昨日6月24日(土)に鷹の台キャンパスで年に一度の校友会総会が開催されました。
校友会とはいわゆるOBOG会・同窓会のことです。
■武蔵野美術大学校友会
ムサビ校友会は「校友によるボランティア組織」という形で、大学とは別運営されてます。もちろん手羽も校友会の一員・・といっても手羽はOBとして総会に参加したわけではなく、部署が大学側の校友会窓口なもので、毎年参加させてもらってる、というわけ。
ムサビは卒業生数が約67000人で、毎年10万人を輩出してる日大さんに比べたら小さなもんですが、女子美さんについで2番目に卒業生を多く輩出してる美大です。入学定員はムサビの方が多いから計算上は2020年過ぎに女子美さんを抜くはず。多分。
ちなみに女子美同窓会と言えば、昨日からこういうイベントが始まりましたよ。
■若手支援プロジェクト展—まなざしの先に—|一般社団法人女子美術大学同窓会
ちなみにちなみに、「女性社長を輩出してる数」だとムサビは全国で16位に入っています。
■特別企画:全国女性社長分析(2017 年) |帝国データバンク
その日大を始め大手老舗大学さんが上位を占めてるので、卒業生数を分母にした割合ならムサビは1,2位になるんじゃないかしら。意外とみんな知らないムサビデータ。
んで、総会の前に支部長さんや本部、大学教職員が混ざってのMSBサミットが行われました。
「せっかく全国から支部長さんや大学関係者がこの場に集まってるのに、一方的に報告を聞く会じゃもったいないよね。いろんな問題やアイデアをみんなで共有しようよ」てなことで、2012年からワールドカフェ形式のグループディスカッションをやるようになりまして。
今年のサブテーマは「大学に何ができるか?」。
旅するムサビを始めとして様々な地域で学生さんが活動してるので、それを地方支部がどういうサポートや支援ができるのかを議論しました。TOP画像はムサビの社会連携・地域貢献活動を説明する広報チームの東くん。
MSBサミットで感じたことがあって。
これはムサビだけ、大学だけではないはずなので、自分の考えをちょっとまとめてみました。
ずいぶん前から、・・少なくとも手羽が校友会担当になってから10年以上、「大学は校友にしっかり情報を発信していない」と怒られ続けています(笑)
昨日も「旅するムサビって活動自体を知らなかったし、うちの県でやってることも知らなかった」と言われました。これだけメディアに取り上げられてる美大の全国的な美術振興活動はそうそうないし、「校友」には出してないかもしれないけど、恐らく「社会」に一番情報を発信してる美大なはず、なのにです。
でも「これってガソリンの値段が言えるかどうかと似てるかもしれない」と思ってて。
ここで質問です。
家の近所、もしくは通勤路のガソリンスタンドに表示されてる最近のレギュラーガソリンの値段を言えますか?
「うーん、安いところだとリッター119円で、だいたいは125円ぐらいかな?先週は130円超えててガソリン入れるの躊躇しちゃったw」と即答で言えるのは恐らく車を普段から運転してる人で、車を運転してない人の多くは言えないんじゃないかしら。
これ面白いと思いません?
どこもGSの前に大きく金額が出てるから、前を通れば必ず金額が目に入ってるはず。でも普段車に乗ってない人は目に入ってるだけで、情報として体に入ってきていないんです。
逆に車乗りはスピードが出てるから歩いてる人・自転車の人よりも金額表示の前を通る時間は一瞬だし、運転してるからジーーと見るわけにもいかない。でも情報としてはしっかり入ってきて、一瞬で分析もしてる。
「うちの近所にはGSがないから知らん!」「おれのジャガーはハイオクだ!」とおっしゃる方には、日経平均株価ではどうでしょう。全く同じ新聞・テレビを見てても、すぐに言える人と言えない人がいますよね。この違いはなんなのか?
これは「自分にとって必要か必要じゃないか」だし、違う言葉を使うなら「情報が体に入ってくるかどうかは、興味があるかないか」じゃないかと思うのです。
確かに「校友」へ大学の情報発信が不足してるのは否定できないんですが、「大学は校友にしっかり情報を発信していない」と怒る方に、
1)この3ヶ月の間に「ムサビ」等のキーワードで検索したことがありますか?
2)この1ヶ月の間に大学のWEBサイトを見たことがありますか?
3)大学のSNSをフォローしてますか?
と聞いたら、恐らくほとんどの方が「NO」と答えるはず。
理由は多分「必要性がなかったから」「興味がないから」。興味がないからメディアで「旅するムサビ」という文字を見ても体に入ってこない。
正直「大学WEBもSNSもチェックしてないのに、どうやって大学の情報を入手しようと思ってたんだろ?アクティブ獲得する気はなく、情報が自然と入ってくるってこと??」とむしろそこがすごく不思議で。手厚く校友に情報を配信することも大学は大事だけど、情報を受ける側の状態も大きいはずで、「そこをまず理解してもらうことからなのかなあ、・・」と昨日MSBサミットでの発表を聞きながら感じてました。
受験生やムサビが大嫌いな卒業生に「調べない方が悪い」なんて言えないけど(笑)、少なくとも校友会支部長さんには。
あ、「ムサビ」「校友」で書いてきましたが、これは「他大学」「在学生」でも同じだろうし、「会社」など違うシーンでも当てはまるはずです。
でも感覚として、オープンキャンパス以前と以降の卒業生で、ムサビへの興味度(好きか嫌いは抜きにして)が大きく分かれるような気がしてます。
最近は多くの人がオープンキャンパスを見て「ああ。ムサビってよさそうだなあ」と思って受験してる。昔は「受験前に興味がある大学を見学する」なんて場もなければ、そんな発想自体がなかったもん。
また、オープンキャンパスは視覚伝達デザイン学科やデザイン情報学科のように学生主体で「大学・学科広報」をやってたりするんで、ムサビ・自学科への理解度や愛着は昔よりできてるように思います。
「ムサビに興味をもって受験する」「『ムサビ』で検索したことがある」「興味をもってる在学生」、つまり自分からムサビの情報を入手したいと思ってる人が昔より格段に増えてるんじゃないか・・と推測しています。オーキャンの副作用ともいえますね。
以上、校友から「BAUSって知ってます?すごいサービスだと感じてWEB見たら、長澤学長がインタビュー受けてますね。ムサビもなんか関係してるんですか?」と聞かれ、「ええ。その運営会社のブログで記事書いてます」と言えなかった手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。