いろんな意味でバズったので今更な気もしますが、今日は来週から始まるこちらの展覧会を紹介します。
■平成30年度 第42回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展
●会期:2019年2月21日(木)ー3月3日(日)
*入場は17:30まで、2月26日は休館
●時間:10:00-18:00
●関連イベント:
・講演会「職業としての芸術」
・日時:2月22日(金)14:00~16:00(13:30開場)
・会場:国立新美術館 3F講堂
・講師:建畠晢(多摩美術大学学長)、パネラーとして若手作家(五美大卒業生)
・定員:260名(先着順)
建畠学長の講演会にすんごく行きたいけど、その日は研修が入ってていけない(涙)
東京五美術大学連合卒業・修了制作展、略して「五美大展」です。
五美大展は約40年前、東京都美術館でスペースが空くことになり、ムサビ版画・清水昭八先生に「ムサビで使いませんか?」と話があったけど、「せっかく都美館使えるんだから、ムサビだけでやるのはもったいない」と他美大の知り合いの先生達に声をかけたのが最初と言われてます。
しかし約40年前にこの発想って本当にすごいと思いません?
五美大展でよく間違われる点が3つありまして。
まず一つ目は、五美大展に東京藝大は含まれてないこと。
タマビ、女子美、東京造形、日芸、ムサビの5校です。
ただ、普段使いで「東京五美大」といえばこの5校を表すことが多いんで「五美大は藝大じゃなくて日芸!」と鬼の首を獲ったようにチェックを入れる人がいるけど、それは「五美大展の実施校はこの5校」ぐらいの一つの小さな解釈であって、シーンによって「五美大」のグルーピングは変わります。
詳しくはこちらをご覧ください。
■五美術大学と五芸術大学
日芸さんの代わりに東京工芸大が入ったり、女子美短大が入ったり、藝大美術学部が入ったりと「東京五美大」にはいろんなケースがあるんです。なので大学公式リリースでは「東京五美大」というフレーズはほとんど使わないんですよね。「と言われている」「と呼ばれることが多い」ぐらいな使い方。豆知識その1。
2つ目は、日本画・油絵・版画・彫刻のファインアート系学科のみの展覧会ってこと。
これも意外と知らない人が多く、SNS見てると「グラフィックデザイン見たいけどわざわざ学内展行くの面倒だから、五美大展に行くか」とつぶやいてる人が毎年何人かいて。
デザイン系学科は含まれてないのでご注意を。あ、ある方から「デザイン系学科の合同卒展もやればいいのに」と言われましたが、ムサビだけでデザイン系学生は800人以上いるんです。5大学が合同でできる安い会場があればぜひ教えてほしいくらいで。
ただ、「ファインアート系学科」であって、作品自体はイラストや漫画、アニメーション、映像なども展示されてます。
そして3つ目は、五美大展はあくまでも「レビュー」「ポートフォリオ」的な立ち位置にあるってこと。
スペースの関係で大学によっては卒業制作とは別に小さいサイズの「5美大用作品」を作ったり、数を減らしたり、パフォーマンスものは映像にしたりしてます。また国立新美はレギュレーションが厳しいので土モノ・水モノはダメだったりするし。
デザイン系、またはちゃんとした状態のファインアート展示を見たい場合は学内卒展を見に行ってください。東京造形・ムサビの卒展はもう終わっちゃったけど、タマビ・女子美・日芸はこれから。
ところで、五美大展は「幹事校持ち回り制」で運営しています。
幹事校は各大学との連絡調整、会議の資料作成、ポスター・DMの作成、パンフレットのデータ取りまとめ・作成、国立新美術館との調整、講演会の企画、会期中の運営統括、問い合わせ先などが主な仕事。今は各大学事務局も会場に詰めるようになったけど、幹事校になるとその大学の担当部署は一大イベント状態になります。
あ、今年はどこが幹事校なのかDMを見るだけですぐにわかる方法があるの、知ってます?
