【結婚する君へ】披露宴でデザインされるもの

2016年11月24日(木)

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先日書いた記事のラストに「基礎デがらみのイベントが続く」と書いてますが、昨日11月23日(水)は、大学非公式ブログサイト「ムサビ日記」ライターで基礎デ大学院出身・おきなまろさんの結婚式&披露宴だったんです。

「おきなまろさんはいつからムサビ日記に関係してるんだっけ?」と結婚式の朝メールを調べたら、「大学院進学が決まったからブログ書かせろ」と上から目線でメールが届いたのが2004年1月末。ムサビ日記は2003年6月からスタートして当時はまだ10人ぐらいで細々やってたから、かなりの初期メンバーにあたります。
それからおきなまろさんは大学院修了後、教務補助から広報スタッフになり、ムサビ日記の裏管理人となり、ムサビ日記出版の際は全面的に協力してもらい、伝説の芸祭模擬店「手羽イチロウ」の裏店長もやってもらい、手羽の活動を影で支えてくれてました。


広報スタッフをやめてからは、ムサビから徒歩10分の場所に美大生のためのシェアハウス「ゲストハウス檸檬(GHL)」を立ち上げて管理人をやってます。TOP画像はそのGHLの住人達(現役だから肌のツヤ感が全然違う)
「美大生をつなげる・サポートする」を実生活で実践してるわけで、手羽を始めどの美大職員も彼女にはかないません。
 

きれいだったなあ。超新婚オーラが出てた。
そしてとっても素敵な会でした。


手羽が結婚式に出席したのは・・・やはりムサビ日記OBOGである珍念・とーぼーさんの結婚式以来なので実に7年ぶり。この年になると同級生が結婚ってこともないし(笑)
一緒に出席した若い人に「披露宴に出るのはこれが初めて?」と聞いたら「最近は披露宴は身内だけ・友達はパーティー、てパターンがほとんどだから、披露宴は初めてです」と言ってた。


えーと、結婚する人には毎回伝えてる話があって。
これ書くの何度目だっけ。ま、いいや。


結婚式・披露宴の準備ってかなり面倒なんです。
「どういう規模の式をやるか」から始まり、「いつやるか」「どこでやるか」「招待状は?」「衣装直しは?」「誰を呼ぶか」「どこに座ってもらうか」「料理は?」「誰に話をしてもらうか」「乾杯は?」「引き出物は?」「演出は?」「音楽は?」「2次会は?」「新婚旅行は?」とか、二人で決めなくちゃいけないことが山のようにある。

ちなみに、

GHLの住人でもあるムサビ生が100号キャンバスに二人の顔を描き、勝利だるまのように新郎新婦に目をいれてもらう・・という余興がありました。
新郎はうずまき、新婦はハートマークを描いてて、まるで写輪眼状態になってた(笑)

料理はこちら。

相変わらず料理を撮るのが下手くそなのと、一口食べたあとに「いけね。写真撮るの忘れた」の繰り返しなもんで、食レポは手羽は向かないっす・・。料理もおいしかったなあ。


んで、なんでこんなに面倒なシステムになっているかっていうと、 「共同作業をすることによって結婚前に二人の価値観の違いを確認するため」なんだそうです。
「価値観が同じだから一緒になる」人も多いだろうけど、全く価値観が同じ人なんているわけがなく、「結婚する前にどれくらい価値観が違うのか」をわからせるのが、あのクソメンドクサイ披露宴・結婚式の準備システムなのです。

付き合ってる時のやり取りって、
「何食べる?」
「あなたが好きなものでいいわよ」
「じゃ中華にする?」
「えー、中華はいやー」
「さっき何でもいいっていったじゃない(笑)」
「そうだっけ?」
「こいつー★(こつーん)」
「てへぺろ★」
と、ほんとどーでもいい甘い甘いやり取りで済むけど、 結婚式・披露宴みたいに人生に一度しかないようなこと(2回経験する人もいるけど)となると、真剣さは全然変わります。
「相手が何を重要と考えているのか」
「自分は何を譲れて、何を譲れないか」
がはっきりと出るんですね。 必死な時にしか出てこない素顔というか。
そして、そこには親の価値観も絡んでくるから、「どういう親に育てられたか(どういう環境で育ってきたか)」も見える。

