【実施しろ】【何をだ】ムサビ市ヶ谷公開講座「ぺらぺらの彫刻」が開催されます!

2021年12月20日(月)。多分今日からムサビネタ3つ続きます。

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1月にこういう公開講座が市ヶ谷キャンパスで開催されます。
公開講座2021『ぺらぺらの彫刻』についてペラペラ語る会

●日時:2022年1月23日(日)14:00-16:00
●参加方法:ハイブリット形式(来場+オンライン配信)
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●会場:武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス 5階 講義室+オンライン配信
●登壇者(五十音順):石崎尚、伊藤誠、鞍掛純一、田中修二、戸田裕介、袴田京太朗、藤井匡、松本隆、森啓輔
●受講料:無料
●主催:武蔵野美術⼤学


登壇者の戸田さん、袴田さん、松本さんは学生時代から知ってる先輩でして、事務局ではそれなりのポジションにいる手羽ですが、このメンバーがそろってしまうと下っ端。
【ボクタチノチョウコクノイキザマ】最上先生を偲ぶ会に行ってきた
最上先生のお別れ会ではケータリング発注係をやりました(笑)
その人たちが登壇するっていうんだから、そりゃ宣伝するでしょ。


この公開講座は、こちらの本の出版を記念して行われる講座です。
ぺらぺらの彫刻

彫刻家、美術史家、学芸員が集まって2018年から始まった共同研究「20世紀後半の彫刻概念の再構築―「量塊」に対する「被覆」」から生まれた一冊で、キャッチコピーは「かつてない「読む彫刻」ついに誕生! 彫刻を観ない人に捧げる 彫刻オタクによる愛の歌」です。

タイトルの「ぺらぺらの彫刻」と見た時に、「うまいタイトルだなー」と思ったんです。
彫刻って重たくてずっしりした印象なのに、え?ぺらぺら?どういうこと?って思いますよね。
でも石膏像を想像してもらうとわかるけど、実はいろんな彫刻は「ぺらぺら」で、そのことを実体験として知ってるのは彫刻家だけかもしれません。
 

石彫や木彫は中身がつまってますが、鋳造の彫刻はぺらぺらなんですよ。
皆さんが一番多く見てるのが鋳造彫刻のはずで、街中に設置された具象彫刻もそうだし、奈良の大仏もそうですよね。みんなぺらぺら。
また、TDLやUSJなどに設置されてる人形は全部FRP(強化プラスチック)で作られてて、塗装で見た目重たそうに見えてますが、多分一人で持てるぐらいの重さです。みーーーんなぺらぺら。
ガンプラもリカちゃん人形も全部ぺらぺら。
「塊」と思ってるものが実は「覆ってる皮だけ」であり、言い方を変えると「塊」が彫刻なのではなく、空間と空間の「ぺらぺら」な区切りを私たちは「彫刻」と呼んでいるのかもしれない。
ここを追究する視点、それを語る彫刻家たちによる彫刻分析本って確かに今までないぞっ!! 

 
そんな執筆者の皆さんを紹介していきましょう。
■戸田裕介(彫刻家、武蔵野美術大学共通彫塑研究室教授)

編著者の戸田先生は1962年広島生まれで、専門は石彫、金属造型、屋内外における大型彫刻制作。
共通彫塑研の主任教授でもあります。

で、戸田先生に「なんで『ぺらぺらの彫刻』なんですか?やっぱり鋳造とかFRPとか本当はぺらぺらだけど、ってところからきてるんです?」と手羽の疑問をぶつけてみたら、「深い意味は全然ないんだけどね」とまさかの返事が返ってきた。
 

 
■石崎尚(愛知県美術館主任学芸員)

1977年東京都三鷹市生まれで、2002年多摩美術大学の大学院を修了されてます。
世田谷美術館、目黒区美術館を経て2012年より現在の愛知県美術館学芸員に着任されてます。

