虎屋×ムサビのコラボ「うつわと和菓子」お茶会に行ってきた!

2017年6月5日(月)

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昨日4日(日)、あかりちゃんとデザインハブに行ってきました。

目的は去年から開催するようになった、

株式会社虎屋さんとムサビとのコラボ企画
うつわと和菓子
工芸工業デザイン学科クラフトコース陶磁専攻の学生さんが、去年の秋に「虎屋さんの和菓子に合う器」をテーマに制作した作品の展示です。

ちなみにこの壁に書かれた文字はどう作ったかわかります?
実は拡大プリントした文字を切り抜いて張ってるんです。すごくアナログな方法だけど、逆に最近はこういう発想が思いつかない(笑)


あまりクラフト系の企画をやらないデザイン・ラウンジなので「なんでデザイン・ラウンジで陶磁?!」と思う方がいるかもしれません。
理由は3つあって・・・それはおいおいと。

制作にあたり、虎屋さんの協力のもと、前提講義や職人の方による和菓子作りのデモンストレーションを学生自らが体験し、和菓子の意匠にこめられた日本の多彩な季節感や心情を学ぶことで、「うつわ」に対する発想を広げていきました。

ちなみに株式会社虎屋さんは本店が赤坂にあるんだけど、2015年からリニューアル工事中のため、現在本店機能はミッドタウン店が担っています。「虎屋さんの和菓子に合う器をミッドタウンにあるデザイン・ラウンジで展示する」ってのはそういう関係があるんです。
金曜には、虎屋さんの社長さんもいらっしゃったとか。
これが一つ目の理由。

そして「新しい関係を作る」をモットーとしてるデザイン・ラウンジとしては、「企業と大学」「学生と職人さん」という関係が生まれることは嬉しいことでもあり。
これが二つ目の理由。

 
では学生さんの作品を見ていきましょう。


  • 西川先生いわく「ふた付の器は、一度は誰もが思いつくんだけど実際に作る勇気がない(笑)」とのこと。


  • 虎屋さんの和菓子は(当然ですが)季節によって作られるものが違います。このときは秋冬の和菓子に合う器を作ってるので、なんとなく冬っぽいテーマの作品が多いんですね。

ムサビからのリリースをご覧になった方だと、ここまで見て「おっ」と思うかも。
今回DMなどに使ったビジュアルには、

今回出展してる作品をイラスト化されたものが使われてるんです。
手羽はこういうイラストが描けないんで、すごくうらやましくて・・。

んで、昨日は、
三人の作り手による対談 〜とらやの和菓子でお茶会〜
があったんで、やってきた、と。

学生さん司会で進行。
進行原稿を読みながらだとタドタドしく、「だ、大丈夫か?」と不安になったけど(笑)、自分の作品を語る時には堂々としてて、作家ってこういうもんだな、と。

まずは工芸工業デザイン学科 陶磁専攻の西川教授から挨拶。

ちなみに陶磁を始めとしてガラスや木工、金工、テキスタイルなどクラフト系は他美大ではファインアート系にカテゴライズされることがほとんどですが、ムサビは「工芸工業デザイン学」とデザインに分類してる珍しい大学なんです。
なので「陶磁をデザイン・ラウンジで」というのは大学理念的に間違ってはないんですね。
これが最後3つ目の理由。

2年生前半までインダストリアルデザインやインテリア等他領域を体験してから専攻に分かれていく形なので、正直「クラフトしかやりたくない!」という人には向きませんが、様々な素材や解釈を柔軟に学びたい人に工芸工業デザイン学科は向いてる学科といえます。

ゲストはガラス作家でムサビ工デ院ガラス卒の八木麻子さん。

こういう作品を作ってます。

ガラスはどうしても日本だと「夏の器」という印象があります。麦茶だったりソーメンだったり水ようかんだったり「さわやかさ」「清涼感」な演出するときにガラス製の器を使うイメージ。
一方、北欧はほとんど日が照らない「極夜」(白夜の反対)があるんで、ガラスを窓際に置き光を入れることから冬のイメージがあるそう。だからヨーロッパのガラスって暖色系なイメージがあるんだなあ。ひっかかってるものがスーと落ちました。
 

右側が、とらやの和菓子職人さん。
左側が今回授業を担当された岡本玲子先生。
岡本先生は普段、国内外のレストラン、ホテルの食器・家具の企画デザインやフードスタイリイング、メーカーと組んで食器のブランディングやデザインプロデュースを手がけていらっしゃいます。
その関係で虎屋さんとのコラボが実現しました。
 

さて、いよいよお茶会へ。

整理番号順に気に入った器をまず選び、そしてそれに合ったとらやさんの和菓子を選ぶ流れ。

これ、視デ・齋藤先生かゲイブンにお願いしたら、もっと上質なワークショップになる気がするんですよね。来年はどうですか?


しかし、なによりも、

学生さんが作った器に、虎屋の和菓子職人さんが虎屋の和菓子を直接盛り付けてもらう経験って、そうそうないわけで。幸せだなあ。


  • あかりちゃんの選んだ組み合わせ。ピンクがきいてる。


  • 手羽のセレクト。純粋にこのお皿がほしいな、と思って(笑)。和菓子以外にもケーキとか、もしくは前菜系の器に使えそう。


  • もはや写真大会で、他の方の組み合わせを「写真撮ってもいいですか?」と撮り合う感じで。


  • これは西川先生の作品。やはり学生さんの作品よりも品を感じる。

ただ食べるだけじゃ。ほんとに単なるお茶会なわけで、学生さんたちがテーブルを回ります。


  • 彫刻の学生だと「売る」ことを前提に作ることって実はあまりないんだけど、クラフト系の学生さんは「売る」って意識が高いんじゃないかな。

てな感じでイベントは終了。
この企画用に「どんなふうにこの器を作ったか」がわかる制作過程動画を学生さんが作ったんだけど、あれはyoutbeとかにあげてほしいなあ。すんごく面白いんですよ。立派な教育コンテンツになってる。



以上、

毎年このイベントの後はお土産用に虎屋ミッドタウン店で散財して帰る手羽がお送りいたしました。

でもこの価値がわからないリンクロウはパクっと食べやがって、「リンクロウが虎屋の高級和菓子を一口で食べちゃったああ!(絶叫)」と「ヨーゼフがカタツムリ食べちゃったあ!」的に騒ぐのも手羽家の恒例行事になってます。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。