高知出張レポート中編 #アートこうち #サービスデザイン #BusinessOrigami®

2024年8月8日(木)

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高知出張レポート前編 #アートこうち #桂浜 #高知城


朝散歩すると、

ホテルのすぐ近くによさこい祭りの本部競舞場があることが判明。
時間があれば、自腹延泊して見て帰ったんだけどなあ・・。


午前8時、クリエイティブイノベーション学科(CI学科)・丸山先生と中嶋さん、手羽は高知県立岡豊高等学校に到着。高知県内で唯一、美術・書道専門(あとは音楽)のコースがある高校が本日の会場。
 
講堂に誘導されて、

高知県内の生徒さんが集まり、高知県高等学校文化連盟美術・工芸専門部が主催で夏季研修制作実習と芸術系大学説明会である「ArtKochi〈アートこうち〉」が開催されるのです。
今回で7回目で、ムサビは去年に続き3回目の参加。
これから参加する大学の札の前に生徒さんが座るシステムだから、各大学の参加人数が可視化されてる。

看板の前に各大学の先生やスタッフがたって紹介。
本日1日よろしくお願いいたします。

各大学のワークショップタイトルはこんな感じ。

各大学が教室に散らばって、生徒は希望する部屋に向かいます。

他大学の様子は明日まとめて書くとして、今日はムサビの流れと内容を。

タイトルは「ヒトの視点で社会をデザインしてみよう」

去年やってわかったのは、美術系コースの生徒さんはほとんどおらず、普通高校・商業高校の美術部だったり美術に興味がある生徒さんがほとんどを占めていたこと。去年はモデルデッサンを描くワークショップをやったんだけど、デッサンを1,2枚描いた経験がある生徒さんが数名いたぐらいで、ほとんどが初デッサンだったんですね。
なので実技力がバリバリに必要なものは向かないし、といってせっかく高知まで来て、どこでもできるような「●●を作ってみよう」な工作教室を大学が開くのも、なんかもったいない。
「生徒さんが普段経験できないものを提供できないか?」「ムサビだからできることはなにか?」「東京の美大での学びを高校の先生も含めて理解してもらえるものはなにか?」と考えて、去年終わった直後に「来年も参加するならCI学科の丸山先生だな」とひらめいていたんです。参加が決まってすぐにSNSで丸山先生に「8月上旬空いてます?」と連絡しました(笑)

まず、頭と手をほぐしてあっためてもらうためにミニワークをいくつかやってもらいます。

一つだけ紹介すると、これは「目標」「問題」「価値」という言葉を絵にしてみよう、というもの。あ、この前にグラフィックレコーディングの話をされてます。
ポイントは「できるだけシンプルな絵で表現する」で、アイデアをグループで考える時に言葉や文字以外に絵やイラストがあると伝わりやすくなる。
ほんとにシンプルなものでよく、例えば「目標」は旗でもいいし、「価値」はキラキラ光るマークでもいい。

「価値」を紙からお札に変わる絵を描いてる子もいれば、天秤を描いてる子もいました。

みんなと「これでいいんだ」「こういうやり方もあるのか」を共有。
この繰り返し。

そして頭と手が柔軟になったところで、今日のメイン。
簡単に書くなら「高校の授業が楽しくなるサービスは何か?」をみんなで考えてもらいます。
 
ここで便利なツールが登場。

サービスデザインの創造的な開発ツールとして世界的に認知されている、丸山先生を中心に株式会社日立製作所 研究開発グループが開発した「Business Origami®」です。

紙製のカード型ツールで、2つに折ることでヒトやモノ、建物や乗り物といった「折り紙」の模型を簡単に作ることができるんです。そしてカードには具体的な名称を書き込む欄があるので、ステークホルダーとその関係性を卓上に並べることでサービス構造が可視化され、新サービスを考えるための全体像の理解、課題の発見・共有に役立つんです。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。

え?どこで買えるかって?
六本木のタマビTUBで購入できます(笑)

サービスを提供するヒトやモノをグルーピングし、サービスの流れも書き込みます。

何事にもお金が必要。
「国から助成金をだしてもらおう」となったけど、ただ「お金ください」といっても出してはくれないし、出たとしても3年ぐらいしか出ない。
どうしたら助成金対象となるのか、それ以外に長期に資金を獲得できる仕組みは作れないか、実はそんなところまで高校生が考えていました。
 
あっという間に時間なり、グループごとに発表。

発表が終わった後に

丸山先生から各グループにリフレクション。
これがとっても大事な時間なんですよね。

最後はみんな集まって、振り返りの会。

「みんな『デザイン』と聞くとグラフィックやプロダクトをイメージするだろうけど、もっと広い世界なことに気が付いたんじゃない?そう感じた人は手を挙げて」の図。


これで1セット。
はい。これが午前の部で、

午後も生徒さんを変えて同じことをやります。
2時間半のワークショップを2本。なかなかヘビーな会なんです・・。

そうそう。高校の先生や他美大の方から「下に敷いてる白いものはなに?」とたくさん聞かれました。

これはシート状のホワイトボードで、扱いはホワイトボードそのまま。
グループワークでよく使う模造紙と違って書いたり消したりが自由だから、すんごく便利なんです。
手羽も10年前ぐらいにやった日立さんとのワークショップで存在を知りました。

静電気で壁にも貼ることができるんすよ。
高校の先生が興味津々で、これから高知の高校ではあちこちで使われだすかもしれません(笑)

午後の部の発表。
午後は1年生がほとんど。しかし1年生がこのレベルのアイデアを初めて会う人たちと作れ、発表ができるんだなあ。。

そのあとは30分間の大学説明。
手羽は簡単にムサビの説明をして、

丸山先生がCI学科の説明。

撤収をして、これにて今年のアートこうちは終了!
高校の先生や生徒の皆さん、ありがとうございました。


以上、

「なんか名前を呼ばれてる気がする」と写真を撮ってたら大雨になった手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。