[news] 美術・自然・文化の「線」に耳を澄ます「線を聴く」展

入試でたくさん描いたデッサンも、建築の設計図も、ふと振り返ってみるとすべて「線」。美術のまわりには「線」が溢れている!東京銀座・エルメス銀座店8階のフォーラムで、森美術館の「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」と呼応した「線を聴く」展が開催されます。美術館とまた雰囲気が異なる上質な空間で、シンプルな「線」の数々をじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

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「線」の表現は、美術において欠かすことのできない重要なテーマです。どんな人も線を用いて絵を描いた経験があることでしょう。ドローイングやカリグラフィーなど魅力的な線を求めて作家は様々な作品を生み出しています。しかし、時に作家の発想はモノの形を捉えることを超越します。
現代芸術家・鯨津朝子の描く線は、壁を走り、天井まで広がっていきます。同じ美術の線でも、紙の中にモノの形を閉じ込めたり、外の世界に開放されていたり。線はシンプルでありながら、とても奥が深いようです。


美術の線とは別に、自然と生まれる素晴らしい線の数々もまた私たちを魅了してやみません。蜂の巣の幾何学的な線や人間の心臓が作る心電図。当たり前の存在と向き合った時、そこに隠れた線にふと惹きつけられてしまいます。例えば、フランスの批評家ロジェ・カイヨワがコレクションしている石の断面図。瑪瑙(めのう)を割った面に見られる自然の歳月が生み出した造形は、人間の手の及ばない線の美しさについて教えてくれます。

このように「線を聴く」展は、美術・自然・文化といったアプローチから線について考えようとする展覧会です。アトリエ・ワン、シュ・ビン、ロジェ・カイヨワ、カールステン・ニコライ、髙田安規子・政子、イグナシオ・ウリアルテ、鯨津朝子、ニエル・トロニといった実力ある作家の作品が、グループ展形式で紹介されています。

「線」の表現は、美大生やクリエイターにとってとても身近でありながら、その魅力に気づかないという人も多いのではないでしょうか。銀座メゾンエルメスフォーラムでの「線を聴く」展の開催を機に、線のささやきに耳を澄ましてみませんか。


▼開催概要
銀座メゾンエルメス「線を聴く」展
・開催期間:2015年4月24日(金)~7月5日(日)
・開催時間:月~土 11:00~20:00(入場は19:30まで)
      日   11:00~19:00(入場は18:30まで)
・入場料:無料
・公式サイト:http://www.maisonhermes.jp/ginza/gallery/archives/8115/

▼ 関連企画 
こちらの展覧会もおすすめです。森美術館がリニューアルオープンして最初の企画展となります。
森美術館「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」
・開催期間:2015年4月25(土)~7月5日(日)
・公式サイト:http://www.mori.art.museum/contents/simple_forms/index.html

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