新郎が「シンプルにやりたい」といえば、 新婦は「私は古城みたいなところでガーデンパーティ形式で友達をいっぱい呼んでやるのが夢だったの」と言い出したり。
「古城でガーデンパーティってうちら日本人だぜ?普通にやろうよ。ガーデンだと雨降ったらどうすんのよ。恥ずかしいからシンプルがいい」 「絶対に嫌!!」 とかそういうところから。
新郎が「披露宴で絶対にシャボン玉飛ばしたいよう!」と言い出したり。クス。

「式のことは全部私がやるから」って彼女が言うから「じゃ、大変だと思うけどまかせるよ」と答える。
でも日数がたったところで、「その料理じゃ恥ずかしくない?」と新郎が心配すると 「あなたは何もやらないくせに!私に面倒なことを押し付けて文句ばかり(涙)」 と新婦が逆ギレするのはよくあること。
「いやいや。文句じゃなくて、どう思う?って聞くから、それは変じゃない?って答えただけじゃん。それに全部やるって言ったの君じゃん」 とか。
はい。うちがそうでした・・・(ぼそっ)

そしてようやく決まったところで、親がケチをつける。
「文句をつけるわけじゃないんだけど・・決めるのはあなたたちでいいんだけど・・・この人を呼ぶべきだ」と、それって確実に文句なことを言ってくるわけですわ。
自分たちはシンプルな結婚式、いやむしろ結婚式なんて挙げなくてもいいぐらいに思ってるのに、彼女の親が「自分の大事な娘なんだから、お金は出すから、ちゃんとした結婚式を挙げさせてやってくれ」と言って来たり。
自分の親なら「うるせー」で済むけど、相手のご両親だと最初から悪い印象をつけたくない。
あ、これは手羽家の話ではないです(笑)

相手のいいところを沢山知るよりも、 相手の嫌な部分を知った上で好きにならないと長くは続かない。
これが披露宴でデザインされるものなのです。
おっさん、今いいこと言った。


このことは「大学へなぜ行くのか?」とも共通してて。
自分の楽しいことだけ、やりたいことやりたいのなら、大学へ行く必要はありません。
でもベース部分では同じ価値観を持ってる人の集まりが大学なのだけど、上物部分は全然違う価値観を持ってる人(同級生だったり先生だったり)と強制的に大量に出会い、強制的に同テーマで大量に学ばされることができるのが大学なんですよね。特に美大は。
おっさん、またいいこと言った。


。。。えーと、実は乾杯の挨拶を頼まれまして。
披露宴には現在リアル付き合いのあるムサビ関係者とGHLメンバーだけ呼ばれて、「みんなが知ってる最年長友達代表がおっちゃんだから」と頼まれまして。こういうちゃんとしたシーンの挨拶ってほんと苦手で、年取るって嫌なもんです・・。

何をしゃべるかはだいたい決めて練習してたんだけど、どうしても「ご多幸を祈念して」が何度練習しても覚えられなくて。あまりにも普段使わない言葉というか、「ゴタコウをキネンして」って音としても変だと思うんですよね。

そして、最近手羽がハマってる平野ノラネタをどうしてもぶち込みたくて、同じテーブルにいたムサビ日記の竹林二郎に相談したら「やめた方がいいと思っす。確実にスベるっす」と止められたけど、爪痕を残したくて、「やっぱりやる!」と宣言しぶちかましましたよ。
 

見事に滑りました(涙)
渾身のギャグが爪痕残すどころか心の傷になりトラウマになりそうな大事故で(涙)
そして、あれだけ練習した「ご多幸を祈念して」がやっぱり言えなかった(涙)
「ご多幸を祈念して」をサラっと言える大人に早くなりたい(涙)


なにはともあれ、おきなまろさん、ご結婚おめでとうございます!!



以上、予報が雪で「これで雪降らしたら『どんだけ手羽さんは雨とか雪とか降らせるんですか!』と絶対に一生怒られ続ける・・」とビクビクしてたけど、ギリギリもってくれてホっとした手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。