自転車泥棒
1948年/イタリア
舞台は、第二次世界大戦後のローマ。職がなかったアントニオ・リッチが、職業安定所の紹介でやっと手に入れた役所のポスター貼りの仕事には、自転車が必須であった。
モノクロの世界に見る、リアルな貧困社会を生きる父子とその心。せつなくもあたたかさが感じられます。なにかリセットしたい気分のとき、素直な自分と向き合いたいときにオススメです。
初恋のきた道
1999年/中国
父の訃報により村に青年が帰ってくる。母は、伝統の葬儀をすると言って聞かない。そこには、母の特別な想いがあった。村一番の美しい娘チャオ・ディが、都会から来た若い教師ルオ・チャンユーに恋をする物語。
誰もが経験する初恋。その無垢な想いの美しさに気づかされます。若かりしチャン・ツィイーの可愛らしさは必見。
ニューシネマパラダイス
1988年/イタリア
ある晩、映画監督サルヴァトーレは、「アルフレードが死んだ」という知らせを受ける。トトと呼ばれていた幼少期、映画館は村にある唯一の娯楽施設であった。映画に魅了されたトトは、映写室に入り込んでは映写技師サルヴァトーレにつまみだされていた。
長い歴史を持つ「映画」という文化、芸術の偉大さを知ることができる傑作です。
薔薇の名前
1986年/フランス、イタリア、西ドイツ
同名小説の映画化作品。北イタリアの修道院で起こった、修道士が謎の死を遂げた事件をバスカヴィルの修道士ウィリアムと修練士アドソが解明していく。
奇妙な登場人物やおどろおどろしい描写が創り出す独特の世界観に引き込まれることでしょう。非日常を味わいたい、刺激が欲しい美大生にぴったり。
砂の女
1964年/日本
安部公房の書き下ろし長編小説が自身による脚本で映画化されたもの。教師の男は、新種のハンミョウを採集するため、砂丘の村を訪れる。そこで村人から民家に泊まっていくよう勧められる。そこは、寡婦が住む砂で覆われた蟻地獄であった。
砂の動きが生み出す独特の間合いには、日本特有の趣があります。自由とは何かを考えさせられる作品です。
パフューム ある人殺しの物語
2006年/ドイツ・フランス・スペイン
18世紀のパリ。悪臭漂う魚市場で産み落とされたジャン=バティスト=グルヌイユは、超人的な嗅覚を持っていた。ある晩、一人の少女の香りに魅了されるが、誤って殺してしまう。この少女の香りを再現しようと調香士を目指すのだった。
美しく生々しい映像は、視覚・聴覚という映像の幅を超え嗅覚にも訴えてくるかのよう。その不思議な感覚をぜひ体感してみてください。
私は今回1ヶ月の間にこの6本を鑑賞し、映画という芸術の魅力を改めて知ることができた気がします。
みなさんもぜひ、原さんからのメッセージを受け取るような気持ちで、これらの作品を観てみてください。きっと、素晴らしい映画との出会いが、これからの美大生活に大きな影響を与えてくれることでしょう。
人が好きです。 人と関わることが好きです。 ときめくこと、わくわくすることが好きです。 楽しみ、楽しませるがモットーです。