「NEW COMMONS──武蔵野美術大学の社会連携活動展」オープニングトークに行ってきた

2024年12月3日(火)

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昨日からの続きです。これまでは話はこちら↓
DESIGNTIDE TOKYO 2024に行ってきた


12月1日(日)、市ヶ谷キャンパスへ。

入口のサイネージを見てもわかるとおり、この時期はイベントが重なりまくりで。

この日も5階ではジャポニズム学会の国際シンポジウムが行われてました。
前日11月30日(土)なんて、市ヶ谷キャンパスで通信教育課程のスクーリングをやりながら、「VCP for Prototyping」の体験会、CI学科長谷川ゼミのデモデイ、ギャラリーαMの「Multiple Spirits|いつでもルナティック、あるいは狂気の家族廃絶」展のオープニングとクアドラプルな状態で事務局はイベントを回したよう。
昔は「芸術の秋」で10月連休あたりが超忙しかったけど、なんとなく11月中旬から12月上旬にシーズンが移動したような気がします。暑くなったからかな?


  • 学内向けでは「面接でCI/CLをどう説明するか?」って自分も聞きたいレクチャーをやってたり、


この時期は鷹の台キャンパスもいろんな学科が展示や公演をやってます。
例えば空間演出デザイン学科のインスタを見ると、池田ゼミの公演や鈴木ゼミや五十嵐ゼミの展示をやってるのがわかります。今年度授業も終盤に入り各学科が最終発表をあちこちでやってるから、実は大学見学で一番いいのがこの11月末から12月頭ぐらいのシーズンだったりします。

おっと脱線しちゃった。
 

で、何をしに来たかというと、こちらの展覧会を見に来たのです。
NEW COMMONS──ともにつくる学びの場 武蔵野美術大学の社会連携活動展

●会 期:2024年11月29日(金)〜12月20日(日)
●時 間:11:00-19:00(最終日12月20日は17:00まで)
●会 場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス2F 1/M(イチエム)
●観覧料:無料


11月29日、市ヶ谷キャンパス2階に社会連携拠点「1/M」(イチエム)がオープンしました。
市ヶ谷キャンパスに社会連携拠点をオープン!さらなる産学連携強化へ
そのオープニング展として、近年ムサビが取り組んできた様々な社会連携プロジェクトを紹介する展覧会をやっているのです。
 
少しだけ出展されてるプロジェクトをご案内しましょ。

右は日曜までやってた小平アートサイトですね。
「1988年から続いてる大学と地域が連携した屋外アート展」って他にないはずで。

市ヶ谷周辺のリサーチとコミュニティプロジェクトを企画・制作するクリエイティブイノベーション学科の「クリエイティブイノベーション演習」

2008年に武蔵野美術大学基礎デザイン学科と徳島大学病院の共同プロジェクトとして「ホスピタルギャラリーbe」を西病棟1階ロビーに設置しました。
そこに基礎デ「形態論」等の学生作品を毎年入れ替えて展示をしていて、こちらはその作品。

徳島行った時に立ち寄ろうと思ってたんだけど、都合が合わなかったんですよね。
設立経緯やその後については武蔵野美術大学出版局から「ホスピタルギャラリー」として本に書かれてるのでぜひ。
ちなみに12月14日まで徳島大学病院ホスピタルギャラリーbeで形態論IIを展示した「さなぎ展」を開催されてます。大学病院は院長先生が変わると経営方針がガラっと変わるのですが、このギャラリーの運営費は継続して予算化していただいてます。その大きな理由が「感想ノート」で・・って話はぜひ本を読んでもらえれば。

あ、基礎デは昨日まで鷹の台キャンパス9号館地下展示室で「形態論」の展示をやってたから、来年はこの中のどれかが徳島大学に展示されるのかな?

