気候変動によりますます深刻化するカンボジアの干ばつ
一番の影響は農業に

近年急速な経済成長をとげているカンボジア等の途上国。一方で、こうした国々では、気候変動とともに「干ばつ（水不足）」の問題を抱えており、今後被害の拡大と深刻化が予想されている。
課題がより深刻化してしまう理由には、カンボジアの気候変動に対する適応能力の低さも大きい。環境に対する脆弱性へのランキングで世界８位（１位が最も脆弱性が高い）に位置付けられているのだ。

干ばつは、当然飲料水・生活用水の不足などにも影響あるが、より大きな課題は自然災害と「農業」だ。
カンボジアはモンスーン熱帯気候に属し、季節風の影響を受けやすく、洪水、干ばつ、台風、地すべり、海面上昇など数多くの異常気象が発生する。これら気候変動による被害は世界各国さまざまに抱えているが、自然現象に対する具体的な適応能力や技術が欠けていることは無視できない。実際、2011年には気候変動による上記の自然災害の影響でGDPの4.3%が失われたとされており、これらの気候変動の影響は、特にカンボジアのGDPの3割を占める農業セクターへの被害が顕著となっている。



干ばつ地域での農業に必要なのは灌漑設備
いかにメンテナンスが簡単で、効率的・効果的なシステムをつくれるか

一緒にデザイナーで知恵を出し合おう
「モバイル・ポンプカー」のデザインに関するアイデアコンペティション

以上の背景で企画されたのが、このU-40 GLOBAL SOCIAL DESIGN COMPETITIONだ。

今回は、モバイル（移動式）の灌漑設備の普及を通じた当地での水不足の解消に資する散水車、「モバイル・ポンプカー」のデザインに関するアイデアを募集中。


審査員長を務める会宝産業株式会社会長・近藤典彦氏も日本人ならではのソーシャルデザインに期待が大きい。

「カンボジアは熱帯気候で水供給があれば、二期作も可能です。仏教が生活の中に入り込み、穏やかな国民性は、自然を敬い、自然と共に生きる日本人の心と通じるものがあります。今すぐに気候変動は回避できないものとしても、まずは小さくても行動を起こし、強い意志を持った継続的な挑戦が大きな社会課題の解決につながります。
　コンペにおいては、「農業の干ばつ問題解決の最適デザイン、農家の利便性、独創性、そして他の途上国への展開の可能性」などの観点から評価します。私は「利他の精神」、「和の心」など豊かな日本人の精神文化を乗せた、長期ビジョンを持ったプロジェクトになることを期待します」

カンボジアのみならず、途上国の農業が抱えるこれらの問題解決に、ぜひあなたの自由で斬新なモバイル・ポンプカーのデザインアイデアで力を添えてみてほしい。



▼コンペ概要

■ 募集締め切り：
・エントリー締め切り：2016年1月1日19:00（12月18日から延長となりました）
・応募作品の提出締め切り：2016年1月10日（日）19:00

■ 応募者資格
・　応募時に満４０歳以下の学生、社会人。
・　個人またはグループでの応募が可能。
・　2016年2月12日（金）に東京都内で開催される表彰式に参加できること。
・　表彰式に参加していただく受賞者の交通費（※国内旅費に限る）は代表者１名分を支給する予定です（１万円を上限とします）。

■ 提出物
・　A３サイズ２ページ、横使い、PDF形式にて提出してください。
・　氏名や所属などの情報は記入しないでください。
・　提案の主旨に関する文章、図面（縮尺自由）、イメージパース、工程、事業計画などを自由に表現してください。
・　文字の大きさは12pt以上としてください。

■ 提案の条件
・　モバイル・ポンプカーの車体は、原則として軽トラックを使用してください。ただし、軽トラックへの塗装や必要な改　 造等は自由に提案してください。
・　ポンプおよび水タンクについては、現在開発中のモバイル・ポンプカーの資料を参照の上、自由に提案してください。
・　途上国におけるビジネス展開を想定した提案としてください。

■ 賞：
・最優秀賞（１作品）：カンボジア視察（2016年3月予定）への招待
（代表者１名分の渡航日と滞在費を支給します。）
・優秀賞　（２作品）：賞金５万円
・佳作　　（４作品）：賞金２万円
※上記賞金はすべて税込となります。
※審査委員会における審査の結果、最優秀賞に相応しい応募案がない場合、最優秀賞を該当なしとすることがあります。また、それぞれの賞の数について変更がある可能性があります。

主催：経済産業省、株式会社野村総合研究所、会宝産業株式会社
協賛：リネットジャパングループ株式会社
後援：国際開発ジャーナル

その他詳細は、公式ホームページより



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