令和6年度武蔵野美術大学卒業式に行ってきた

2025年3月15日(土)

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2025年3月14日(金)、武蔵野美術大学鷹の台キャンパスで卒業式が挙行されました。

ムサビ卒業式の様子を裏話含めてレポートします。
ちょっと特殊な卒業式なので・・。
 

卒業式といえば、上記写真左上に旗が映ってるのわかります?

卒業式と入学式の年に2回だけ校旗・・のようなものが掲揚されます。
ムサビは公式な校旗が存在せず、この旗はいつ誰が作ったのかはっきりとわからないんですが、なぜか昔からこの旗が挙がるんです。伝統ってそんなもんかもしれません。

ここで注意!
ムサビは卒業式と入学式がほぼ同じステージ・演出なので、以降の記事は入学式のかなりのネタバレを含んでいます。入学式を楽しみに取っておきたい新入生(と保護者)はここで読むのをやめてください。



 
・・もう新入生は退出したかな?
では話を進めます。
まず前日の準備・リハ風景から

椅子を学生さんと職員で並べました。
並べてる様子をタイプラプスで撮影するとこんな感じ。

で、これがこうなります。

きれいに並べられたでしょ?
 
 
夕方からリハーサル開始。
卒業式前日に学長を始め、登壇する学生さんにも集まってもらって、結構ちゃんとしたランスルーをやってるんです。
そりゃ、ぶっつけ本番であんなにうまくいきませんって(笑)
よくテレビで仮装卒業式が話題になったりしますが、演出陣も教員も学長も、授与者のパフォーマンスに協力するのがムサビ式典の最大の特徴でもあるんです。ちょっと先を行ってます。

先生たちのお面をかぶってるのは日本画学科のパフォーマンス(のリハ)。

 
そして卒業式当日。
9時半に先生方に集合してもらって直前リハーサル。
全教員を集めて場当たり含めたリハをしてる大学卒業式は、日本でムサビぐらいだけじゃないかしら。


  • 油絵学科の水上先生はリハからこのテンション


  • 視覚伝達デザイン学科

工芸工業デザイン学科。
インテリアの伊藤真一先生が「急いでて、ネクタイするの忘れちゃった」と言ってたので、「工デはTシャツの人もいるんだから問題ないっす」と答えました。
はい。主任教授の山中先生は安定のTシャツ姿。式典用のTシャツと思われます。
 

クリエイティブイノベーション学科。
長谷川先生が「最後にみんなで『CI』マークを出すって感じで」と壇上で打ち合わせをしてた。

当日リハーサルも終わったので学内をブラっと。

今年の中央広場フォトスポットはこんな感じ。
朝はまだこんな状態でしたが、式後は毎年すごい行列になるので、今年入学式に参加される方、来年の卒業式に参加される方は朝1で撮影しといた方がいいですよ。
 
そして10時開場。

学生DJがイケイケな音楽をかけて皆さんをお迎えします。
今回の隠れテーマはDJなので、ステージ上や

次第がレコードや丸がモチーフになってます。


  • レーザーがきれい。目に入っても大丈夫なレーザー光線なんだそう

アゲアゲな音楽をかけつつ、定刻少し過ぎたところでいよいよ卒業式スタート!!


まずは校歌斉唱。

学生サークル「MAUコーラス部」の皆さん。

毎年「校歌斉唱」というナレーションに会場はザワザワします。
「え。校歌なんて歌えないんだけど」と。
校歌はムサビの前身・帝国美術学校の校歌として1930年に制定されていて、作詞はなんと北原白秋!
北原白秋自筆の校歌も大学史史料室に保存されているんです。


  • 北原白秋直筆原稿(1930年)

当時は帝国美術学校だったから、歌詞の「帝国美術」を「武蔵野美術」と替えてずっと歌い継がれているのです。あ、ここで校歌を聞くことができますよ。

ちなみに北原白秋といえば、童謡の「あめふり」の作詞者でもあるんですが、「あめふり」にでてくる「♪雨雨ふれふれ」の「ふれふれ」とムサビ校歌「♪武蔵野美術ふれーふれー」の「ふれーふれー」は同じ人が作った「ふれふれ」だっ!!、と手羽が大発見して、みんなにコーフン気味に伝えるんだけど「ふーん・・」という反応をされます。
ちなみにちなみに先週、娘の高校卒業式に参加したら、その校歌(行進歌)も北原白秋作詞とわかってびっくり。


続いて司会紹介。
今年は石膏像が司会をしてて、

アリアスさんと

アポロさんです。どうぞよろしくお願いいたします。



そして教員紹介。


  • 芸術文化学科


  • デザイン情報学科。白石先生はアフロのカツラをかぶってた

クリエイティブイノベーション学科はリハどおりCIポーズで決めっ!
教員以外やってる人を見たことないけど(ぼそっ)


そして、メインイベントの学位授与式へ突入。
年々凝ってきていて、映像をプロジェクターに投影して映像と絡めたパフォーマンスが増えてきました。

通信教育課程の授与者は狐の嫁入り行列で登場。
通信でみんなと調整してこのレベルの準備を短期間でやるのは大変だったはず。

 
でも今年のパフォーマンスNo1は間違いなく

クリエイティブイノベーション学科ですね。多分反対する人はいないはず(笑)
CI学科の色が出てきた気がします。
 
ムサビも30年前ぐらいまでは普通のお固い卒業式でした。
でも「偉い人が何人も出てきて長い話をするような卒業式じゃなく、在学生や教職員が一緒に卒業生を楽しく祝って送り出す形にしよう!」という声が教授会で起き、今のような形になったのです。
多分この規模のものを業者に完全外注したらすんごいお金がかかるはずですが、そこは美大。学内の機材や卒業生の力を総動員してやってます。
ちなみに今年のプロデューサーはネクタイ忘れた工デ・伊藤先生で、演出・空間設計・照明を担当された遠藤治郎さんはムサビ建築卒です。

卒業制作・修了制作優秀賞授与。
優秀賞を授与された方には視覚伝達デザイン学科・白井先生がデザインした懐中時計が贈られます。


授与式も終わり、祝辞コーナー。


  • 樺山学長


  • 長澤理事長


  • 教員祝辞は油絵学科・赤塚先生。毎年来年度退任される先生から祝辞をしてもらうことになっています

校友会長のデ情卒・萩原幸也さん。
つい最近、UI UX Camp!2025のナビゲータもされてたけど、10万円のうまい棒を最初に購入して、テレビでインタビューを受けてた人でもあります。

学長の「卒業・修了おめでとうっ!!」とともに、卒業式は終了。

DJが再登場し、アゲアゲな曲をかけると、

アリーナはデスコ状態に。

みんなでステージに上がって踊ってました。
新入生の皆さんも恥ずかしがらずに踊ってね。

この後は、各学科に分かれて授与式が行われます。 
 

令和6年度卒業生ってことは、令和3年度入学生でもあります。
令和2年度入学式はコロナで中止になり、令和3年度入学式はなんとか学内でやることができたけど

体育館アリーナにマスクをつけた教員だけ集まり、新入生は

配信されてるものを各教室で見る形を取らざるをえませんでした。
こうやって全員が集まって卒業式ができたことを嬉しく思っています。

授与式が終わって、みんなで記念写真を撮ってた。
自分もそうだったけど、4年間で一番平和な時間がこの時かもしれない。


以上、最後にいつもより大きな声で

皆さん、ご卒業おめでとうございます!!
と2号館に向かって叫ぶ手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。