【9月7日午前3時現在】北海道の美術系学部・美術予備校の状況

2018年9月7日(金)

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今回の北海道での大地震でお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の誠を捧げ、また被災をされたすべての方に心よりお見舞いを申し上げます。

うちの奥さんが札幌出身なもんで、手羽も自分事としてニュースをチェックしています。実は結婚式を札幌でやったくらいでして。
奥さん方の母や兄の無事はすぐに確認できました。義兄は出張中の旭川のホテルで被災し、ホテルの立体駐車場が動かず車をホテルに乗り捨てて仕事に向かったそう。
昨日の昼段階では停電と断水が長期化しそうだったんで「最悪、函館空港から入ってレンタカーで札幌に行って、おばあちゃんを東京に連れてきた方がいいかな」と画策もしたけど、函館から札幌までって車で4時間かかるんですね・・今の状況だともっとかかるはずで・・北海道は広すぎる・・。昨夜確認したところ、お義母さん家のマンションは停電が続いてますが、兄の家は電気が戻ったそうなので最悪ケースはなんとか避けられた。


今回の震災に関する美術系学部や美術予備校関係の情報をまとめてみました。自分にはこれくらいしかできないので。あ、意外と北海道にも美術やデザインを学べる学部ってあるんです。
ただ、全道停電だから東日本大震災や熊本大地震の時に比べてあまり情報が出てきておらず、それが今の厳しい状況を表してるようにも感じてます。むしろこの状況でも情報を更新された大学関係者には頭が下がる想いです。

まずは、こちら。
札幌市立大学 学生・教職員・関係者の皆様へ(9月7日・8日の休校について)
札幌市立大学 Twitter公式アカウント
札幌市立大学にデザイン学部デザイン学科がありまして、9月7日と8日(土)の休校・休業が発表されてます。


星槎道都大学|【緊急連絡】本日は地震のため 休校です
星槎道都大学 Twitter公式アカウント
星槎道都大学の美術学部にはデザイン学科と建築学科があります。
取り急ぎ6日の休校と教職員自宅待機のアナウンス。


札幌大谷大学
札幌大谷大学は芸術学部美術学科があり、2019年4月にファッション・デジタルファブリケーション専攻が新設され、グラフィックデザイン専攻がグラフィック・イラスト専攻に、情報デザイン専攻が情報・プロダクトデザイン専攻に名称変更されます。
大学からは特に新しい情報は出ていませんが、地域避難所になっているそうです。
でも建物が心配ですね。


東海大学札幌キャンパス|北海道地震における本学の対応について(9/6 16:30現在)
東海大学札幌キャンパスには国際文化学部デザイン文化学科があります。
北海道地区後援会の実施中止もアナウンスされていて、こちらも地域避難所になっています。


北翔大学|臨時休校のお知らせ
北翔大学の教育文化学部には芸術学科があります。
こちらも週末実施予定だった保護者懇談会の中止が発表されてます。


北海道科学大学|[重要]お知らせ
北海道科学大学の未来デザイン学部にはメディアデザイン学科があるんです。
9月6日・7日の大学閉鎖が発表されてます。

ちなみに
北海道科学大学|札幌市総合防災訓練に参加しました

9月3日に最大震度7の札幌直下型地震を想定した大掛かりな「札幌市総合防災訓練」が行われた直後なのですが、全道停電までは想定できない・・。
 

そして厳密には美術系学部ではないのですが、
公立はこだて未来大学|9/7, 8 FUN Days in 札幌の中止について(企業交流会,オープンキャンパス)
はこだて未来大学にはシステム情報科学部がありデザイン分野も含まれてるので、ちょいちょいチェックしてる大学です。
北海道の大学はオープンキャンパスや保護者説明会などの時期だったんですね。

北大さんはずっとサーバが落ちてるのにこれらの大学のWEBが見れるってことは、学内にサーバがなく、道外とかのデータセンターにサーバがあるってことだな、と元情シス人間は推測。


また、札幌には美術予備校さんがいくつかありまして、
札幌武蔵野美術学院

北海道造形美術学院

札幌美術学園
札幌美術学園Twitter公式アカウント
札幌美術学園Facebook公式アカウント
手羽が広報課時代は札幌へ行ったらこの3つの予備校さんへ挨拶に行ってましたが(今はどうかな?)、3校ともWEBの情報更新はありませんでした。SNSでも特に情報が出てないし、ちょっと心配。
被害状況がわかるのはこれからだろうし、本震も心配です。


ムサビにも実は影響が出てまして、通信教育課程が今週末開講する予定だった札幌スクーリングが会場の断水・停電で中止が発表されました。

関西でも台風による停電地域がまだあると聞いています。
難しいのは「お困りのことがあれば教えてください」と書くと「なんで受け身なんだ!もっと積極的になれ!」と怒られ、積極的に動くと「被災地の邪魔になるから要望があるまで動くな」と怒られ・・・非常に難しいです・・。


「アートやデザインはこういう時に何ができるのか?」
そう悩んでいる在学生も多いはずですが、大人もみんな悩んでいます。
東日本大震災の時、絵描きさんが「似顔絵ボランティアで被災地に行ったら、タレントやスポーツ選手のところに人が集まるのにこっちには誰も来なかった」と言ってました。

東日本大震災1年後の卒業式で当時校友会長だった中島信也さんがこう語っています。

「僕たちが、一生懸命やってきたアートやデザインというものが、何かの力にならないのか。
それはみなさんだけじゃなく、アートやデザイン、クリエイティブにかかわる人間すべてに、今、きびしく、突き付けられているテーマだと思います。

考え続けましょう。

芸術や美術、造形に深くかかわる、ムサビの生活の中で、僕たちの中に、育まれたものがあるとすれば、まずは、彼の地を思う想像力、「イマジネーション」なのではないでしょうか。
僕たちは、想像できる心、「イマジネーション」を持っている、と僕は信じています。
被災した地域、傷ついている仲間のことを、思い続けましょう。」


私も同じように思ってまして、絵を書くだけが美大の学びではない。
もうひとつ書くなら、みんなと一緒に誰かを叩くのではなく、「それがなぜそうなったのか?」を違う視点で考え一緒に悩む、「複数視点力」や「答えがないものもあることを知っている経験値」「答えが多分ないんだけど選択しなくてはいけない辛さ」もクリエイティブにかかわる人間の能力だと信じています。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。