ラーニング・アーキテクチャ展に行ってきた

ほぼ1か月ぶりの六本木だった手羽です。「普段手羽さんは六本木にいるんですか?」と聞かれることがあるんですが、基本用事がある時だけでして、週3日いる時もあれば、1ヶ月行かない(行けない)ことも。

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昨日は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の大規模な研究発表イベント
慶應義塾大学SFC研究所|SFC Open Research Forum 2015
に行ってきました。

略してORF。
SFC研究所で実施している種々の研究プロジェクトの現状と将来計画を産業界・官公庁・自治体・学会等に広く紹介し、研究実施に必要な産官学協力関係の円滑化とその強化を図ると同時に、外部の評価を得て今後の研究計画に反映させる目的で開催されています。
SFCができて6年後の1996年に湘南藤沢キャンパスでスタートし、2003年からは六本木ヒルズ(1回だけ丸の内)、2011年からミッドタウンで開催されるようになりました。

去年「こ、これは・・・・」と衝撃を受け、周りの人に「これは見といた方がいいよ」と言いまわったイベントです。

手羽の写真だとわかりにくいんだけど、もうね。規模も動員数もハンパなく・・。さすがSFCさん。

2日間ミッドタウンのホールとカンファレンスを使った大規模なイベントとなると結構な金額になるはずで、研究発表の規模もすごいですが、何よりこのスポンサーですよ。
慶應さんのブランド力やOB力ってやつですよね。


・・・・って、はい。これが今日のメインの話題ではありません。
「ムサビだって負けてられません」ってことで、ミッドタウンタワー5階デザインハブで今日から展覧会がスタートしました。

東京ミッドタウン・デザインハブ 第54回企画展
ラーニング・アーキテクチャー2015|建築、学びの冒険─大学の建築設計課題の動向展

●会期:2015年11月20日(金)-12月26日(土) 11:00-19:00
●会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
●出展大学
・筑波大学 芸術専門学群デザイン専攻建築デザイン領域
・東京藝術大学 美術学部建築科
・東京大学工学 系研究科・建築学専攻・Advanced Design Studies
・東京理科大学 理工学部建築学科
・東洋大学 理工学部建築学科
・法政大学 デザイン工学部建築学科
・明治大学 大学院理工学研究科
・横浜国立大学 大学院建築都市スクールY-GSA
・早稲田大学 創造理工学部建築学科
・Architectural Association+東京藝術大学ワークショップ
・武蔵野美術大学 造形学部建築学科


国内外11大学による「建築設計課題」に注目した展覧会です。
昨日はオープニングだったのでそちらのレポートを。

建築学科の工房や製図室をイメージした展示になっています。
こちらは入口で各大学紹介。

会場はこんな感じ。
人がいないところで撮るの忘れちゃった・・・。

 
この展示のポイントでもあるんですけど、アウトプットは模型が多いのですが、よーーく見てほしいんです。

建築家が考える課題解決や思考のプロセス」がメインテーマになってまして、どうやってこのアウトプットにたどり着いたのか・・・を注目してもらえれば。
なので、

こうやって、先生と学生のやり取りやそこで作られたエスキースとかそういうものまで展示されています。
こういう見せ方の建築展って珍しいんじゃないでしょうか。

また、11大学が参加してるってこともあり、これはムサビの長澤学長が他大学の学生さんから説明を受けてるところ。

いろんな大学の先生や学生さんが会話をされてて、「このフォーマットは面白いなあ」と。
 

6時から内覧会ツアーが始まり、各大学の先生や学生さんが展示の説明をしてくれました。

こちらが今回の取りまとめ役である、建築学科・鈴木明先生です。
鈴木先生はムサビ建築学科卒で、建築やくらしの本の編集、展覧会のキュレーション(企画・運営)、くまもとアートポリスなど都市計画のコーディネーション、せんだいメディアテークなど公共施設・文化施設のユーザビリティ・スタディなどをされていて、実は多摩美術大学図書館にも関わってる人です(笑)
こんな本も出してますよ。
つくる図書館をつくる―伊東豊雄と多摩美術大学の実験

通常、建築家は設計事務所に入ってしまうので、他の建築家とは交流があまりないそう。
でも鈴木先生は新建築編集部にいらっしゃったことがあるのでつながりがあり、建築系学科の教員はほぼ建築家だから、鈴木先生のお力で11大学の合同展示を成立させることができました。

懇親会スタート!!

懇親会の途中で、藝大の中山英之先生から21日(土)に開催するワークショップの課題説明が行われました。

課題はこちら。
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1/100スケールの人形を、そっとパプリカの横に置いてみましょう。そして、もしもこれが建築だったら?と想像してみましょう。
パプリカの外壁は、カラフルでつるつるした、光を通す素材でできています。
この「モノコック構造」の外壁は、内側に構造を補強するリブや、グロテスクな芯を隠しています。そんなパプリカの特徴を想像しながら、注意深くかつ大胆に、ナイフを入れてみましょう。そこにきっと意外なかたちが現れるはずです。
現れたかたちをじっくり観察したら、その特徴がひき立つように、シンプルな建築模型材料と組み合わせてみましょう。そうやって、パプリカに隠された色やかたち、素材感の不思議さを最大限に引き出す建築的な手法を見つけること。それがこの課題の目標です。
「見つけた!」と思ったら、人形と一緒に「写真」に収めてください。そして自分の発見や手法の特徴を簡潔な「文章」にまとめて、作品タイトルをつけてください。

発表および講評会ゲスト:百田有希(建築家)
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この課題は中山先生が台湾・淡江大学やアメリカ・ミネソタ大学で行った数日間の建築ワークショップのワンデイ版となってます。
ラーニング・アーキテクチャ展のビジュアルにパプリカがあるのに気が付きました?
実はこことつながるんです。

こういうことなのです(笑)

ケータリングもパプリカを使った料理がメインになってまして・・・あ、このケータリングはHOMEのフルタヨウコさんによるもので、なんとフルタさんは工学院大学の建築学科卒業!建築つながり!!
ちなみにムサビ空デ・小泉誠教授の下でアルバイトもやってたそう。

どうぞ、ラーニング・アーキテクチャ展をよろしくお願いいたします!!


以上、ミッドタウンのイルミネーションを見ながら、

「そういや、1年前の『いろは展』のオープニングは学長選直前で、候補者と支援者が全員来てたなあ・・毎年学長選やったらみんな来るかなあ・・」と思った手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。