石崎さんは最近別の本を出していて、

彫刻の歴史: 先史時代から現代まで
彫刻界の巨人アントニー・ゴームリーと批評家マーティン・ゲイフォードが古今東西の「彫刻」の流れを語り尽くす大著 ❝Shaping the World❞ を林卓行 さんと訳されてます。
 

 
■伊藤誠(彫刻家、武蔵野美術大学彫刻学科教授)

1955年愛知県生まれで、専門:コンテンポラリーアート。
彫刻学科主任教授でもあります。
 

 
■鞍掛純一(彫刻家、日本大学芸術学部美術学科教授)

1967年東京生まれで、現在日本大学芸術学部美術学科(彫刻専攻、地域芸術専攻)教授をされてます。
専門はコンテンポラリーアートで、鞍掛さんといえばやっぱり大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ「脱皮する家」
あ、日芸の彫刻コースは2020年から彫刻専攻と地域芸術専攻に分かれてました。
 

 

■田中修二(美術史研究者、大分大学教育学部教授)

1968年京都生まれで、専門は近現代日本美術史、とくに彫刻と京都の絵画。
 

 
■袴田京太朗(彫刻家、武蔵野美術大学油絵学科教授)

1963年静岡県生まれで、油絵学科主任教授。
戸田先生、伊藤先生、袴田先生と3人主任教授がそろってたんですね。

 
■藤井匡(東京造形大学造形学部教授)

1970年山口県生まれで九州大学文学部卒。
専門は彫刻を中心とする日本の近現代美術 (美術史および美術評論)。
 

 
■松本隆(彫刻家、古典彫刻技法研究家、武蔵野美術大学・多摩美術大学講師)

1968年東京都生まれで、専門は陶、ブロンズ彫刻制作。
あ、最近松本さんのハッピーなニュースを話を聞きましたよ。おめでとうございます!!
 

 

■森啓輔(千葉市美術館学芸員、武蔵野美術大学芸術文化学科講師)

1978年三重県生まれで、専門は日本近現代美術。
森さんはムサビ芸術文化学科の助手さんをされてた方です。
 

 
そして、カバーを見ただけでわかった人も多いと思いますが、表紙・扉絵の原画はムサビ油絵卒の横山裕一さんが担当されました。
ちなみに横山さんは2018年の入学式で祝辞をされてます。
2018年度武蔵野美術大学入学式に行ってきた
平成30年度 武蔵野美術大学入学式典|卒業生代表祝辞 横山裕一

 
横山さんといえば、広島でこういうプロジェクトが動いてます。
横山裕一:「実施しろ」「何をだ」

広島市現代美術館は大リニューアル中で、
広島市現代美術館が23年春にリニューアル開館へ。改修工事中の様子も配信|美術手帖
美術館内ではなく、プロジェクトとしていろいろ開催されてるんです。
比治山公園編
トラック編
まちなか編

大型トラックに描かれた横山さんの絵も「ぺらぺらの彫刻」と言えるかもしれない。いや、言えないかもしれない。

 
話を公開講座に戻します。

こんな感じで進行する予定です。
■あいさつ:書籍『ぺらぺらの彫刻』について
■第1部:「彫刻の視覚性:ピカピカと金色と透明人間」
・パネリスト:石崎 尚、戸田裕介、松本 隆 
・司会:藤井 匡
■第2部:「彫刻の表面と意匠:80年代以降の表層」
・パネリスト:鞍掛純一、袴田京太朗、森 啓輔
・司会:石崎 尚 
■第3部:「拡張する彫刻の表層:リカちゃん人形と谷岡ヤスジ」 
・パネリスト:田中修二、伊藤 誠、藤井 匡
・司会:森 啓輔
■質疑応答

藤井さん、石崎さん、森さんに進行してもらうなんて、なんてうらやましい・・。


ぺらぺらの彫刻について、ぺらぺら彫刻家達が語るのは最初で最後かもしれないので、ぜひ参加ください!!
 
 
以上、バチェラー4でもM-1でも泣いてしまった、最近ほんと涙腺が緩みまくりの手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。