠さんと、さまざまな現場で活躍している方をゲストに開催してきた。
「日本の独自の文化力は世界に誇るべきものであり、その一翼を担う現代美術は光り輝いている」と語る三潴さん。早いスピードで移り行く時代だからこそ、三潴さんの言う「文化力」、日本の深層に変わらず息づく思想や力とは何かを見つめなおしたい。こうした思いのもと日本の現状を正面から見据え、過去に膠着するのではなく、柔軟に日本の未来を考える、本企画はそんな場を目指して開催されてきた。
ミヅマアートギャラリーの作家の魅力と、鬼才を見出してきた審美眼・先見力
今回は、ミヅマアートギャラリーの作家30名との出会いや魅力を三潴末雄さんが語る『MIZUMA 手の国の鬼才たち』(求龍堂)の刊行を記念して開催される。ゲストは古今の壁を飛び越えて日本美術の魅力を発信し続ける美術史家の山下裕二さん。
作家の出会いをお話しいただきながら、古の日本美術を参照することでミヅマアートギャラリーの作家の魅力、そして手の国の底力を掘り下げて考えていくとともに、鬼才を見出してきた三潴さんの審美眼、先見力にも迫るという。
▼開催概要
三潴末雄連続トーク「日本再再再発見」番外編
『MIZUMA 手の国の鬼才たち』(求龍堂)刊行記念
山下裕二 × 三潴末雄
鬼才に迫る 手の国再再再発見
日時:2016年2月11日 (木) 18:00~20:00
料金:1,944円(税込)
定員:110名
会場:青山ブックセンター本店 大教室
>> 詳細はWebサイトにて
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