2月22日(土)11時、手羽は
国立新美術館にいました。
この時期に国立新美へ行く理由はひとつしかありません。
■2024年度 第48回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展
●会期:2025年2月21日(金)-2025年3月2日(日)*休館:2月25日(火)
●時間:10:00-18:00
●会場:国立新美術館
●参加大学:東京造形大学 / 日本大学芸術学部 / 武蔵野美術大学 / 多摩美術大学 / 女子美術大学
●参加学科:日本画 / 油絵 / 版画 / 彫刻
通称「ゴビダイテン」。
五美大展を初めて見る人がよく勘違いしてることやよくやる失敗が5つあります。
1つ目は「日本画・油絵・版画・彫刻のファインアート系学科のみの展覧会」ということ。デザイン系は展示されてないし、デザイン系の美大合同展はありません。
2つ目は「五美大展に東京藝大は含まれてない」ってこと。
ちなみに「五美大は藝大じゃなくて日芸!」と否定する人がいますが、「五美大展はそうだけど、『五美大』という括りはシーンによっていろいろあるよ」という説明はこちらの記事をご覧ください。
あ、恐らくこれを元ネタにして五美大について書いたと思われる記事をいくつか見かけたんですが、なんせ10年前に書いたものなんで結構情報変わってるんですよね。最新の情報を調べた方がいいですよ。
3つ目は、「あくまでも卒業制作の『レビュー』『ポートフォリオ』的な展覧会」ということ。
地方の美大だと卒展を学外の美術館でやることが多いので、これを「五美大合同の卒展」と思ってる方も多いのだけど、東京のファインアート系学科は学内展がメインなんです。
国立新美はスペースやレギュレーションの関係から「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスができないので収録してビデオ上映」「五美大展サイズに小さく作った作品」「水モノ・土モノNG」になってしまうので、本当は学内展を見てほしいんですよね(女子美さん以外は終わってるけど)
とはいえ、5大学のほぼ全員の(ファインアート系)学生さんが同じ場所に展示することは日本でもこの五美大展以外はなく、各大学の作風やカラーの違いがわかるから、受験生にはかなりおすすめの展示なのは間違いないです。
カラーといえば、事前に知っておいてほしい豆知識がありまして、それは「五美大展スクールカラー」。
展示会場は中でつながってるんで、どこまでがどの大学なのかパっと分からないことがあります。
なので各大学の見分けがすぐつくように五美大展独自のスクールカラーを設定しているんです。
大学名の前に色がついてるのわかります?
作品キャプション、掲示等はもちろんのこと、作品搬入時のガムテープもすべて五美大展スクールカラーを使うようになっています。色さえ確認すればどの大学かすぐ把握できる、と。
これを知ってると、手羽の作った東京5美大の一般選抜日程カレンダーが
なぜこの色分けなのかわかってもらえるはず。
あまりにも徹底されてるんで手羽は入職当時、その色が本当のスクールカラーだと思ってたくらいで、「へー。うまくできてるもんだ」と感じたけど、あくまでも「五美大展の時だけに使うスクールカラー」なのでお間違えなく。ムサビもタマビも本当のスクールカラーは同じ青なんですよね。
と長い前置きはこれくらいにして、会場を見ていきましょ。
まずは女子美術大学。
五美大展スクールカラーは紫・・・なんだけど、最近はピンクにかなり近い紫を使ってますね。
手羽は女子美さんの立体作品が好きなんだけど、ここ数年の五美大展の女子美立体作品がよくSNSでバズってますね。特に動物もの。
ちなみに2月22日はニャンニャンニャンで「ネコの日」でした。
続いて武蔵野美術大学。
五美大展スクールカラーは青。
あれだけじっくり学内卒展を回ってても、五美大展で初めて見る作品があったり、「お。この作品はこうやって展示したのか」と新しい発見がある楽しさがあります。
五美大展に初めていく人がよくやる失敗4つ目は、
「1階には屋外展示場があるのを知らずに帰ってしまう」こと。
大きな作品が多く面白い空間なんで忘れずにこちらも見てね。
最後の5つ目は、これも意外と多いのだけど「2階を見ずに帰ってしまう」こと。
