【大分旅番外編2】大分県立美術館(OPAM)バックヤードツアーに参加してきた! #チームラボ展

2025年7月31日(木)

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福岡大分ツアーの番外編をお送りしています。
これまでの話はこちら↓
【大分旅番外編1】大分港⇔大分空港の定期就航開始したばかりのホーバークラフトに乗ってきた!!
 
7月27日。
ガイダンスは午後からなので朝1でこちらへ行ってきました。

大分県立美術館です。
業界的には「大分県立美術館」と呼ぶ人は少なく、普段は「Oita Prefectural Art Museum」、略して「OPAM」の呼び名の方が一般的ですね。なので以降もOPAMと表記させてもらいます。
2015年に開館した美術館で、設計は坂茂設計事務所で、OPAMのネーミング・シンボルマークデザイン・サインデザイン等は平野敬子さんと工藤青石さん。

ムサビの人間なら、大分に行ったら絶対に訪れないといけない場所でして。
というのも、ムサビの新見隆教授(現 ムサビ美術館・図書館館長)が初代館長をされていたからです。
学長レベルの方や大学院教授、または教授をやめて館長になることはよくありますが、現役バリバリの学部も教えてる専任教員が県立美術館の館長をされることはほとんど例がなく。しかも初代なわけで。
月に何度も大分入りされてて、当時はずっとお忙しそうでした。
2013年就任が決まった直後の新見先生の動画をご覧ください。

手羽は今回2度目の訪問。
 
中に入ってみましょう。

エントランス含め、この開放的な感じはかなり独特で、

2階が3階から吊り下げられてる構造なんです。つまりこの橋も吊り橋ってこと。
だから1階に柱がなく、それが開放的な空間を作っているんですね。


  • 須藤玲子さんの作品が常設であります。

この左側のガラス窓も実はすごいもの。

ガラス面(ファサード)は、折りたたまれ、最大6mの高さまで上に開く「水平折戸」という仕組みになってます。

こんな感じに。
まさに「外に開いた美術館」なわけですが、普段からこんなことをしてると美術品の管理に影響が出てしまうので、外気温と室気温の差があまり激しくない5月や10月、なおかつ貴重品を展示していない時に開けるぐらいだそう。去年は国宝を借り受けてたんでできなかったんですが、今年は10月に1日開ける予定だそうなんで、そのタイミングを狙っていくといいかも。
 
坂茂さんは中吊り構造、水平折戸等の構造以外に

受付インフォメーションコーナーは「?」マーク、

ショップはSHOPの「S」マークと、上から見ないと気が付かないようなおちゃめなデザインもいれてます。


  • 手前のプールはミヤケマイさんの作品

OPAMは教育普及にも力をいれていて、1階では子供向けワークショップをやってたり、

2階には夏休みの宿題にばっちりな展示もやってた。あ、右側は体験学習室。

その2階のカフェでは

サンリオハーモニーランドとのコラボカフェをやってて、開店前から行列ができてました。

3階は常設展示室があるフロアで、竹工芸をモチーフにした天井にはパクっと空いた天窓があります。

天井は微妙な曲線でできてて、これを木でつくるのはすごい大変そう・・と思ったら中は鉄骨で外側に木を貼ってるそう。

んで今日のメインイベントはこちら。

前日に「OPAMでは今何を展示してるんだろ?」とチェックしてたら、バックヤードツアーがあるのを発見し、これは行くしかないだろう、と。
事前予約なしの先着30名。

これがとても楽しくて。
ツアーガイドの太田さんが話がすんごくうまい方で、しかも学芸員ではなく管理課の職員さんてことに驚き。
でも学芸員だと「美術品・美術館についての正しい詳細情報」を研究者的な立場で伝えがちで、職員さんだからこそ「一般の人が知りたい裏方的な情報」をたくさん教えてくれ、参加者からするとその方がありがたいし面白い。
 
空調の吹き出し口は天井ではなく床にある・・ってのは、美術館や図書館ではよくあることなんだけど、それを説明だけじゃなく、

わざわざ専用工具で床をはがして、空調口にティッシュを置いて飛ばすパフォーマンスをされてました。子供は大喜び。

また作品の動かし方を実演してくれたり。

バックヤードツアーに偽りはなく、普段は入れないスペースにも。

さすがに収蔵庫に入ることはできなかったけど、道具類が置かれた雑然として裏方スペースを見せてくれたり、「ここまでやるか?!」で。
ここも動画を撮ってきました。

普通の美術館学芸員さんなら「そんなところを見せられない!」「外部の人が入って何かあったらどうするんだ!」と猛反対するはず。
でも、「ここまでやってる美術館がある」ってことなんすよね。

普段は人だけで乗っちゃいけない搬入用エレベータで移動。

なんと屋上にも上がることができました。

先ほどの天窓を屋上側から見れた。

OPAMは海抜4mぐらいの場所にあるので、万が一津波が起きて水に浸かっても大丈夫なように、非常用電源などは屋上に設置されています。
ちなみに屋上にソーラーパネルがついてますが、美術館利用のためではなく、売電用だそう。

搬入出用の巨大トラックヤードのシャッターを開けてくれたり、もう至れり尽くせりで。
多分子供よりも大人の方が楽しめたんじゃないかしら。「ツアーって施設紹介だけよりも『特別感』があった方が参加した楽しさは数倍になるなあ」と改めて実感。
後で調べたら「OPAMきっての愉快な職員・太田誠」というフレーズも出てきて、このツアーは太田さんのキャラクターによるものが大きいような気がするけど。
 
満足度120%のまま、こちらの展覧会へ。

チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち展です。
今年はOPAM開館10周年で展覧会に気合が入ってて、チームラボ展の後は「金曜ロードショーとジブリ展 大分展」が開催されるそう。

実は朝1にOPAMへ到着してすぐに当日券を買ったんだけど、夏休みってこともあり既に2時間待ちでした・・。整理券をもらってバックヤードツアーに参加してたんです。

チームラボって感じ(なんだそりゃ)
 
入口からの動画はこちら。

自分が描いた絵が大画面で動きだすんだから、そりゃ子供は楽しいに決まってる。

夏休み中はすんごく混雑すると思うので、事前チケットを購入されることをおすすめします。

さ、大分旅番外編は次でラスト。
もう1か所某所にこっそり行ってたんです。
 


以上、バックヤードツアーで、
太田「他の方となんか雰囲気違いますね。もしかして建物の設計は誰かわかりますか?」
手羽「坂茂さんですよね」
太田「おお!てことはもしかして坂さんといえば!なものもわかったりもしますか?」
手羽「紙の筒ですかね」
太田さん「正解!この人、なんか怪しい―」
という会話があった手羽がお送りいたしました。

ま、怪しいよね・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。