【中学校が美術館に変わった】ムサビる!2016に行ってきた

この暑さからか、車の調子が悪くなった手羽です。

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8月7日(日)にムサビる!に行ってきたのでレポートを。
「ムサビる!って何?」って人はこちらをご覧ください。
【真夏の中学校が美術館に変わる!?】美大と中学の連携「ムサビる!」は8/6,7開催


ほんとは6日に行くつもりだったんだけど車の調子が悪くて。「途中で壊れたらまずいな・・」と引き返し、オリンピック開会式をずっと見てました・・。13年13万km走ってたらそりゃひとつはガタは出ますわな。純正カーナビなんてデータが古くて(アップデート終了してる)、道なき道を走ってる状態ですからね。海の上だって走れますよ。
あ、「だったら電車で行けよ」ってのは無しの方向で。家から都心へ行くのは楽勝なんだけど、小平方面が面倒で(それを言っちゃおしまい)

朝1で修理してもらい完璧。よし行くか!!
 
 

というわけで、東大和市立第五中学校
ムサビる!の時に毎年来てるから、五中の空はいつもピーカン雲モクモクのイメージです。

おおお。やってるやってる。五中ではなんと総勢130人が展示しそるそう。
 
 

1階から4階まで全フロア使ってやってました。

 

皆さんのイメージ通り普通の教室やら廊下、ほんとに構内全体を使って展示してるのです。
 

ここは廊下にある給食の配膳スペース・・かな?こういう空間が面白い。

それにしても普通教室はクーラーが入ってるけど美術室や理科室等の特別教室は都の補助金対象外なのでクーラーが設置されてないんです。監視する方は1日暑かっただろうなあ。
 

中学生が手を真っ黒にして書いたドローイング。

学生以外に先生や助手さんも展示してて、

こちらは油絵学科の袴田先生の作品。
他にも日本画の萩谷助手、油絵の玉虫先生、空デの津村先生・太田先生、映像の小口先生、芸文の米徳先生・杉浦先生・西中先生、教職の三澤先生、共通彫塑の松本先生、共通デザインの星野助手も展示してました。これだけ学科バラバラの教員・助手さんたちの作品が一つの場所で展示されるのは学内でも学外でもあまりないことで。
 
中学生と一緒に進めた展示企画もあって、今回は「ハコニワ」がテーマ。


  • こうやって展示室で来場者を迎え、「質問があったらなんでもどうぞ」と声をかけるのは彼らにとって初めての経験じゃないかしら。こういう美術を通した「経験」もあるってことですね。

うん。よくできてる。
  

今回はムサビ生だけじゃなく他大学の学生さんや高校の生徒さんも展示してました。
こちらはタマビの学生さんの作品。ちょうどこの写真でしゃべってる来場者の方もタマビ卒の方で話が盛り上がってました(笑)

ただこれは「ムサビる!」のコンセプトに関係する部分。「ムサビだけでやらずに他大学生も」は「普段使ってる中学校を美術館に変化させ、美術に興味を持ってもらう」というムサビる!の根っこのポリシーからは外れてないし、むしろいいことだと思うけどそれだったら「ムサビる!」って名前を使わない方がいいんじゃないかしら。「美術る!」とか。学生さん達が議論した結果だと思うけど。


なんてことを思いながら、もう一つの会場である

東大和第二中学校へ。
去年も二中で展示してたけど行けなくて。ここに来るのは4年ぶりぐらいかな?

個人的には二中の方が好きな作品が多かったかも。
 

女子トイレでの展示。わかってても中を撮影するのは緊張します・・。
 

黒板ジャック中。
 

黒板しか撮ってないけど7月31日に帰ってきたばかりの旅ムサin奄美大島の展示もやってました。奄美の様子はこちらをご覧ください。
武蔵野美大「旅するムサビ 」 - 奄美新聞社
ちなみに何も考えずに「美大」で検索かけると「奄美大島」がヒットするのでご注意を(何を?)

ずっとライブペインティングをしてる学生さん。
 

おおお。こっちは既に黒板ジャックされてた。


ムサビる!に限らず、こういう普段使ってる普通の施設での展示で毎回気になるのは「作品よりも現代アートしてる」日常物で。


  • 階段の踊り場の表示。フロアを分ける印が稲妻みたいな形で、最初作品だと思ってみてたんです。「よくここに気が付いたな」と。でもこういう表示だった(笑)なぜ稲妻?!


  • 女子トイレの張り紙。衛生委員の中学生が描いたんでしょうね。この紙色にこの文字色という配色はデザインを勉強した人だと多分やらないけどすごくいいし、「トイレにたまる」という言葉も心にひっかかる何かがある。


  • 色具合といい、形状といい、設置場所といい、「ハローボックス」という言葉とフォントセンスといい、「ロ」から推測するに文字は型紙使ってペイントされててそのハゲ具合といい、すべて完璧

今回のムサビる!で手羽が一番いい作品だと思ったのは、この「体育館に何気なく干された雑巾」。作品じゃないんだけども。
この配置とバランス、ぶら下げ具合は意識したら絶対に出せません(笑)また作品にしようと思ったらつい色味を一色ぐらい入れちゃうもんだけど、あえてモノトーンで統一されてるのも逆によく、どの作品よりも現代アートしてる。やっぱりこういうものにはかなわない。
ホワイトキューブでの展示よりもパワーや周りへの気の使い方、事前計画がより必要だし、単純に「場所がもらえたから展示しましたー」ではなく、いかに空間と共有するか、「空間の意識」が大事なんでしょうね。


あ、別にダメ出しをするつもりはなく、200人近い人間と作品のコントロール、2校同時開催、そしてあの気温の中でこれをまとめた学生さんも先生も本当に大変だったのがわかります。
皆さん、本当にお疲れ様でした!!来年もね!!
とりあえず聞こえないフリしてたけど、来年はインカムで「手羽さんが来ました!」「手羽さんが●●教室にいます!」というやり取りは手羽に聞こえないようにやってほしいなあ・・あれだとほとんど不審者扱いなんだけど・・。


以上、とりあえず「ハローボックス」とは何なのか気になってしょうがない、知ってる人はだれか教えてほしい手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。