「自分にとって人生のターニングポイントはなんだったか?」と聞かれたら、すぐに言えます。
それは「教育実習に行ったこと」です。
「小学校でサッカーを始めたらモテた」「ムサビに入学した」「ムサビ日記を始めた」「結婚した」などマイルストーン的なものはいくつかあるけど、ターニングポイントとなると、やっぱりこれですね。
教育実習のメインシーズンは5月、6月でして、来週から教育実習へ行く人に「手羽の教育実習の思い出をPARTNERで書いてあげるよ」とつい先輩ヅラで言ってしまい・・・。ムサビ日記時代に書いたものがあるんでこれまではそれにリンク張ってたんだけど、もう10年経つし、いい機会なので大幅に加筆修正してお送りすることにしました。
あ、学生時代のことを書いてるので、今と仕組みが随分変わってるし記憶違いもあると思います。そのあたりはご了承くださいませ。
では始まり始まり~。
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教職課程を取ると、4年生になったら教育実習に必ず行かなければなりません。
教育実習とは、教職課程を取っている学生が中学や高校で現地実習を行うことです。
ちなみに私達のころは教育実習だけでよかったんですが、1998年から小中学校の先生を目指す人は社会福祉施設で7日間以上の「介護等体験」が義務づけられました(田中真紀子さんが田中角栄元首相を介護した経験から作ったのは有名な話)。
教育「実習」だけど、介護等「体験」なのが隠れポイントだったりしますね。
皆さんもご存知の通り、ほとんどの場合、教育実習は出身校で行います。
それはなぜかというと、教育実習って受け入れる側(つまり小中高校)からすると、授業がストップ、もしくは流れが変わってしまうので、本当はあまりやりたくないものなんですよ。しかも以前より授業時間が減ってますからね。「卒業生だから仕方ないかあ・・」と受け入れてくれることがほとんど。
「母校で緩く実習するのはどうなのよ。自分とは関係ない学校で厳しぅk教育実習を行うべき」という声が時々出ますが、これは完全に外野の意見で、受け入れる側からすると出身生徒でもない人のために大切な授業時間をつぶすのは嫌なもんなんです。でも先生になるには必ず通らなくちゃいけない道で、どの先生も同じようにお世話になってるから完全に学校の好意で受け入れてもらっているのが実情。
教育実習直前に行われるオリエンテーションでこう説明を受けたのを今でもはっきりと覚えてます。
「先生や生徒の貴重な時間をもらって教育実習をさせてもらうのだから、ありがたく感じなさい。基本的に皆さんは授業のジャマな存在なのだから」と。
今の直前オリエンテーションで指導されるのは「教育実習のことをネットにUPするな」かな?
「WEBに子どもの顔写真を許可なくあげちゃいけない」というのはなんとなく理解できてると思うけど、「相手が限定されてるtwitterならいいだろう」と、SNSに高校や生徒のこと、はたまた教育実習のグチなどを書いてしまってトラブルにるケースがいろんな大学で問題になっています。「生徒とLineする」「メアドを交換する」などもそうですね。
「先輩」ではなく「教育者」としていく自覚が必要だから、「判断できないなら教育実習中はSNSを使うな」と言われてるかもしれません。
教育実習は中学か高校、どちらに行くか選択肢がありましたが、私は迷うことなく中学へ行くことにしました。
高校の非常勤の美術の先生が大嫌いだったんです。
前にも書いたけど、その人がタマビ出身だったんで、だからタマビを受験さえしなかった(笑)
ちなみに中学の美術の専任教員がかっこよく、その人がムサビ出身だったのね。その頃にムサビへの憧れが生まれたんです。
んで実習1年前・・半年前だったかな?・・・に先方へ「伺ってもよろしいでしょうか?」と連絡を取ります。
(教育実習校を決めるのも連絡を取るのも全て学生です。「大学がやってくれるんじゃないの?」とこれをやり忘れる人が時々いるようで・・・)
電話をかけるとラッキーなことに手羽のことを覚えてる美術の先生で、「おおお。手羽かあ。来いや来いや!」と言ってくれました。
その先生の名前はアベ先生。
アベ先生は直接は教わってないけど中学時代にいらっしゃった先生で、手羽が通った画塾の先生のご子息でもあり、ムサビOBでもあり。うん、これはついてる。
画集とか画材とか使いそうな荷物を大量に実家へ送り、
さ。教育実習だ!!
つづく。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。