こちらは空間演出デザイン学科の「Let’s! PLAY! PUTIPUTI! プロジェクト」

芸術文化学科の「アーツプロジェクト」や、言語文化研究室は芸術文化学科と協働で「にっぽん多文化共生発信プロジェクト」をやってたりします。
実技系学科だけじゃなく身体運動研や教養科目、教職課程等の先生方も社会連携活動をやってるのがムサビの特色かも。

工芸工業デザイン学科、基礎デザイン学科等の「Bamboo and Rattan Design Workshop in Indonesia」

先日の仙台旅行シリーズで紹介した「森と海の美術展プロジェクト」

ご存じ「旅するムサビプロジェクト」
2017年にグッドデザイン賞を受賞していて、「教育・推進・支援手法」の分類では美術大学として初の受賞だったりします。

映像学科は大分の別府温泉 杉乃井ホテルで「プロジェクションマッピングプロジェクト」をやってます。手羽は杉乃井ホテルが定宿なので、これを聞いた時は嬉しかったなあ。

「ムサビらしいなあ」と思ったのが、これらのプロジェクトを学生・教育・協働先の3つの視点から「創造性が拓かれる学生たち」「進化し続ける教育プログラム」「創造の価値を探索する協働者たち」の3つの章に分けて展示してること。
よくあるのは「●●デザイン」という5つぐらいの括りに分けて展示する方法なんだけど、そんなに簡単にデザインって分けられないわけで、きれいなまとまった結果よりプロセスでの経験などをムサビは大事にしてるのを表してる気がします。


18時半、7階のMaへ移動して、オープニングトーク&レセプションの開始。

まず、学長特命補佐[社会連携担当]で社会連携推進検討委員会委員長である視覚伝達デザイン学科の北崎允子先生が1/M(イチエム)開設と展覧会の紹介。

そして樺山学長による挨拶。

ここからドリンクを飲みながらのまったりとしたトークの開始。

登壇者は基礎デザイン学科の板東孝明先生とクリエイティブイノベーション学科の若杉浩一先生で、ファシリテータ役が北崎先生。

徳島大学病院で昔から基礎デが展示をやってるのは知ってたけど、詳細は実は私もあまり知らず、初めて板東先生から経緯などを含めて聞くことができて、すごく面白かったです。
「最初は深澤直人先生と、次は柴田文江さんとやってたんだけど、二人ともタマビの統合デザイン学科に行っちゃって、統合デザインで形態論をやってる(笑)でもデザイン教育ってそうやって広まっていくんだから全然構わない」と。

お二人の話を聞いてると、基礎デとCI学科は逆アプローチで社会連携活動をやってますが、目指してるものは全く同じだなあ、と気が付きました。

なごやかな感じで進むトークを

暖かいまなざしで横から見守る樺山学長と造形構想学部長の井口先生の図。
 
トークイベントはあと2つ、12/18,19に開催されます。
NEW COMMONS展 トークセッション2「創造性が拓かれる学生たち」

日 時:2024年12月18日(水)18:30-20:30
参加費:無料
登壇者:津村耕佑(空間演出デザイン学科教授)、北崎允子(学長特命補佐[社会連携担当]/視覚伝達デザイン学科教授)、田中桂太(工芸工業デザイン学科教授)、視覚伝達デザイン学科4年生、工芸工業デザイン学科3年生、彫刻学科4年生
申 込:https://peatix.com/event/4197458/

 
 
NEW COMMONS展 トークセッション3「創造の価値を探索する協働者たち」

日 時:2024年12月19日(木)18:30-20:30
参加費:無料
登壇者:春原史寛(芸術文化学科教授)、加藤幸治(教養文化・学芸員課程教授)、三代純平(言語文化教授)、東京都羽村市、カシオ計算機(株)、重吉興業(株)
申 込:https://peatix.com/event/4202687/


こちらもぜひ。


以上、帰りがけに1階MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで

シュトーレンを買って帰った手羽がお送りいたしました。
家族で食べようとシュトーレンを買って帰ったら、リンクロウが一晩で食べちゃって、あかりちゃんに「これ1本で1000kcalあるんだよ!」と怒られてたのがもう一年前か、早いなあ、としみじみ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。