「問い合わせ先を見る」以外に。
ムサビ→タマビ→女子美→造形大→日芸と幹事校は回っていて、この順番の形を崩さず、幹事校が一番下(最後)に来るようにDMやポスターの大学名掲載順を毎年変えてるんです。
つまり、一番下に書かれている大学が今年の幹事校で、一番上に書かれているのが来年の幹事校というわけ。また、ムサビが言い出しっぺで第1回の幹事校をやってるから、回数の下一桁が「1」or「6」だとムサビが幹事校、「0」or「5」だと日芸が幹事校だとわかります。
うまい具体例が、東京造形大が幹事校の時の平成27年度五美大展DM。
東京造形大の幹事校年だから、順番は日芸→ムサビ→タマビ→女子美→造形大となるんですが、よーく見ると大学のイニシャルをバランスよく配置しつつも順番は崩してないんです。
今年のDMも宛名面に書かれてる大学名順は「女子美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学、多摩美術大学」となってます。
これらのルールを知ってると 「最後にタマビが表記されてるってことは今年の幹事校はタマビなんだな。てことはこのDMをデザインしたのはタマビの先生なんだな・・」とすぐにわかると。豆知識その2。
・・え?全然使えるシーンが思いつかない?ま、そんなことでコーフンするのは手羽ぐらいのもんでしょうが。
もひとつ豆知識を紹介します。これは会場で使えるやつ。
各大学の見分けがすぐつくように、
多摩美術大学・・赤
女子美術大学・・紫
東京造形大学・・緑
日本大学芸術大学部・・黄
武蔵野美術大学・・青
と「五美大展スクールカラー」を設定していて、会場では入口バナーやキャプション、掲示等もすべて五美大スクールカラーを使うようになってるんですね。
去年の様子を見ると、
展示会場は中でつながってるんで、「日芸を見てたらいつのまにか東京造形になってた」てこともよくあるけど、キャプションの色さえ見てればどの大学かすぐにわかる、と。豆知識その3。
この五美大展用スクールカラーは徹底されてて、搬入出時のガムテープもその色を使うように指示されてます。
昨日ムサビは大学からの搬出日でしたが、
ご覧の通り、全員青の養生テープを使ってますね。
全作品がいったん倉庫に集約されるんで、どの大学のものかすぐわかるための工夫なんです。
あ、これがわかってれば、手羽の作った入試スケジュール一覧表が
なぜこの色分けにしたかわかってもらえるはず(笑)
あまりにも徹底されてるんで手羽は入職当時、その色が「本当のスクールカラー」だと思ってたくらいで、「へー。うまくできてるもんだ」と感じたけど、あくまでも「五美大展の時だけに使うスクールカラー」です。タマビも女子美も本当のスクールカラーは青だしね。
大学によっては、ギャラリーツアーをやってます。
今発表されてるのは、
■東京造形大学 五美大展ギャラリーツアー
●開催日:2019年2月24日(日)、3月3日(日)
●時間:14:00-15:00
●集合場所:国立新美術館1F 東京造形大学 展示室入口
●参加費無料
で、女子美さん、ムサビ日本画もギャラリーツアーをやる年があるけど今年はどうだろう。
え?それでもデザイン系の卒展を都心で見たい?
そういう人は五美大展の会期中に、同じ六本木にあるアクシスギャラリーで、
■武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
2018年度卒業制作 選抜展「shide CONTACT 2019」
●会期:2019年2月21日(木)ー26日(火)
●時間:11:00-20:00
●会場:アクシスギャラリー(4F)、JIDAデザインミュージアム(4F)
■基礎デザイン学科49期有志卒業制作展
CHALLENGE-Graduation Show-
●会期:2019年3月2日(土)-5日(火)
●時間:11:00-20:00(最終日のみ11:00-16:00)
https://www.facebook.com/events/377379093065832/
ムサビ視デと基礎デがやってるんでぜひ行ってくださいな。
国立新美からなら徒歩15分ぐらいかな?
その他の学科別の学外卒展についてはこちらを参考にしてください。
■【2019年版】会場ごとに関東美大学外卒業制作展一覧を作ってみた【1月27日現在】
それと(株)さんぽうさんが毎年五美大展に合わせて進学相談会を六本木で開催してます。
■美術・デザイン・クリエイティブ・ものづくり系 作品展示・進学相談会【六本木会場】
●日時:2019年3月3日(日)11:30-15:30
●会場:六本木ヒルズ ハリウッドビューティプラザ5階 ハリウッドホール
恐らく入試後一番早い美大系合同進学相談会です。
来年美大受験を考えてる方は、五美大展のついでにこちらもどうぞ。国立新美から徒歩10分ぐらいかな?
また、国立新美近くの東京ミッドタウンデザインハブでは
■JAGDAつながりの展覧会 Part 2 チャリティ・アート・タンブラー
●会期:2019年2月1日(金)~3月10日(日)11:00–19:00 会期中無休・入場無料
●会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
●企画運営:公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)
●協力:エイブルアート・カンパニー、中央印刷株式会社
●特別協力:タリーズコーヒージャパン株式会社
会場では、エイブルアート登録アーティスト74名(その他2名)によるタンブラー(500ml)1本と“着せ替え”カバー3枚のセット1,500円(税込)を販売してます。
またミッドタウンでは、
■TOKYO MIDTOWN × ARS ELECTRONICA「未来の学校祭」
●会期:2019年2月21日(木)~2月24日(日)
●時間:11:00-21:00
●会場:東京ミッドタウン各所
「未来の学校祭」とは、東京ミッドタウンとアルスエレクトロニカによる未来の社会をみんなで考える新しいお祭りで、会期中はワークショップやパフォーマンスも開催されます。
テーマが「ギリギリ」!
そして合格発表が終わって「もう関係ないからおもいっきりアレができる!」って人は、
■MIDTOWN ICE RINK in Roppongi
●期間:2019年1月7日(月)~3月3日(日)期間中無休
●時間 :11時~22時(受付21時まで)
●場所:東京ミッドタウン 芝生広場 特設リンク
●滑走料 ※貸靴料込、館内で利用できるカフェチケット付
・平日:大人(高校生以上)¥2,000、小人(中学生以下)¥1,500
・土・休日:大人(高校生以上)¥2,300、小人(中学生以下)¥1,800
で、おもいっきりアレしまくってください!
せっかく六本木まで行くなら満喫しないとね。
以上、
手羽「お父さんは小6が第1次モテ期で、チョコを20個もらっ」
リンクロウ「それ、もう100回聞いた。しかも毎年増えてるし」
という安定したやり取りをした2月14日の手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。