【本当のダイバーシティ大学】京都精華大学創立50周年記念式典に行ってきた

2018年10月15日(月)

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10月13日(土)、京都精華大学に来ています。
これまでの話はこちら↓
草間彌生「永遠の南瓜展」と京都精華大学に行ってきた


なぜ京都精華大学さんにやってきたかというと・・・ようやく本題に入るわけですが、

創立50周年記念式典が開催されたのです。
50周年、そして京都精華さんについては以前詳しく書いてますんでこちらをご覧ください。
2018年は京都精華大学50周年なんです!


京都精華さんとムサビの関係は、同じ私大連加盟校。
私大連とは、一般社団法人日本私立大学連盟の通称で、加盟校は2018年4月現在124大学。
芸術系学部をメインで持ってる大学で加盟してるのは京都精華さんとムサビだけなもんで、関東の美大以外では一番情報共有してる大学さんかも。
そういう関係なので式典に声がかかり、理事長・学長の都合が悪かったので常任理事と手羽が出席させていただいた、と。
ちなみに日本私立大学協会(通称・私大協)もあり、こちらは加盟校405校で私立大学の60%が加盟しています。

受付もごったがえしてきました。

会場装飾は岡本初代学長が語っていた「白い画布」をイメージされたもの。

司会は人文学部の服部静枝先生。
教授にしては進行がうまいなーと思ってたらNHKキャスターをされてたんですね。


会場全体はこんな感じ。
しかし立派な体育館だなあ。

石田涼理事長。
高校の先生を経て、1989年に京都精華大学に職員として入職し2017年12月に理事長就任。手羽が目座す人物(笑)

4月に就任された日本初のアフリカ系学長であるウサビ・サコ学長。
京都精華さんは人間尊重・自由自治を教育理念とし、「自由」「リベラルアーツ」「グローバル」を掲げています。ダイバーシティ宣言をいち早く発表されてます。

印象的だった学長の言葉は「日本では少子化だと嘆いているけど、アフリカでは若者の人口が増えている」「留学生率40%が目標」。
東京でも外国人旅行客が増えたと感じるけど、京都でバスに乗ると「あれ。乗客は日本人より外国人の方が多くね?」というシーンが何度があります。東京よりも早くグローバル化が進むんでしょうね。

角川大作・京都市長。
一緒にいった常務理事と「京都市長が式典に来てくれるってうらやましいね。うちが100周年式典やるとしたら、ここは小平市長になるわけでしょ?・・・差が大きいなあ・・」「いや、東京都知事でしょ!100年ですよ」「東京都は関係ないじゃん」「じ、じゃ文科省大臣で」「たかが1私立美大の式典に大臣はこないよ。電報代読で終わりってところじゃない?」と無駄な言い合いをしたり。

ムサビは10年後の2029年が100周年なもんで、その時はどういう式典にするべきかかボチボチ考えたりはしてます。なんせ100年ですからね、盛大な式になることは予測できることで。
実はやりたいコンテンツがひとつあるんだけど、それは10年後のお楽しみに。


  • 国立民族学博物館の吉田憲司館長


  • 京都精華の近くにある総合地球環境学研究所の副所長さん。来月包括協定締結式をするそう


  • アフリカミーツ関西2018実行委員長


  • 自撮りで会場の様子を撮影

基調講演は海外協定校である、チェンマイ大学のローム副学長。
チェンマイ大学とは短期フィールドプログラムをやったりしてるそう。
美的本質、STEMからSTEAMの時代、という話をされてました。

ここから卒業生のインタビューを中心にした大学紹介映像13分。
制作はクリエイティブ集団「映像家族yucca」。


  • 漫画『僕たちがやりました』 『神様の言うとおり』の原作を書いたのも京都精華卒・金城宗幸さん


  • 複合施設「VOID A PART」を運営する人文卒の周防苑子さん


  • コップのフチ子のタナカカツキさんも京都精華出身なんですね


  • 「メタルギア ソリッド」シリーズをはじめ数々のゲーム作品のアートディレクターをされてる新川洋司さん

式典でこれだけ外国の方がスピーチするのも珍しいけど、手羽が「さすが精華さんだな」と一番思ったのは、

「学生スピーチ」「留学生」がされたことです。
周年式典で卒業生スピーチはあっても「学生スピーチ」ってあまり見ないし、それを留学生がやるってのはほとんど例がないんじゃないかしら。50周年ですよ?しかもスピーチラスト。

マンガ学部のノリル・アランくんは、ノルウェーでアニメ「らんま1/2」を見て衝撃を受け、日本でマンガを勉強するために日本にやってきたそう。将来は手塚治虫を目標に、WEBでマンガを発表していきたい、とちょっと手羽は泣きそうになりました。最近こういう話に弱くて・・。
ノリルくんはまさにダイバーシティでグローバルで、日本初のマンガ学部を作った大学の学生さんで、学生も大学構成員の一員と強く考えてる京都精華さんを具現化した人物かもしれない。
形だけのグローバルを掲げてる大学はたくさんありますが、人種も性別も年齢も区別も関係なくダイバーシティを実行されようとしてる京都精華大学さんは本物だし本気。
それを強く感じた会でした。


以上で式典は終了。

そして皆さんが次に向かった場所は体育館のすぐ横にある友愛館。

50周年祝賀会で、これがまた京都精華さんらしい会というか、他大学じゃ絶対にありえない会で、どうすごかったかというと・・・・まさかの次に続く。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。