5月19日(月)、前日の代休を使って、
国立新美術館へ。
こちらの展覧会を見てきました。
■DESIGN MUSEUM JAPAN展2025~集めてつなごう 日本のデザイン~
会期:2025年5月15日(木)~25日(日)
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 3階 展示室3B
休館日:5月20日(火)
入場料:無料
主 催:NHKプロモーション、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協 力:一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM
主催はNHKですが、協力の「一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM」は、国立のデザインミュージアム設立を目指してる団体です。
そうなんです。日本にはまだ国立のデザイン美術館ってないんですよ。
前身の「国立デザイン美術館をつくる会」が趣意書を発表したのが2012年だし、2003年には「東京デザインミュージアム設立構想」が発表されてるし、もっと遡ると1988年にイサム・ノグチ、安藤忠雄、三宅一生が「デザインの為のミュージアムの必要性」を語っていたり、構想としてはずいぶん前からあるんです。
この展覧会を機に前に進めばいいのですが・・。
今回は8名のクリエイターによってリサーチされた各地方に展開する「デザインの宝物」を中心に展覧会が構成されてます。
建築家の塚本由晴さん、プロダクトデザイナーの深澤直人さん、デザイナーの宮前義之さんの他に
グラフィックデザイナーの佐藤卓さんは、宮崎の西橘通り(ニシタチ)でスナックの看板フォントをリサーチ。
ちなみに人口10万人当たりのスナック店の数で宮崎県は日本一なんだそう。来月は宮崎行くからチェックしてみるか。
これは佐藤卓さんがスナック「ミカ」をまねてつくった看板。
現代美術作家の宮永愛子さんは、ヒラギノフォントの明朝体が生まれた京都との関係に注目。
グラフィックデザイナでムサビ彫刻中退の菊地敦己さんは、「ほうろう」の生活用品をリサーチ。
インテリアデザイナーでムサビ空間演出デザイン学科の五十嵐久枝先生は、「魔法瓶」の中身を作ってるガラス職人たちを訪ね大阪へ。
ガラスを溶かすための「るつぼ」を作る職人さんの仕事を見て、「るつぼの形がきれいだから、ここから生まれるものはきれいなものとして生まれる運命をバトンタッチしてる」とおっしゃっていたのが印象的でした。
今回の展示である意味一番感服したのはこれかな。
ムサビ基礎デザイン学科の菱川勢一先生は、鳥取の大漁旗を染める職人さんを訪問。
何が驚いたかって、この大漁旗は菱川先生の「勢」が入ってるからこの展示のための特注品かと思ったら、本当に存在する船の大漁旗なんです。偶然にしては出来すぎで、NHKのリサーチャーさんはそこまで調べて取材したのかと思うと脱帽。
最後はデザイン年表が展示されてた。このデータ欲しいなあ。
5月23日(金)と24日(土)にギャラリーツアー(参加料無料・事前申込不要)、25日にはトークセッションVol.2「デザインミュージアムジャパンツアーへようこそ」(事前申込制)が開催されるので、興味をお持ちの方はぜひ。
国立新美からちょっと歩いて、
東京ミッドタウンへ。
ミッドタウンタワーの地下1階を通ると、
工事の仮囲いが出来てた。
ここを全面閉鎖するってどんだけ大規模な工事をやってるんだろ。
で5階デザインハブへ行き、19日から始まったこちらの展示をチェック。
■東京ミッドタウン・デザインハブ第114回企画展「ゼミ展2025 デザインの学び方を知る」
会期:2025年5月19日(月)〜6月21日(土)
時間:11:00~19:00(最終日16:00まで)
会期中無休・入場無料
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ(構成機関:公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、多摩美術大学 TUB)
大学・専門学校の教育課程や研究室で取り組まれている課題の内容とその学生作品を紹介する「ゼミ展」で、2018年から行われています。
今年は8組11校が参加してるんだけど、今年は日本と海外のゼミによる共同課題、海外の教育機関による滞在制作などの国際交流プロジェクトが多く展示されてます。
ダンボールパネルがサインに使われてる。
ArtCenter・多摩美術大学 Pacific Rim Project
タマビのPacific Rimとは、協定校のアートセンター・カレッジ・オブ・デザインと2006年から実施している国際協働教育プロジェクト。
奥に見えるのは、名古屋造形大学 大学院造形研究科 メディアデザイン研究合同ゼミ。
武蔵野美術大学はバンドン工科大学 協定校プロジェクトの展示。
ムサビとバンドン工科大学とのプロジェクトは2009年から13回実施されていて、地域資源である
竹やラタンなどの非木材植物を素材とした手工芸の価値を再解釈し、プロダクトデザインに新たな可能性を見出すことを目指しています。
特徴的なのは、1学科のプロジェクトではなく、複数学科の合同プロジェクトってところですね。
教員も工芸工業デザイン学科・伊藤真一先生、基礎デザイン学科・板東孝明先生、芸術文化学科・佐々木一晋先生が担当しており、参加学生もムサビは27名、バンドン工科大学は30名とかなり大掛かりなプロジェクトなんです。
ゼミ展は初回から見てますが、今年が一番手が込んだ展示になってるかも。
展覧会最終日の6月21日(土)には出展各ゼミが会場に集う交流イベントが予定されてます。
こちらもぜひ!
以上、
前を走ってる車の後ろを見て「え。ムサビがどうした?!」と思ってしまった手羽がお送りいたしました。
今までは「ムスビ」とか3文字の単語をムサビに間違えることはよくあったけども、単語に「ム」と「サ」が入ってれば、なんでも反応しちゃうようになってる。病気だ病気。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。