3月9日(土)午前10時、
女子美術大学杉並キャンパスにいました。
もちろんこちらを見るためです。
■2023年度 女子美術大学 女子美術大学短期大学部 卒業制作展/修了制作展
●会期:2024年3月9日(土)-11日(月)
●時間:10:00-16:00
●会場:
□杉並キャンパス
・芸術学部 アート・デザイン表現学科(メディア表現領域、ヒーリング表現領域、ファッションテキスタイル表現領域、アートプロデュース表現領域)
・短期大学部
□相模原キャンパス
芸術学部美術学科(洋画専攻、日本画専攻、立体アート専攻、美術教育専攻、芸術文化専攻)
・芸術学部デザイン・工芸学科(ヴィジュアルデザイン専攻、プロダクトデザイン専攻、環境デザイン専攻、工芸専攻)
芸術学部本体は相模原キャンパスですが、杉並キャンパスは家から車で20分弱ぐらいで着いちゃうんで。それと今年は見たいものがあるので、杉並卒展にやってきた、と。
世界に「女子のための美術大学」は二つしかなく、ひとつはアメリカのムーア芸術大学で、もうひとつが女子美術大学です。
また、1900年設立と東京の美大では東京藝大の次に歴史が古い学校で、それまで男性しか学べなかった「美術」を女子も学べるようにしたのが女子美術大学でして、今でこそ美大は女子が多いですが、女子美がなければ今の日本の女性作家やデザイナーの地位はなかったといっても過言ではありません。
正門にある創立60周年記念碑板には、ギリシャ語で「人生は短く、芸術は永し」と書いてあります。
女子美さんといえば、このサモトラケのニケ像ですね。ここは「ニケ広場」と呼ばれてます。
1967-68年頃に設置されたといわれていて、以前はこの台座にミロのヴィーナスが置かれてたそう(ミロヴィーは現在1号館に移動)
と女子美プチ大学史はこれくらいにして、さっそく展示を見ていきましょ。
まずは2号館。
次に隣の6号館へ。
以前高校で使ってたのをリノベーションした建物で、今はアート・デザイン表現学科メディア表現領域の教室や講義室、事務局が入っています。
土日は両キャンパスでオープンキャンパスin卒展をやっていて、教員による学科説明・個別相談の他、
カフェスペースではなく、オサレなキャリアセンターです。
ちなみに地下で2号館と6号館がつながってます。
んで道路の向こうにも建物があり、
こっちのエリアではアート・デザイン表現学科が展示しています。
羊さんだ。ファッションには羊さんがとっても大事な存在ですもんね(笑)
ちなみに「美」も羊がすごく関係していて・・・ってこの話はまた今度。
今回一番好きだったのは毛糸で作られた実物大ワニの作品で、恥ずかしかったり隠したい記憶ごと自分をワニが丸飲みしてくれる自己救済アート。丸飲みしてる動画もあった(笑)
造形物としてもいいし、「ワニは舌が退化してるからどんな苦い思い出でもものともしないはず」なコンセプトも大好き。
女子美の卒展でいつも感心させられるのは、
室内のロッカーなどは白プラダンで隠したり、展示近くのコンセントは白い紙やパネルで隠してたり、展覧会とは関係ない廊下の事務掲示物は裏返しにしてたり、展示の配慮がすごくされてることです。
1号館に移動して、アートプロデュース表現領域の展示を。
最近はどの美大の卒業制作展を見ても、必ず「自分(もしくは友達)をアイドルに仕立て上げてみた」という作品があるんだけど、
グンを抜いて完成度が高かったです。
この1号館の1階には、
多分日本の美大で唯一「ちゃんとした」常設の歴史資料展示室があります。
企画展もやってるので女子美杉並キャンパスへ行ったら必ず寄ってください。
おっと。あそこに行かなくちゃ。
共創デザイン学科の学科説明会。
学科長の松本博子先生がお話されてました。
