手羽が12月15日インターンシップ演習の講師やります!

2017年9月13日(水)

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「教授達にドヤ顔でプレゼンできるのは、空気を読めない手羽さんしかいませんよね」と広報チームリーダーに褒められた手羽です。
・・・ん。今気が付いたけど、これって褒められたのか?


ムサビはバリバリに9月頭から後期授業が始まってて、後期から始まったのが例年300人以上が聴講する「インターンシップ演習」

「インターンシップ演習」とは、3年次インターンシップ実習の事前学習に位置し、視デ・齋藤先生が担当してます。といっても視デの授業ではなく、1,2年生なら学科関係なく誰でも取れる金曜5限のオムニバス形式授業なのです。

シラバスにはこう書かれてます。
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卒業後の進路を表現の現場あるいはあるべき社会の実現の現場として位置づけ、美術・デザインの諸領域の現在のありかたを概観し、その後の学習計画をより確かなものとすることを目的としている。
これからの社会に向けての主体的な働き方の選択や造形活動の目標について、現在の学びの延長線上で考慮することができる。
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「インターンシップ演習」と言ってますが、実はインターンシップに直接役立つ授業ではないんですね。
様々な分野で活躍するムサビOBOGから話を聞くことで、 企業や制作会社ばかりではなく、 公益的な仕事を担う財団・NPOやフリーで活動する人など、いろんな「生き方」を知ってもらうことが目的の授業なのです。

先週行われた第1回の講師は、ここ数年恒例となってる、

日本で多分唯一である「美大生研究家」の喜始照宣さんが「データをもとに『美大』を知る、『自分』を知る」という話をされました。
喜始さんは様々な美大で学生さんにアンケートやヒアリングをし、
美術系大学における教育可能性一美大生の語りに注目して一|喜始 照宣  2011-09
美術系大学生と予備校 : 大学生活における現役/浪人の差異に着目して|喜始 照宣 2013-3
美術系大学の学生の予備校・画塾経験 : 学生への質問紙調査をもとに|喜始 照宣2016-3
予備校・画塾経験が学生の大学生活に与える影響:美術系大学の学生への質問紙調査をもとに|喜始 照宣2016-03
美大生と美術予備校の関係や就職、家庭環境まで調査した論文を書いてる方で、「まずは自分、美大生について知ることから始めよう」という導入部分を担当してもらってます。
美大生に関するデータってリサーチ会社の対象外になってるから全然ないんですよ。多くは「経験値」「周りの友達のイメージ」だけで語られてるので、複数の美大データを持っている喜始さんは手羽にとって神みたいな存在で。
あ、ちなみによく間違えられますが、手羽は「美大研究家」ではなく、お気楽な「美大愛好家」です(笑)

インターンシップ演習に登壇する講師は初回の喜始さん、2回目のキャリアチーム課長以外全員ムサビOBOG。
でも、基本的に「超大手デザイン会社に就職して有名商品を出したOB」、つまり誰もがイメージするような「美大卒進路のオーソドックス(わかりやすい)成功者」はいません。
いつものごとく中島信也さんも登壇されますが、フリーで活躍する人、地域おこし協力隊になった人、小平市役所に入庁した人なども講師として登場します。
それはインターンシップ演習が「将来にはいろんな選択肢があることをまず知り、悩み、今自分がやるべきことを学んでもらうための授業」だからです。
その上で「企業への就職」を選択しインターンシップへ行くのはいいんだけど、最初から何も考えず、どんな人生の選択肢が他にはあるのか知らずに「みんながやってるからインターンシップに行く、就活をやる」って考えはどうなの?ということ。
「あの大学は就職率が低い!」と書いてる人がフリーのライターさんや研究者だったりするわけで、世の中そんなもんです。

本来の「キャリア教育」とは、「就活教育」ではなく「自立教育」「人生教育」です。
企業に就職するのも大事だけど、特に美大だと生き方はそれだけじゃない。
社会的には「就職」が重視されてるし、大学広報的に「就職率が美大で一番!」みたいな宣伝の方が受けるのはわかってるけど、美大にはアーティストやクリエイターを目指して入学した学生さんがたくさんいるわけで、就職以外の選択肢が当然あり、それも応援するのが美大の役割だと思ってます。
また、なにより「美大生の本質的な能力」が求められてるのは、実は誰もがイメージするようなクリエイティブ業界だけじゃありません。
おっと、ここからは授業の中で話します。


はい、そうなんです。というわけで、

今年も手羽が授業をやらせてもらうことになりました。

■インターンシップ演習2017
●特別講師:手羽イチロウ
●日時:2017年12月15日(金) 16:20-17:50
●会場:鷹の台キャンパス 7号館4階401(第11講義室)


手羽は2009年から講師をさせてもらってて、ここ数年は大トリを担当させてもらってます。
「美大卒で美大職員」というこれまたかなりレアな進路(笑)についてもしゃべりますが、「美大愛好家・手羽イチロウ」の活動で感じてることや「ムサビ・美大での学びの本質は何か?」をメインにしゃべる予定です。

履修してる学生さんはもちろんですが、その親御さん、高校の先生、ムサビ職員・他美大職員にも伝えたい内容になってるのでお時間があればぜひモグリこんでください。ムサビで一番大きな講義室なので多少人数が増える分には大丈夫なので。あ、他の授業はモグリダメです。


以上、やっぱり齋藤先生に頼まれて、今週土曜日もプレゼンをしなくちゃいけない手羽がお送りいたしました。

まちを元気にする仕事 -わたしが見つけたデザインの力-」というイベントの中で、「ムサビの社会連携とその課題」というタイトルでしゃべります。
「ムサビ社会連携チームが社会連携の依頼を9割断っているのはなぜか?」という話をするので、気になる方はぜひ。まだ全然パワポデータができてないけど(汗)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。