【美大とSFCのデザインの違い】SFC Open Research Forum 2017に行ってきた

2017年11月23日(木)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

11月22日(水)、

ミッドタウンで行われてるイベントへ行ってきました。


それは、

SFC Open Research Forum 2017です。

SFC Open Research Forum 、略してORF。
慶応義塾大学SFC研究所で実施している種々の研究プロジェクトの現状と将来計画を、産業界・官公庁・自治体・学会等に広く紹介し、研究実施に必要な産官学協力関係の円滑化とその強化を図ると同時に、外部の評価を得て今後の研究計画に反映させる目的で開催されています。
一言で説明するなら「SFCの研究会が一堂に会した研究成果発表会」ですね。
今年のテーマは「LAB IS THE MESSAGE 実験する精神」。

ORFはSFCができて6年後の1996年に湘南藤沢キャンパスでスタートし、2003年からは六本木ヒルズ(1回だけ丸の内)、2011年からミッドタウンで開催されてます。
20年以上やってるイベントだけど、手羽は5年前までORFの存在は全く知りませんでした。5年前に「ミッドタウンでそういうイベントをやってた」ってのは聞き、3年前にたまたまミッドタウンにいた日にやってたんでのぞいたらショックを受け、それから毎年チェックし、いろんな人に「見といた方がいいよ」と勧めるようになったイベントです。

いくつかショックはあるんですが、やっぱり

ド平日の初日の開場間もない午前10時過ぎでこの来場者ですよ。。。
半分ぐらいはSFC生だとは思うけど、それでもこのミッドタウンホールを埋める人数をこの平日のこの時間帯に動員するって、ちょっと美大では無理・・・。

ここ数年は木材でトラスを組んでブースを作る方式だったけど、今年は

木材のパネル・イーゼル形式でした。
トラス方式は「どうだーー!!」という圧迫感が強すぎて、手羽は抜けの空間ができるこっちの方が好きです。
でも1研究会のスペースがかなり狭くなったような気がするんだけど、出展が増えたのかな?ものによっては広いスペースの方がいいはずだけど、ま、じゃどれにするんだって調整は難しいだろうなあ・・。

さすがに高校生はいなかったけど、経営者風の方がたくさん来てて学生さんにいろいろ質問してました。ま、SFCさんですからね。
去年の感じだと、今日の祝日は高校生でごったがえすんじゃないかしら。


  • こちらはドローンで地質などを調査する研究


  • このバルーンにもカメラがついてて操縦ができます。

それぞれが「町の暮らしやすさ」を調査。
にしてもこういうマップも作れるのかな・・・すごいな・・。

水野大二郎研究室
さすがに一番デザインされてたブースでした。

SBC(スチューデントビルドキャンパス)は、学生、教職員、卒業生が一丸となってソフトからハードまでを含めて滞在型キャンパスを新たに作っていこうという意欲的なプロジェクト。


  • 義足の研究。

食用昆虫の大量生産を研究されてて、食用コオロギを飼育する装置をデザインしたそう。
どうしても「昆虫を食べる」ってゲテモノに思ってしまうけど、今後世界人口は増え食料が足りなくことを考えると、タンパク源としての昆虫に注目しないわけにはいかない。
コオロギの栄養素は半分以上がたんぱく質で、ビタミン、ミネラルの100gあたり含有量は肉魚より高く、カルシウムは牛乳とほとんど同じ、なおかつ低脂肪・低コレストロール。イナゴは昔から食べてるから、まだ食べることに比較的抵抗が少ない昆虫じゃないかしら。
学生さんに「コオロギっておいしいの?」と聞くと、「揚げるとむちゃくちゃうまいっす!」と教えてくれました(笑)


  • こういうパネルを見ると「やっぱり美大生のデザインセンスには勝てないね」とは思います。逆の言い方するならば勝てるのはそこだけなんだけど

多分服装の統一はされてないと思うんだけど、学生さんの多くは紺色のリクルートスーツ。
企業への説明要素もあるんで「ちゃんとした格好」は当然だけど、女性も含めみんな同じようなリクルートスーツだから、なんかもったいない気もしました。

そういえば、テリー伊藤さんがブースの中にいて、「なんだろ。知り合いの方の展示を見に来てるのかな?にしてもこんな開場直後のこの時間に来ないか。取材なのかな?」と思ったら、現役のSFC生なんですね。バリバリの出展者で前日の展示設営にも参加されてたそうです。
紺色スーツ集団の中にいつものテリー伊藤さんだから目立つ目立つ(笑)


