この2日間で、女子美、東京造形、タマビ、ムサビの2016年度入試志願者数（確定版）が発表されました。
いよいよこの季節になりましたね。

■女子美術大学｜2016年度芸術学部一般入学試験（A日程）・（センター利用Ⅰ方式・Ⅱ方式）/短期大学部一般入学試験（A日程）志願者数発表

■東京造形大学｜2016年度一般入学試験 志願者数（確定）

■多摩美術大学｜2016年度美術学部一般入学試験の志願状況
*「確定」とは書かれてないけど、多分これが確定版だと思います。

■武蔵野美術大学｜平成28年度造形学部一般入学試験の志願者数一覧（一般方式・センターA方式確定数）


大学が発表してるデータだと一番気になる「去年とはどうなの？」がわからないので、親切な（余計な？）手羽が昨年度との比較表を作ってみました。
といっても、いわゆる「一般方式」のみの表です。
もちろんセンター方式込のデータも作ってあるんだけど、ここではいいかな、と。
ちなみに女子美さんと東京造形さんがセンター試験だけでいい方式を今年から採用されてますね。

先に補足しておくと。
志願者数は数年分見てみないとわからないものでして、昨年度が大きく落ちたから今年が増えたように見える（「下げ止まり」「底をついた」「より戻し」と表現します）だけで、5年分見てみたら下降ラインには間違いない・・・またはその逆ってことがよくあります。
作っといてなんですが、この表で「●●学科は人気が落ちた！」「上がった！」と一喜一憂するのはどうかとは思ってまして。特に他美大の同領域が増えてるところと減ってるところがあれば、誤差の範囲内と考えられるわけで。
増減率も「1000人が900人に減った」と「4人が8人に増えた」では率でみると「１割減」「2倍」になるけど、全然意味合いが違うのは明らかだし、倍率も他学科・他美大を併願してる可能性が高く、抜けるのを見越して合格は定員より多く発表するんで、ま、参考程度に・・ぐらいでしょうか。

朝1時間ぐらいで作った完全手羽オリジナルなので、数字が間違ってたら指摘してください。正確な数字は公式サイトで必ずご確認くださいませ。


では、まずは女子美さん。

ヒーリング表現は定員割れもそうですが、減り方が大きいです。
「医療と美術の融合。これからは必要な領域だ！！」と誰もが感じてるはずなんだけど、志願者数だとこうなってしまう。本当に難しいところです・・・。


次に東京造形大学さん。

昨年度との比較でいえば、唯一合計数で増えたのが東京造形さんです。
センターB方式導入の影響もあり、一般・センターを合わせた数だと全体では７％増になります。


次に皆さんが気になってる多摩美術大学さん。

そのまま、武蔵野美術大学。

ひとつ言えることは、「例のエンブレムの件はほとんど影響がなかった」ですね。

パっと見、タマビグラフィックと統合デザインが減り、競合学科であるムサビの視デと基礎デが増えてるので「ムサビに逃げた！！」と思うかもしれませんが、志願者数ではいまだにタマビさんの方が多いわけで、統合デザインなんて１５人しか減ってない。これで数が逆転でもしてれば別でしたが。少しだけ期待してましたが（笑）

年末にも書いたけど、エンブレムが話題になったのは9月だから、タマビ統合デザインやムサビ基礎デを目指すような受験生はその段階で既に予備校なりに通ってたわけで、それで進路変更する可能性は低いと既に分析されてたし、タマビレベルを目指す子がそんなにメディアに踊らされるタイプではないことも。でも来年は平面デザイン系全般に影響が出そうな気はしてます。

手羽の描くストーリーとしては、「新エンブレムにタマビ生の作品が選ばれる」を夢見てます。ムサビ関係者が獲ってくれるとうれしいけど、これからの美大のためにもそうあってほしくて。
ムサビは第２エンブレム目指しますから（笑）
http://www.sankei.com/life/news/160126/lif1601260003-n1.html


東京4美大で見る2016年度入試の傾向としては、
・日本画学科はどこも減っている
・立体デザイン系は比較的好調
かな。



一般入試の志願者数を公開してる美大がずいぶん減りました。
関東以外は「AO・推薦入試にバランスがシフトしてる」「複雑な入試制度なので表を公開するだけでは誤解をまねく」というのもありますが、「あまり出したくない数字だから」という理由も大きいと思います。
でも大学としては、一般入試の数ぐらいは出してほしいんですよね・・・。