絵画作家向け講座開催!伝統から最先端まで素材を駆使した技法と材料で表現を極める

天王洲アイルにオープンした日本ブランドの良質な素材にこだわり商品をセレクトした新しいタイプの画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」にて伝統的素材から最先端素材までを駆使した「プロのための絵画技法材料講座」が、8月から1月まで全6回開催。高度で専門的な知識と実践を経てホンモノの表現に迫ります。さて、どんな講座なのでしょうか。

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以前、PARTNER NEWSで紹介した、日本の技術にこだわった良質な画材を扱うラボ、PIGMENTにて「T-Art Academy プロのための絵画技法材料講座 vol.2」 が開催されます。
講師は、京都造形芸術大学教授で京都技法材料研究会会長の青木芳昭氏が担当し、日本の画材の伝統的なメーカーが毎回ゲストとして登場します。
ホンモノの表現を極めたい、知識を備えたいと考えている作家さんや美大生にとって貴重な機会となっています。


天然画材の生産危機は、伝統的絵画技法の危機でもある

近年、日本画や水墨画表現が世界的に注目されています。
その一方で、天然顔料の枯渇や毒劇物性のある重金属顔料が姿を消し、
石油系色料とアクリルを中心とした水系合成樹脂絵具による多目的絵具が主流です。

日本画でも絵画用の三千本膠、京上膠と呼ばれる和膠が絶え、
膠の処方や顔料焼成という自製の絵具を追求することができにくくなっています。

和膠の生産中止は固形墨の生産ができなくなることを意味します。
天然の各種画材が危機を迎えることは、伝統的絵画技法の危機でもあるわけです。

講座では、伝統的素材から最先端素材までを網羅し、
現代に相応しい「ホンモノの実践授業」を展開します。
素材に関する高度で専門的な知識と実践をし、表現に結びつけます。


講座詳細

油絵具と水彩絵具を自在に扱い
安定した画面を作り上げる表現と科学の融合を目指す


■目標:ルーベンス(蘭: Peter Paul Rubens)や印象派の作家たちは積極的に厚ボール紙を支持体としてきた。ボナール(Pierre Bonnard)は油彩の艶を嫌いサイジングなしのボール紙に直接油彩で描いた作品がある。ボール紙両面に強めの膠でサイジングするだけで安定した支持体となる。ヨーロッパの作品は、油絵具と水彩絵具を自在に扱い安定した画面を作り上げた表現と科学の融合を目指す。

■支持体
チップボール紙を支持体とした、4種類の地塗り
(チップボール紙F5、HD-2パネル貼り込み 表面膠サイジング)

■色材他:油絵具、カゼイン溶解液、オックスゴール、アクリル絵具、水性アルキド樹脂絵具、膠、顔料ベース、墨、ペーパーパレット、プラスチック製ペインティングナイフ

■バケツ等はこちらでご用意いたしますが、ご自身の筆等をお使いになりたい場合は、ご持参ください。

<講義内容>
①8/30(日) ゲストメーカー:株式会社名村大成堂
チップボール紙をボンドCH-18&水性ローラー塗布、貼り込み。
軟質ゴムローラーで空気を抜き填圧、大理石板で重石をかけ12時間乾燥。(1h)
地塗り塗料(ボローニャ石膏振り込み入れを実演)の説明と次回の解説。
4種類の地塗り方法をレジュメとサンプルで解説。(地塗り各種筆、コテ)
宿題・・・実寸大の下絵を完成させる(油彩、日本画、混合技法など表現技法を選択)

②9/13(日) ゲストメーカー:株式会社墨運堂
膠サイジングの実演。
地塗り(4種の地塗りの選択または併用)・・・下絵のイメージを元に地塗りする
下絵について講評会(宿題:制作設計をし計画的に作業を進める))

③10/25(日) ゲストメーカー:株式会社中里
下絵をもとにトレース
油彩、テンペラ、日本画、混合技法など各種展色材を選択。
制作開始

④11/22(日) ゲストメーカー:ホルベイン工業株式会社
制作
各種展色材や混合技法などの説明

⑤12/13(日) ゲストメーカー:松田油絵具株式会社
制作
各種展色材や混合技法などの説明

⑥1月中 ゲストメーカー:ナカガワ胡粉絵具株式会社
完成
講評会
懇親会

<各回講義スケジュール>
11:00-12:30 講義
12:30-13:15 昼食(軽食をご用意いたします。)
13:15-16:00 講義
16:00-17:00 各画材メーカーより、新商品や新技術のご紹介等(自由参加)

<受講資格>
特にございません。作家、これから作家をめざすかた、あるいは趣味でもより専門的に美術に取り組みたいかたなど歓迎いたします。最先端の専門的な講座ですが、レクチャーだけではなく実際に素材に触れ試しながら学べます。お気軽にご応募ください。

<受講料>
各回 1名¥10,800-(材料費込・軽食つき)
※ただし、29歳以下の学生にかぎり、各回¥10,260-
※金額は全て税込
※本講座は全6回で1講座となります。1回ごとの受講はできません。


<講師>
青木 芳昭 Aoki Yoshiaki
京都造形芸術大学教授/京都技法材料研究会会長
1953年 茨城県生まれ。
1976年 パリ留学、ル・サロン名誉賞受賞
1983-84年 パリ留学。
1989年 安井賞展出品
1991年 東京セントラル美術館油絵大賞展出品
1996年 銀座・資生堂ギャラリー個展
1997年 安井賞展出品。NHKハート展出品 
その他、個展多数
2011年 「よくわかる今の絵画材料」出版
京都技法材料研究会設立
アカデミア・プラトニカ代表


<会場>
PIGMENT (ピグモン)
〒140-0002
東京都品川区東品川2-5-5 Harbor One ビル1F
Mail :pigment@terrada.co.jp
りんかい線天王洲アイル駅から徒歩3分
東京モノレール天王洲アイル駅から徒歩5分

<お問い合わせ>
Mail:pigment@terrada.co.jp
Tel:03-5781-9550
担当:岩泉(イワイズミ)
※月曜・木曜定休

<お申し込み>
詳細はこちらをご覧ください。

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