  • すずかんゼミ、それはちょっとずるい逃げ方(笑)

さすがSFCさんというか、研究のバリエーションの多さと規模と深さにショックを受けます。「ああ。これが『研究』なんだな・・・」と。
これだけの規模の研究をテーマにしたイベントは弱小美大ではやれないっす。普段は「天下のムサビ」「日本で一番じゃないかもしれないけど世界で一番のムサビ」とほざいてますが、こういう規模の研究発表展示を見ちゃうと「す、すいませんでしたー!!」と謝りたくなります・・・。


それと、やっぱり美大の領域とかぶる部分が多いですね。
先日レポートした東大制作展でも少し感じた点ではあるんだけど、ただ、その時よりもポジティブ要素として実感できたかな。

というのも、デザイン情報学科がやってる研究と近いものがあったんで「これは何領域(何学部)で研究してることなんですか?」と聞くと「経済学です」と答えが返ってきたんです。
これは「美大のデザインのテリトリーがいつのまにか経済学のテリトリーに入っていた」とも考えられ・・・「いつのまにか」というか「昔からそうだったけどそれが経済学だとは意識しなかった」かな・・・、「これも経済学なんですよ」と私たちが言えてないだけかもしれない。
さっき紹介した「食用コオロギを飼育する装置」なんて、工芸工業デザイン学科のテリトリでもあり、実際に産学連携で養蜂箱をデザインしてます。でも美大がやるとどうしても「意匠」のデザインと言われてしまう。
一般教養科目の先生方に実技学科の活動を見てもらって「あ。これって経済学のテリトリーだよ」「まんま哲学でやってることやん」とアドバイスもらって既存学問との接続性を強く発信することができれば、「美大なんて趣味の絵を描く、社会的価値のない大学でしょ?」なんて言われないんじゃないかと。

東大制作展の感想は「あんまりテリトリを近づけてほしくないなあ・・」だったけど、今回は「SFCさんに美大が協力できることがあるぞ」だったり「美大のノビシロ」に気づかされましたね。「研究の深さ」ではアレですが、発想の飛躍、実現・アウトプット性、面白さでは視覚伝達デザイン学科デやデザイン情報学科も全然負けてないので。

にしても、やっぱりこういう存在の人が欲しいなあ・・・でもうちの規模じゃ無理だなあ・・・。

なんせ、

「SFCが研究発表会をミッドタウンでやる」ってだけで、これだけのスポンサーがついちゃうんですから。
美大では周年事業でも厳しいのに、毎年やってるイベントでこのスポンサー数は絶対無理だなあ・・。やっぱり卒業生って大事だなあ。。


でも、心の汚れてる手羽は毎年このスポンサー看板を撮影してて(多分手羽だけじゃないかしら)、


  • 2014年。


  • 2015年


  • 2016年

こうやってみると、SFCさんといえどもスポンサーは減ってるんだな・・。


展示以外にも様々なセッションをやっています。

昨日はスズカンさんとカヤック柳澤さんたちによるセッションをやってました。
セッション会場は4階のカンファレンスや5階のデザインハブ・リエゾンセンターで、高校生向けのものもあるんで、受験を考えてる人もぜひ。

あ、そうそう。

「デザイン・ラウンジ」の表記をちゃんと書いてくれてて嬉しかったです。デザインとラウンジの間に「・」が必要なんだけど、これ、ムサビの人でもよく間違えてて。
厳密に書くなら「武蔵野美術大学(半角アケ)デザイン(半角ナカグロ)ラウンジ」です。


もし自分が企画する展示会なら・・という視点でみると、

多分美大なら・・というかデザイナーが会場レイアウトに加わったら、間違いなくこの場所かもっと手前に大きなグラフィックを置いて、なんの展示会なのかデーンと見せるだろうなあ、と。
というのも、

入口周辺・受付のどこにもSFC Open Research Forum て文字もグラフィックも出てこないから、前を通っただけじゃ何をやってるのか全然わからないのよね・・・。
展示室の展示什器を考える人はいるけど、会場外サインを考える人がいないのか、でも昔からそうだからあえてわからないようにしてるのか。

でも、

首からさげるパスに印刷されたセッション会場のマップが上下逆にプリントされてて、これはうまい。今度パク・・・オマージュさせてもらおう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中