共創デザイン学科は2023年にできたばかりなので卒業制作展示はありませんが、「1期生 成果発表展」を開催すると聞いたら、そりゃ行かなくちゃでしょ。
さきほどの1号館前にあるのが、共創デザイン棟。
松本先生が学科説明でお話されてたけど、
まだ1年生しかいないけどいろんなコンペに出したら、あちこちで受賞しちゃったそう。
こういうアピール大事ですよね。
ただ、作品やパネルは撮影NGだったので、ここまで(笑)
ほんといろいろやられてますね。
施設は多分撮影OKなので、
でも2024年度に2年生が入ってきたら、この共創デザイン棟だけで回せるのだろうか。
あちこちの建物で工事やってたから、それも関係してるのかな。
いっぱい歩いてお腹も減ってきたから学食へ。
必ず来たら食べる女子美ランチ。500円なり。
全体的な卒展の印象だと、やはりギャラリーストーカー対策ですね。
あちこちに注意の張り紙が貼られてて、
ムサビは大学からの張り紙はポイントだけで、あとはギャラリーストーカー対策委員会が貼ったものだから、今年見学した卒展では一番大学が対応されてたと思います。
でも、教室に入って「あ。いい展示」と独り言をつぶやいて写真撮ってたら、監視の学生さんがパパっとメモに何か書き出して、『50代、茶髪でぽっちゃりの眼鏡をかけた全身黒い服装の男性が独り言を言ってた』とメモってるんじゃなかろうか、とこっちもドキドキしちゃうのはどうしたもんか・・全部ギャラリーストーカーが悪いんだけど、監視する方も見つからないようにこっそりメモって欲しいのよね・・。
あ、卒業制作展といえば、ムサビ鷹の台キャンパスでも通信教育課程の卒展を開催中です。
■2023年度武蔵野美術大学通信教育課程卒業制作展
●会期:2024年3月9日(土)〜12日(火)
●時間:10:00-16:00
●会場:鷹の台キャンパス
●展示学科:
・油絵学科|絵画コース、日本画コース、版画コース、絵画表現コース、日本画表現コース
・工芸工業デザイン学科|生活環境デザインコース、スペースデザインコース
・芸術文化学科|造形研究コース、文化支援コース、芸術研究コース
・デザイン情報学科|コミュニケーションデザインコース、デザインシステムコース、デザイン総合コース
※ 鷹の台キャンパスに駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。
「通信教育」と聞くと「おじいちゃんおばあちゃんが趣味で油絵描いてるんでしょ?」と思われがちですが、20代、30代で社会に出て美術・デザインの必要性を感じて学びなおしをされてる方も多く、ほとんどの方がご自分で学費を出しているから、残念ながら通学の卒展で時々見かけてしまう「自分に甘い・やっつけな作品」がありません。
なので個人的に一番見てほしいのは通学の学生さんだったりします。
こちらもぜひ。
以上、そのあとは市ヶ谷キャンパスに行って、
MANABI DESIGN SYMPOSIUMに参加したりしたけど、時間がある時にレポートします、の手羽がお送りいたしました。いろいろスライドを作らないといけない・・。
にしても来週は、
■武蔵野美術大学実験区構想トーク 〜美大にしかできない創業の場をつくるには?〜」 #01 片桐 大輔/千葉大学特任教授、千葉大スタートアップ・ラボ 責任者
●開催日時:2024年3月14日(木) 19:00-20:00
●場所:オンライン配信
●参加費:無料
●ゲスト:片桐 大輔|千葉大学特任教授、千葉大スタートアップ・ラボ 責任者
*シークレットスペシャルゲストあり
●モデレーター:酒井 博基|武蔵野美術大学創業支援プログラムディレクター
こういうイベントもあるし、あのー、我慢してたけど、言ってもいい?
イベントやりすぎ多すぎわかすぎ。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。