栃木県益子の人びとが地域の風土に向き合いつくる「この土地で生きることの祭り」

PARTNERでも数多くの地方で開催されるアートイベントを紹介してきているが、今年は日本各地でさまざまなイベントが本当に元気よく開催されている。今回紹介するのは、今年3回目を迎える栃木・益子のイベント「土祭(ひじさい)」だ。このイベントは芸術祭とはうたわない。「この土地で生きることの祭り」だ。

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「デタ。デタ。メガデタ。」*

この言葉、空き店舗だった所が土祭の中でアートの展示会場になり、さらに土祭後に「ヒジノワ」というカフェとしてオープンする際に、土祭の総合プロデユーサー馬場浩史氏から贈られた言葉だという。
*参考:土祭公式ウェブサイト実行委員長メッセージより

他の地域に根ざした芸術祭でも語られるように、土祭も「文化の力で、地域を元気にする」という計画のもとに生まれた。しかし、「この土地で生きることの祭り」というコンセプトには、単に外部からアーティストを招くだけでなく、「町民の祭り」として根を張り、枝葉を広げていこうと、自分たちの足下の風土をあらためて掘り起こし、知り、共有し、それを活かしていく「しくみ」を作っているところが反映されていて、大きな注目すべき点といえる。



地理学・生態学・民俗学・社会学などを合わせて
地域の風土について総合的に調査した。

それが、2014年6月にスタートさせた「益子の風土・風景を読み解くプロジェクト」。地域の風土について、環境デザイナーの廣瀬俊介氏を土祭風土形成ディレクターとして迎え、地理学・生態学・民俗学・社会学などを合わせて総合的に町民との協働で調査し、その成果に基づいて土祭2015を構想してきたのだという。


地域の人々が、アーティストや表現者たちとともに織り成す、それぞれの地域の「希望の芽*」を、ぜひ見てみたい。

*参考:土祭公式ウェブサイト実行委員長メッセージより


会期中にはワークショップや展示、トークショーが盛りだくさん。

「この土地で生きる」「継ぐ」「識る」「澄ます」「照らす」「結ぶ」の6つの切り口から、とてもたくさんのイベントが開催される。








▼開催概要

土祭2015 Living with the Earth


会期:2015年9月13日(日/新月)〜28日(月/満月)
会場:益子町内各所

内容:展示、演奏会、市場、セミナー・演劇・映画・ワークショップほか
基本開場時間:10:00~17:00
パスポート:500円(中学生以下無料) 益子町民無料
展示鑑賞や演劇・映画・セミナー・ワークショップへの入場や参加にパスポートが必要です


詳細はこちら

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