いよいよ今週木曜からスタートするムサビ卒展。
■平成30年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
●会期:2019年1月17日(木)-20日(日)
●時間:9:00-17:00
●会場:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス
*交通アクセスこちらをご覧ください
*車でのご来場はお控ください。
4年間の制作研究の集大成ともいえる卒業・修了制作/研究が、鷹の台キャンパス全体をギャラリーとして展示されます。
ムサビ卒展紹介シリーズをお送りしています。
前回までの話はこちら。
■【ルーブルより広い】2018年度武蔵野美術大学卒業・修了制作展は1月17日(木)から
今日は「ムサビ卒展でよくある疑問に答えましょ」シリーズその2。
Q7.行くならいつがいいの?
来場者が多いのはやはり土日です。
でもマニアックな見方をしたいのなら、手羽のオススメは木・金曜日ですね。
映像学科は先週、視デは今週頭に講評があったりするけど、油絵学科、彫刻学科、デザイン情報学科等多くの学科は卒展中に講評をやることが多く、それがだいたい卒展週の木曜・金曜なので、教員が学生さんにどんなことを指導してるのかを見ることができます。
この時期にやる学内卒展は「リアルタイムな卒業制作の展示」で、2月、3月の卒展は「卒業制作だったものの展覧会」なんですよ。ここが一番の違いなんですね。
デ情はいくつかのグループに分かれて講評やってるから遭遇率も高いです。
で、講評終わって「バンザーイ!」な人もいれば、教員から指摘された部分をすぐに修正する人もいます。なので金土あたりだと「調整中」「修正中」と書かれた作品もボチボチあって。
お客さんが「短い会期なのに調整中ってどういうことよ?!」と感じる気持ちもわからなくはないですが、ムサビ卒展は「以前作った作品の展示」ではなく「卒業がかかってる課題真っ最中の作品」なので、これは少し勘弁していただけると助かります。
Q8.●●さん(orナントカデザイン学科)の展示はどこですか?
これも電話で問い合わせだったり学内をクネクネ歩いてるとよく聞かれる質問なんですが、ムサビでは非常に難しい質問でして・・。
ムサビは学科ごとに建物がまとまってないのもあるんですが、これまで書いてきたように学内のいろんな場所で展示するから「●●学科ならここです」と非常に言いにくいんです。
12号館や9号館の地下展示室や屋外など共用スペースは学科関係なく展示してますし。
ちなみにこの「合同展示室」という方法も他美大卒展さんではあまり見かけません。
で、聞いてきた方に「何学科の学生さんですか?」と聞き返すと「ナントカデザイン科と言ってました」と返ってくるケースが多々あって(笑)
「本人に電話やLineなりで場所を聞けばいいのに」と思うのだけど、どうやら
●ネットで作品だけ知って見に来る方(ギャラリストのケースもあり)
●ネットのペンネームしか知らない
●驚かせるためにこっそり見に来る友達
●お子さんに秘密で見に来る保護者
●内定とった学生さんの作品をこっそり見に来た企業の方
なパターンのようですね。
でもムサビには「デザイン」と名称がつく学科は5個あり、対象人数は700人以上になるんです。
「ナントカデザイン学科」だけで場所を特定するのはちと無理でして、知り合いの展示へこっそり行く場合は、少なくとも学科名(できればゼミ名)をちゃんと確認しといた方がいいっす。
また、「グラフィックデザインを勉強してるはず」と言われても、それが視デなのか基礎デなのかデ情なのか特定できなくて。
学科名と本名さえわかれば、全体の卒展パンフや学科独自に作ってるリーフレット・WEBで調べることができます。
Q9.じゃ、その学科独自のリーフレットとWEB教えて
学科別卒展リーフレットやWEBは基本的に各学科の学生による卒展実行委員が作ってるので、全学科にあるわけじゃありません。年によっても違うぐらいで。
毎年作ってるのは視デ・基礎デ・映像・芸文・デ情。建築はフロアマップみたいなものを配布しています。
ちなみに藝大やタマビはパンフが有料のこともあるけど、ムサビは無料です。
ちなみにちなみに視デは毎年「これ、無料でもらっていいの?・・」と思うくらい立派なものを作ってます。
学科別卒展WEBだと今日現在公開されてるのは、
■視覚伝達デザイン学科
テーマ:JURNEY
http://vcd.musabi.ac.jp/sotsuten/2018/
https://twitter.com/vcd2018
https://www.instagram.com/vcd2018sotsuten/
視デは10号館3階の他、8号館1,2階、10号館1階などに点在しており、さらに12号館や9号館等の共用スペースでも展示されてるので、ある意味、学内で一番展示場所が点在してるのが視デかもしれません。リーフレットは必須。
■工芸工業デザイン学科 インダストリアルデザイン専攻
武蔵美 ID専攻 卒業制作展2019
インダストリアルデザイン(ID)は2/1(fri)〜2/3(sun)に AXISギャラリーで学外展をやります。
■建築学科
http://www.arc.musabi.ac.jp/news/2019/01/-2019-1.html
建築学科は卒展中に「建築祭2019」として、長尾重武賞 表彰式や卒業制作選抜講評会をやってます。
●日時:1月19日(土)11:00-17:00
●会場:8号館308講義室
第1部:11:00-12:00 長尾重武賞 表彰式
第2部:13:00-17:00 修了制作優秀作品レビュー、卒業制作選抜講評会
選抜講評会を見たことがあるけど、点数出したりかなりガチな講評会でした。
■基礎デザイン学科
http://www.kisode.com/archives/4386
http://www.kisode.com/presentation2018/
https://www.instagram.com/kisode.sotsusei2018/
基礎デは「presentation ’18」として公開プレゼンテーションをやってます。
●日時:1月20日(日) 13:00開演
●会場:1号館103(第1講義室)
●教員:宮島 慎吾、小林 昭世、板東 孝明、菱川 勢一、柴田 文江、吉田 愼悟、梅原 真(本学科客員教授)、田中良治
■映像学科
http://eizou.musabi.ac.jp/topics/2019/01/2018-1.php
https://www.facebook.com/eizosotsuten/
https://www.instagram.com/eizo_sotsuten/
映像学科は12号館1階でパンフレットを配ってるのでそれをゲットしましょ。また上映タイムテーブルが後日公開されるはずです。
■芸術文化学科
http://apm.musabi.ac.jp/news/2018sotsu/
https://twitter.com/MAUapm_2018
https://www.instagram.com/mau_apm2018/
https://www.facebook.com/geibun.sotsuten2017
芸文は美術手帖編集長・岩渕貞哉さんによるイベントがあります!
