授業終わりに書いてもらった感想シートからコメントを紹介しています。
昨日までの話はこちら
■インターンシップ演習2015を終えて2 -コメント紹介-
感想で一番多かったのが「ムサビ日記(美大日記・美大ラウンジ)を読んでた」、2番目が「ダメなSNSサイト」だとしたら3番目に多かったのは「ウルトラソウル叫べなくてすいません」かも。
あ、全然意味がわかりませんね(笑)
神戸芸工SD研修の時に、シーンが変わるところで「♪ウルトラソウル、ヘイ!」と掛け声を入れてみたんです。
「この時代、一方的に話をしてちゃダメだ!会場が一体にならないとダメなんだ!コールアンドレスポンスなんだ!(違う)これが今流行りのアクティブラーニングなんだ!(絶対違う)」という想いからで、最後は皆さん手を挙げながら「ヘイ!」とやってくれるようになりそれなりに(強制的に)盛り上がったので、今回インターンシップ演習でもこのシステムを導入したんです。
・・・イマイチでした(涙)
いわゆる「スベった」というやつで(涙)
舞台には魔物がいるね(涙)
学生さんがtwitterに「手羽さんだけが『ハァイ!』て合いの手入れてるのが虚しかった」「手羽さんの話はちょいちょいスベりながらも面白かった」と書いてて、「来年はやめよう・・・・」と授業が終わった直後は思ってたんだけど、感想シートに「心の中では『ハァイ!』と叫んでました」「勇気なくてすいません」という気を使ったコメントが結構あり、「来年もくじけずにやってみるか・・」と思いなおした次第です。
というか学生さんに気を使わせるってどういう授業・・・・。
次のお便りを紹介しましょう。視デの学生さんです。
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手羽さんはブログだけですけど知ってました。
ムサビの生徒のことだけど、生徒本人達では気がつけないことが語られてて面白かったです。
ムサビについて何も知らないな、ってことを痛感した時間でした。
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「自分の大学にもっと興味をもつことで自分のことを理解しよう!」というのがテーマにあるので、こういうコメントはありがたいです。
でも・・・・「大学は生徒じゃなくて学生」って授業で語ったでしょ!言ってるそばから間違ってるよ!!!
身内みたいなもんなんであえて晒しますが、今出てる美大生のフリーマガジンPARTNER38号も
「先生と生徒」となってたりしますね・・・。
ムサビの先生でも時々「うちの生徒は・・」と言ってるのを耳にすることがありますが、小学生は「児童」、中学・高校が「生徒」、大学・専門学校・高等専門学校は「学生」なんです。
厳密に書くと、学校教育法では中学生は「学齢生徒」だったり、児童福祉法では満十八歳に満たない者は「児童」なので児童福祉法的には高校生も「児童」だったりしますが。
ところで、「高等教育機関」って何を指すと思いますか?
「初等教育機関」が小学校、「中等教育機関」が中学校なのは文字通りでわかると思いますが、実は高校も中等教育機関で、高等教育機関とは大学・高等専門学校のこと。
つまり、生徒と学生では「教育段階」というステージの違いがあり、高等教育機関には「研究」という要素が入ってきます。
だから学生なのに「生徒」と言ってると、「あなたはまだ『教えてもらう人』という意識なんですね」と公言してるようなもんなので、やめましょう・・・と。
ちなみに、なので中学や高校の先生は「教えるために」教員免許が必要だけど、大学の教員は「研究者」であり「研究を助ける人」なので教員免許がいらないのです。
ただ、ある大学の先生がこうおっしゃってました。
「昔は大学のことを『研究教育機関』と言ってたけど、今は『教育研究機関』と言わないと保護者に怒られる」と。今の社会の流れが学生さんが自分のことを「生徒」と呼ばせてるのかもしれないし、「生徒」と呼んだ方が保護者は喜ぶのかもしれません。でも他大学はともかく、ムサビでは「学生」と呼びたいな、と。
思わず硬派な展開になりましたが、まだまだ紹介したいコメントがあるので続くっ!!
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。