ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ発足会に行ってきた

2018年9月28日(金)

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2018年9月27日(木)、新川にあるこちらへ行ってきました。

内田洋行さんの新川本社です。

「あ。創業者はやっぱり内田さんなんだな」と基本的なことに気が付いたり。
ちなみに「洋行」とは中国語で「外国人の店」という意味なんだそう。

で、何しに来たかというと、

会場は2階のユビキタス協創広場 CANVAS。
壁全体にプロジェクションされてる・・。

第1部の進行役は(株)コンセントでムサビ新学科就任予定の長谷川敦士さん。


今日のプログラムはこんな流れ。
今回はワークショップ主体だそうで、えーと、第2部が1時間に3つのワークショップがあるってことは、3グループに分かれて同時に進める感じなんだろうなあ。


第1部は「ソーシャルクリエイティブのアプローチ」ということで、長谷川さんからソーシャルクリエイティブ・イノベイティブの立ち上げ趣旨やこれまでの議論の説明がありました。

ソーシャルクリエイティブ・イノベイティブ・・・ちょっと長いので以降は略称の「SCI」と表記させてもらいます。

第1回、2回のSCIプレイベントはデザイン・ラウンジでやってきました。
【おせっかい野郎達】「社会をクリエイティブにデザインする」に行ってきた
【デザインがデザインであるために】「第2回 社会をクリエイティブにデザイン」に行ってきた(メディア芸術祭も)
第3回は合宿形式で行い、これから必要な議論をまとめたそうです。


  • 大きく分けると「はたらきかたのデザイン」と「日本のデザイン」

「官」「公」「私」の関係では、「私」は「その問題解決は官がやるものだ」と思考停止してきたけど、「私」もやっていなかくちゃいけない、考えなくちゃいけない。
ジョン・F・ケネディが1961年の大統領就任演説で「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えよう」といったのを思い出すし、やはり今のキーワードは「自分事」「おせっかい」なのかな、と。
既にソーシャルデザインの活動を草の根的にされてる方は全国にたくさんいらっしゃいますが、やはりそれぞれでは声が弱く、広いスコープで実行力のある問題解決できるネットワークを作って、ソーシャルインパクトを与える必要があるのではないか。


それに賛同され、2018年9月現在、発起人に名乗り上げたのがこちらの方々です。

原田 泰 (はこだて未来大学) | 三澤 直加(グラグリッド) | 松薗 美帆(リクルート) | 伊藤 喜久恵(Earth Channel Design Office) | 鈴木有吾(パワープレイス) | 梶文太郎(日本IBM) | 小川悠(i.club) | 吉田道生(木の空間プロデューサー) | 青木孝太郎(VIVITA) | 小島 健嗣(富士フイルム) | 篠原 稔和(ソシオメディア) | 丸山 幸伸(日立製作所) | 岩佐 浩徳 (リクルート) | 上田 義弘 (富士通デザイン) | 江渡浩一郎(産業技術総合研究所 ) | 井庭 崇(慶應SFC) | 田中 浩也 (慶應SFC) | 山口 義宏(インサイトフォース) | 井登 友一(インフォバーン) | 上平 崇仁 (専修大学) | 原 雄司 (デジネル/デジタルアルティザン) | 辻 善彦 (アトリエTプラス 建築 地域計画工房) | 渡邉健太郎(SUSANOO) | 浅野 智 (経験デザイン研究所) | 武山 政直(慶應大学) | 伊賀聡一郎(PARC) | 李 ナレ (Yahoo! Japan) | 藤元健太郎(D4DR) | 西村真里子(HEART CATCH Inc. ) | 河野泉(NEC) | 中村耕治 (DENSO) | 矢崎智基 (KDDI研究所) | 村越悟 ((社)PLAYERS) | 富田誠(東海大学) | 戸井田雄(machimori) | 玄正慎(Coaido) | 高橋克実(ホロンクリエイト) | 芹澤孝悦(PLANTIO) | 井口博美(武蔵野美術大学) | 長谷川敦士、小山田那由他(コンセント) | 若杉浩一(パワープレイス) | 山崎和彦 (Xデザイン研究所) | 中澤亜希(凸版印刷株式会社)

企業、起業家、教育機関等様々なポジションの方が名乗りをあげています。
ちなみに手羽のポジションは発起人でも広報でもなんでもなく、「勝手に応援してる人」です。


そしてここから5分のライトニングトーク。

コンセントの小山田那由他さん。
「昔はよいデザイン=問題解決と思っていたが、時代に応じて人に豊かな暮らしを作っていくのがデザインだと感じるようになった」というお話。

 


  • 東海大学の富田誠氏さん。

「創造的統合としてのデザイン」という話。



VIVITAの青木孝太郎さん。
今の子供たちは未来を作りだす力が弱く、「やりたいことってどうやったら見つかりますか?」と聞いてくる。このままじゃやばくね?
でVIVITAでは、参加してる子供たちが「町内会の夏祭りはつまらない」と言ったことから、VIVITA流の夏祭りを子供たちと一緒に考えて実行したそう。

そう、夏祭り・・というか「神社のお祭り」って期待度が高くワクワクしちゃうけど、屋台があるだけでそれほど楽しいものではないんですよね。「参加者が楽しめるコンテンツ」ではなく「雰囲気を楽しむコンテンツ」「やってる方が楽しむコンテンツ」なことが多く、手羽も昔から夏祭りってつまらないなあ、と思ってた一人で。
学園祭も似たようなもんかもしれませんね。期待値が高い分、「あれ。そんなに楽しめないぞ」となることも多いです。あ、ムサビの芸術祭は楽しめますよ!
  