■アートのゆくえ ー美術手帖編集長が語る “これから”ー
●日時:1月19日(土)14:00-15:30
●会場:9号館5階507教室
●参加費:参加無料、予約不要
これは行きたい。
■デザイン情報学科
http://dipale.musabi.ac.jp/g18/
https://twitter.com/MAU_DI_DS_2018
この振り向く画像、怖い(笑)
でも考えてみたら、デ情・井口ゼミはこれで終わりなんだなあ・・・(しんみり)
と、この学科です。
あ、せっかく立川バスルートができたんだから、交通案内に載せませんか?>卒展WEB担当の皆さん。
卒展WEBではありませんが、
■油絵学科版画専攻Facebook
■空間演出デザイン学科|今日のクウデ
この二つのサイトは更新をかなりマメにやってるので、役に立つと思います。
個人的には空デのパフォーマンス・ショータイムテーブル一覧が一番欲しいんだけど、研究室で作ってくれないかなあ・・。
Q10.アニメ作品ってどこで見れるの?
これも受験生からよく聞かれる質問。
アニメを作ってる学生さんが多いのは視覚伝達デザイン学科と映像学科なので、両学科は上映スペースもあります。映像のところでも書いたけど、アニメ等上映系は結構時間が取られるので早めに来た方がいいですよ。
ただ。
昔から油絵学科でも卒展でアニメ作る学生さんが普通にいるので、「●●学科=アニメ」という解釈はムサビでは成立しません。これは油絵学科の学生さんがアニメを提出しても「コンセプトがしっかりしてて、ちゃんと取り組んだものであればメディア関係なく評価される」ということでもあります。
個人的には(くどいようですが)時間に余裕をもってお越しいただき、特定の学科・領域だけじゃなく、いろんな意味でムサビで迷子になってほしいと思ってます。
「領域を分けにくくなったから」のもあるけど、「本当に興味あるものがそれなのかまだ高校生じゃ知らないから」も大きいはず。
例えば「アニメに興味がある」と言ってる高校生は今はアニメしか知らないだけで、実はメディアアートや電子工作系、CG系の方が好きなのかもしれません。となると、視デの古堅ゼミやデ情の井上・白石・高山ゼミ部屋も見といた方がいいし、「アニメは映像」と解釈すれば基礎デ・菱川ゼミも面白いと感じるはずだし、「平面表現や色彩の美しさ」という解釈なら実は日本画かもしれません。
「CG作りたい」という人には、ヴァーチャルな空間に立体作るのがCGなんだから、実は遠回りなようでいて近道なのが彫刻学科という考え方もあります。実際CG会社に就職してる彫刻生もいます。
ムサビ卒展が「アニメとはなにか?」「自分が本当に好きなものはなにか?」を考える場になってくれたら、これ以上嬉しいことはなく。
「将来の夢はプロダクトデザイナー」という人は工デ・インダストリアルデザインだけでなく基礎デ・柴田ゼミも見た方がいいし、「彫刻しか興味ない」という人も実は工デのクラフトデザインや建築の方が合ってるかもしれないし、「建築以外意味なし」と言ってる人も工デのインテリアや空デ・片山ゼミの方が相性いいかもしれないし、「マンガ家になりたい」だと手羽が知ってる限りでは日本画・油絵・彫刻・視デ・工デ・空デ・映像出身でいるし、「靴職人になりたい」という人はクウデや工デ、基礎デ、場合によっては彫刻なんかも興味持つはずで、「手作り靴の魅力を伝えたい!」だったら芸文やデ情なども対象に入ってきます。
「グラフィックデザインしかやりたくない」という人は基礎デの原ゼミ部屋もいいけど、本当のところが「デザインで世の中を良くしたい」であれば視デの齋藤ゼミを見ると「そうか。『デザイン』ってこういうことも含むんだな・・・」と気が付くはず。
いろいろ見て回ることで、実は親御さんや高校・予備校の先生が「●●やるなら○○学科!」とおっしゃてることが「学びの一部」「アウトプットの一部」に過ぎないことがわかってもらえるんじゃないかと。美大での学びって思ってるよりも広いです。
ぜひムサビ卒展で「領域のカオス」や「美術・デザイン領域の広さ」を味わってください。
以上、明日から学生さんの展示を紹介していくんで、宣伝してほしい方はFacebookかtwitterで連絡くださいの手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。