人と違うことに自信をもつ。スプツニ子! の『はみだす力』に共感‥‥!

今更ながら、ちょうど2年前に書かれたスプツニ子! の著書『はみだす力』を読んだ。この著書には、幼少期からの彼女の軌跡が赤裸々に書かれている。読んでいて、彼女の経験も感じてきたことも、そして彼女が示す「はみだすヒント」にも共感するものが大きかった。ということで、発売からすっかり2年越しだが、この本を改めて紹介する!

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MIT助教のキラキラ女子かと思いきや角刈り&非モテの理系女子!?


  • 『はみだす力』スプツニ子!

アーティスト・スプツニ子! といえば、2年前から世界トップの理系大学マサチューセッツ工科大学(MIT)の助教に28歳で抜擢されたアーティストとして話題になった。スタイルがよくて美人なスプツニ子! 、イギリスの有名な芸大英国王立芸術学院(RCA)の修士課程を出て、在学中から東京都現代美術館での展示などでも注目を浴び、トントン拍子にニューヨークMoMAでも出展していたから、勝手にキラキラ女子なイメージがあったのだが。この本を読んでいると、そんな彼女の出発点は「みんなと違う」ことに違和感だらけのはみだし者「角刈り&非モテの理系女子」だったことが、等身大の言葉で伝わってくる。
彼女がどんな幼少期を過ごし、どんな環境で感性を育て、枠をどんどんはみだして前に前に進み、イギリスへ留学し大好きな音楽とアートを楽しみながらプログラミングを勉強し、学生時代のインターンを経て、今度は最高峰の芸大へ進んだのか。本から伝わってくるスプツニ子! は、気持ちいいほどに自分の感覚に正直で、いつも全力疾走。
彼女の生き方と『はみだす力』に、共感が止まらなかった。感じること考えていることへの共感は、親近感が持てて、自分のエネルギーも湧いてくる。




はみだすヒントを、ぜひ「つくる人」みんなへ

本の構成が、とてもわかりやすい。
幼少期からMIT助教に声がかかるまでの彼女のたどってきた軌跡が、彼女の言葉で書かれているのだが、4ページ程度のそれぞれのエピソードごとに「はみだすヒント」と題してキーワードが全部で31まとめられている。


たとえば、こうだ。

はみだすヒント①「みんなと一緒」じゃなくていい。
はみだすヒント②「答え」をたくさんみつける。





幼稚園や学校に通ううち、いつのまにか「みんな一緒」だと安心な気になる。
ドリルをたくさん解いているうちに「答え」はひとつしかないもんだと思い込み、
答えやルールを探す周りのみんな。
そんな環境が心地悪くて、「はみだす」感じはすごいわかる。


彼女の作品は、そんな「はみだす」エネルギーで生まれている。

「高校生の頃に私は、アートを通して学校という小さな世界の型や枠、システムを見つめて『それって本当?』と考えるようになった。そしてはみだす力を身につけた。アーティストの仕事は、みんなの日常をゆさぶることなのかもしれない」



Sputniko! - The Moonwalk Machine - Selena's Step/スプツニ子! 「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」


情熱大陸 #776 スプツニ子 11月17日|131117|2013年11月17日



彼女にたくさん勇気をもらい、若き日本のクリエイターからたくさんの「日常をゆさぶるアート」が発信されたら素敵だな‥‥!と、そんなことを思いながら紹介させてもらった。気軽に読めるから、ぜひ手に取ってみてほしい。




▼書籍概要
「はみだす力」
発行:宝島社
発売:2013年11月18日

購入:AMAZONページへ / 紀伊国屋ページへ

(以下、Amazon解説文から抜粋)
2013年11月からMIT(マサチューセッツ工科大学)の助教に就任する現代アーティスト・スプツニ子!が贈る、「自由に生きるヒント」です。

自身の激動の半生をたどりながら、折々に「はみだし」てきたその生き様、考え方を紹介する内容。本書は4ページほどの短い区切りで進んでいきますが、各パラグラフには「はみだすヒント」としてまとめを掲載。「考えてからルールを壊せ」「型を破るには型を知れ」など、「平凡」な毎日からの脱出をしたい人、自分らしく生きたい人へのヒント満載です。

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OTONA WRITER

natsumiueno / natsumiueno

編集者/メディエイター。美大での4年間は「アートと世の中を繋ぐ人になる」ことを目標に、フリーペーパーPARTNERを編集してみたり、展覧会THE SIXの運営をしてみたり、就活アート展『美ナビ展』の企画書をつくったりしてすごしました。現在チリ・サンチャゴ在住。ウェブメディアPARTNERの編集、記事執筆など。