第1部最後はリクルートコミュニケーションズの岩佐浩徳さん。
タイトルは「継続的な活動スキームをどうやったら作れるか?」で、巨大メディアカンパニーである
リクルートと逆の存在ともいえるローカルクリエイションにはそれぞれの強みや弱みがあり、それらをつなぐと弱みを消せて面白いものができるんじゃないか、という提案含めたお話。


第1部はこれで終わりで、第2部は場所を移動します。

階段の踊り場には大きなイラストが描かれてました。


そして地下1階に降りると・・・

こんな空間があり、ここで第2部「ソーシャルクリエイティブのためのワークショップ」が行われました。おっと報告忘れてましたが、100人以上の参加者があったそう。


そして衝撃的な事実が発表されるのです。

手羽は勝手に「グループに分かれて1時間に3つのワークショップが同時進行」と思ってたけど、「全員で20分のワークショップを3つ」だったのです。20分?!ほ、ほんとにできるの?!?!

最初はi.club・代表理事の小川悠さんで「イノベーション教育のワークショップ」
小川さん(と富田さん)は先日参加した
【イノベーション教育とリーダーシップ】第5回Xデザインフォーラム@千葉工業大学に行ってきた後編
にも登壇されてて、またお話聞きたいなーと思ってた人。
こんなすぐに会えるとは(笑)


  • 「お寿司のイノベーションを10分で考える」という内容。

急いでポストイットに書き出す。
普段から子供たちにイノベーション教育をされてる方だから、20分という短い時間ながらも「イノベーションとは何か?」をちゃんと考えて体験する内容になってた。さすが。

続いて、(株)インフォバーンの井登友一さんが「サービスデザイン思考のワークショップ」
今度、このワークショップをパク・・・オマージュさせてもらおうと思ってるので中身は書きません(ずるい)

必死に考える参加者。

ほんとどうでもいい話なんですが、小川さんと井登さんのお二人とも、しゃべりが「シュールインテリ漫才」ぽいなあ、と思ってたんですがどうですか。
ワークショッププレゼン慣れするとこういう感じになるのかもしれない。あ、褒め言葉です。

ライトニングワークショップのラストは、HEART CATCH Inc.西村真里子さんで「アート思考のワークショップ」


アート思考についてはこちらの記事をご覧ください。
アートシンキングとは?「良い子のままじゃ、イノベーションなんか生まれない」 不確実性の時代を突破するフレームワーク

本来は3日間ぐらいで、この「貢献」「逸脱」「破壊」「漂流」「対話」「出展」の6つのプロセスを体験するグループワークショップだけど、「逸脱」部分だけを疑似体験するワークショップ。あ、そうなんです。すでにアート思考は体系化されてるんです。

彫刻学科卒の悲しい宿命(サダメと読む)というか、一番スルっとできたワークショップだった(涙)


しかし、ワークショップの内容もためになったけど、ほんと3人ともファシリテーションのスキルが高いなあ。
一方的にしゃべる「20分プレゼン」を時間通りにやるのはそれほど難しくないのだけど、参加者が関係する「20分ワークショップ」って相当シミュレーションしなくちゃできないはずで、3人ともほぼ20分で終わらせたのはさすがとしかいいようがないです。

そのあとは、懇親会。


  • ご歓談中ですが、発起人の方が数人挨拶されました。


  • 井口先生が新学科の宣伝してたけど誰も聞いてなかった(笑)それでいいんです

SCIでは、今後
・ソーシャルメディア(情報共有と情報交換のためのメディアを運営する)
・オープンイベント(情報共有と情報交換のためのイベントを開催する)
・ミートアップ(特定のテーマについてディスカッションして深める)
・共創プロジェクト(特定の目的のためのプロジェクト活動を推進する)

などを行いながら社会をよくするプロジェクトに繋げていくそうなので、「社会に対するデザイン活用がどのような状況か知りたい」「多様な立場の方とともに社会に対してデザインで何ができるかを考えたい」「自身が持つデザイン能力を社会のために活用したい」人はぜひ参加ください。

活動の情報入手は、SCIのFacebookグループがあるので、そちらからどうぞ。
ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ

また、今回の発足会の速報レポートが既にあがっています。
ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ発足会レポート
速報といいながら手羽より全然丁寧に書いていらっしゃる・・手羽と記事と読み比べてみると面白いかも。

熱いソーシャルでクリエイティブな人々の夜は更けていくのであった。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。