1階だけでもかなりのボリュームだからそれで満足して帰っちゃうんですよ。私たちは「今見てる展示はどの大学か」が大事ですが、関係ないお客さんからすれば5美大だろうが3美大だろうがどうでもいいわけで(笑)
それもあって毎年2階よりも1階の方が人が多いんですよね。
てなわけで、2階の日本大学芸術学部。
五美大展スクールカラーは黄色。
そして東京造形大学。
五美大展スクールカラーは緑色。
今年は久しぶりに東京造形大の学内卒展に行ったので、「おっ!久しぶり!」な感覚。
東京造形大は今日23日にギャラリーツアーをやってます。
■東京造形大学 五美大展ギャラリーツアー
●日時:2024年2月 23日(日)14:00~15:00
●集合場所:国立新美術館2F 東京造形大学 展示室入口
*参加費無料、予約不要
出品学生による展示作品解説や教員による領域概要説明なので、ぜひ。
冒頭で書いた「展示会場は中でつながってるから、どこまでがどの大学かパっとわからない」の典型例が東京造形大とタマビの境目で、
手前が東京造形大、奥がタマビの作品なんだけど、両大学のはっきりした境目はなく、この距離感で作品が置かれてたりするんですね。
てなわけで最後に多摩美術大学。
五美大展スクールカラーは赤色。
タマビも学内卒展Aを見に行ったので、毎年五美大展記事を書く時に写真見ながら「この作品はどの大学だったかな?」と迷うのに、今年は一度見てるから書きやすかった。
あ、タマビ学内卒展の時は見ることができなかった、
彫刻の巨大な歯が回転するのを見れたんで満足。
昨日は14時から3階講堂で
「学生による、学生のためのラウンドテーブルミーティング」をやってたんだけど、手羽は仕事があって見ることができず。無事に終わったかな?
昔だとこれで帰ってましたが、こちらもチェック。
■DOUBLE ANNUAL 2025 アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omnium-gatherum
●会期:2025年2月22日(土)~3月2日(日)
●休館日:2月25日(火)
●時間:10:00-18:00 ※最終日の観覧締切時間は17時半
●会場:国立新美術館 3階 展示室3A
京都芸術大学と東北芸術工科大学の合同選抜展です。
(あえて)五美大展と同時期にやってるので比較される方もいらっしゃるのだけど、コンセプトが全然違うので比較されてもなあ、と思ったり。
にしても東北芸工さんは今年も同時期に都美館で卒展選抜展やってるんですよね。同時開催って先生方は準備大変だったろうなあ・・。
五美大展と一緒にこちらの展覧会もぜひ。
手羽はここで国立新美術館を離脱。
10分ぐらい歩いて、
六本木ヒルズのすぐ横にあるハリウッドビューティープラザへ。
「午後からの仕事」ってのが、5階の大ホールで美大・専門学校合同の相談会だったんです。
ムサビタマビは昨日が合格発表日だったけど、休む暇なく来年度入試広報がスタートしました(涙)
会が始まる前は各学校のブースに行って名刺交換したり和やかな雰囲気。
でも開場するとすんごい人で、
これはムサビブース。
去年より対応スタッフを増員したのに、手羽が今まで参加した中で一番長い待機列ができて、タマビとムサビだけ居残り状態。最後の相談者が帰ったのが閉場時間2時間半後の19時。6時間しゃべりっぱなしでノドが死にました・・。
でもありがたい限りです。
ただ、ここ数年は午前に五美大展を見て、午後からこの合同相談会をやって、終わった後にアクシスでやってる
■武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 2024年度卒業制作選抜展「shide CONTACT 2025」
●会期:2025年2月20日(木)-25日(火)
●時間:11:00-20:00
●開場:AXISギャラリー / JIDAデザインミュージアム
*入場料無料
を見るのがルーチンにしてたけど、さすがに今年はコンタクト展まで行けなかった。明日行くか。
以上、国立新美とヒルズの移動は他広報スタッフと一緒だったんだけど、近道を使ってサクっと行って「よく道がわかりますね」と聞かれた瞬間に「だって、六本木は俺の庭だから」と一度は言ってみたい日本語で答えた手羽がお送りいたしました。
デザイン・ラウンジやってる時はほぼ毎週六本木に来てたもんで・・。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。