【若者を信じよう】東京ミッドタウン・デザインハブ企画展 「ヴィジュアル・コミュニケーション・デザイン・スタディ」が開催されます【11/25(月)-12/25(水)】

2019年11月2日(土)

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武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジは、年に一度デザインハブ大型企画展をやっています。
といっても、デザイン・ラウンジ単独で企画を作るのではなく、ラウンジのコンセプトが「これからのデザイン教育を議論しながら、美術大学の社会貢献力を強め、企業・社会と大学がつながりを持てる場を目指す」なので、あえて協働する形で進めることにしています。

これまでの展示を振り返りましょ。
2012年
ムサビのデザイン 武蔵野美術大学のデザインコレクションと教育

●会期:2012年10月5日(金)〜11月4日(日)
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学 美術館・図書館、武蔵野美術大学 造形研究センター

普通展覧会は2年前ぐらいから動き出すものですが、初年度は時間がないこともあって、美術館で開催した展覧会をリアレンジして開催しました。


2013年
これからの「くらし」、これからの「かたち」―クラフトとデザインの総合と未来形

●会 期:2013年11月20日(水)-12月25日(水)[11月24日(日)休館日]
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科、武蔵野美術大学 芸術文化学科

2回目からはデザイン系学科を運営主体として展覧会を開くことにし、その最初の年が工デで、ディレクションを芸文が行いました。


2014年
いろは展

●会期:2014年11月21日(金)-12月25日(木)[会期中無休]
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科

空デはかなりアーティスティックな展示になりましたね。


2015年
ラーニング・アーキテクチャー2015|建築、学びの冒険─大学の建築設計課題の動向展

●会 期:2015年11月20日(金) – 12月26日(土)
●出展大学:筑波大学芸術専門学群デザイン専攻建築デザイン領域、東京藝術大学美術学部建築科、東京大学工学系研究科・建築学専攻・Advanced Design Studies、東京理科大学理工学部建築学科、東洋大学理工学部建築学科、法政大学デザイン工学部建築学科、明治大学大学院理工学研究科、横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA、早稲田大学創造理工学部建築学科、Architectural Association+東京藝術大学ワークショップ、武蔵野美術大学造形学部建築学科
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学 建築学科

「展覧会」としてみた場合はこの中で一番地味ですが、「他大学と連携し、教育を見せる」という意味でデザイン・ラウンジのコンセプトに一番合ってました。
デザインハブでの評価も一番高く、これがのちにゼミ展へとつながっていきました。


2016年
デザインの理念と形成:デザイン学の50年

●会期:2016年11月19日(土) – 12月25日(日)
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学 基礎デザイン学科

基礎デが主体の展示。


で、「5年ムサビ内でやってきたから、そろそろ外部とのコラボをやっていこう」として開催したのがこちら。
2017年
ハブとマングース

●会 期:2017年11月27日(月) – 12月24日(日)
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、株式会社モーフィング

最初にやるのはやはりモーフィングしかありえない。


2018年
企(たくらみ)」展 -ちょっと先の社会をつくるデザイン-

●会期:2018年11月25日(日)~12月24日(月・振休) 会期中無休
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、NPOグリーンズ

そして去年がグリーンズさんとのコラボ。
「こういう展覧会をデザインハブでやってみたい」の集大成になったと思ってます。河野さんに感謝。


んで、今年は満を持してこちらを開催することになったのです。
東京ミッドタウン・デザインハブ第83回企画展 ヴィジュアル・コミュニケーション・デザイン・スタディ

●会期:2019年11月25日(月)~12月25日(水) 会期中無休
●時間:11:00-19:00
●会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
●入場料:無料
●主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
●企画・運営:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科


視覚伝達デザイン学科、略して視デが運営主体となって開催することになりました。
これで造形学部のデザイン系学科は全部やったことになります。他にどこかあったけかな。


視デというとなんとなく「関東の高校生が美術予備校で『将来はポスターとか作りたいです』と相談したら、『平面デザイン系だったらタマビグラフィックかムサビの視デをとりあえず目指せ』と指導される」というのがあるけど、視デはグラフィックの学科ではないんです。
「グラフィックデザイン」という狭い領域ではなく、デザインの考え方を「身体」「原理」「日常のアプリケーション」を一体化した「ビジュアルコミュニケーションデザイン」として捉えています。
あ、なんか複雑なこと書いてるように見える(笑)
例えば「今日はありがとう!!」と目を見ながら手をつなぎ肩をポンポンするのと、メールで「今日はありがとう」と伝えるのとではあきらかに「伝える力」が違いますよね?そういうことです。
この感覚の違いがわからないとコミュニケーションデザインはできないし、それを大事にしているのが視デなんですね。


視デといえば。

昨日、元視デ主任教授だった勝井三雄先生のお別れの会が青山葬儀所で行われました。
勝井先生についてはこちらをご覧ください。
勝井三雄 名誉教授がご逝去されました
「今の視デを作った方」と言っても過言ではありません。


  • 受付で一日立ってたから、足がパンパン・・


  • 左側で写真を撮ってるのが視デの中野先生。今回のグラフィックなどを担当されています


  • スタッフ特権で、始まる前に撮影した会場

初めてお会いするような大御所のデザイナーもたくさんいらっしゃってました。

お別れの言葉で、ある方がこうおっしゃってたんです。
「勝井さんが亡くなる36時間前にメッセージをくれた。そこにはこう書かれていた。『若い人を信じよう』と」
ちょっと涙腺やばかったですね。勝井先生ほどの大御所が「若い人を信じよう」って、これほどありがたい、そして裏切れない言葉はないわけで。

今回のデザインハブ展は中野先生や視デ若手教員が中心となって「これからのビジュアルコミュニケーションはどうあるべきか?」を提示するプログラムを考えています。
なんとなく勝井先生の「若い人を信じよう」魂をそこに感じてるのは手羽だけではないはず。



関連トークイベントも発表されました。
■トークイベント:「既存の枠組みを超えて」
Part 1:12月1日(日) 13:00–14:30
ゲスト:宇野由希子(書体デザイナー|2012年度卒業)|河野奈保子(デザインコーディネーター|2005年度卒業)|西沢一登(VIVITA・デザイナー|2002年度卒業)

Part 2:12月15日(日) 13:00–14:30
ゲスト:イシカワミチコ(みつばち鍼灸院 院長|2002年度卒業)|岩渕真理(絵本作家、環境教育コミュニケーション研究者|2008年度卒業)|小杉幸一(クリエイティブディレクター/アートディレクター|2003年度卒業)

Part 3:12月15日(日)16:00–17:30
ゲスト:沢田耕一(視覚伝達デザイン学科客員教授)|新島実(視覚伝達デザイン学科客員教授)|
寺山祐策(視覚伝達デザイン学科主任教授)

●進行:北崎充子(視覚伝達デザイン学科准教授)|中野豪雄(視覚伝達デザイン学科准教授)
●参加費:無料
●定員:100名
●会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)


以上、著名デザイナーをムサビで一番輩出してるのも視デだけど、あえてこのメンバー構成にするところが視デらしさだなあ、と思った手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。