有田焼とは?
名前を知らない人は少ないだろう、日本を代表する磁器「有田焼」。佐賀県有田町を中心につくられたことから有田焼と呼ばれる。伊万里港から積み出されたこともあり、別名「伊万里(いまり)」とも呼ばれた時期もある。日本国内では最初に生産がはじめられた磁器で、1610年代から始まったと言われる。江戸時代後期に日本各地で生産されるようになるまでは、日本国内で唯一だった。1977年には経済産業大臣指定「伝統工芸品」に指定されている。
400年の歴史の中でも絵付けの方法が変化したり金彩が施されるようになったり、大量生産するために絵柄が簡素になったりと、時代によって様々な変遷がある。特に絵柄の内容はパッと見るだけでも、大きく変化していることがわかるだろう。
今回の展示は、「400年の歴史」と「現代有田の名匠秀作」の2つの切り口で行われる。
有田400年の歴史
400年の歴史の中で、それぞれの時代に応じて人々の生活文化を彩ってきた有田焼。その歴史と時の流れを感じることができる陶磁器ファンの心躍る展示内容。日本の陶磁器文化に多大な影響を与えてきた有田焼400年の歴史を、佐賀県立九州陶磁器文化館 鈴田由紀夫館長及び、有田町歴史民俗資料館 尾崎葉子館長の監修のもと展示する。
左:江戸期「染付山水文大皿 1630~1640年代」(佐賀県立九州陶磁文化館蔵)
中:明治期「色絵花盆草花文菊花形鉢 1870~1900年代」(佐賀県立九州陶磁文化館蔵)
右:戦後「古染風唐草 急須・仙茶・メロン皿 1975年」(華山萬右衛門作)
現代有田の名匠秀作展
現代有田の名匠秀作展で注目すべきは、見えない部分の塗りに全神経を傾け、白抜きを行う技法「墨はじき」。色として表現されない部分に時間と手間を惜しまないことで生まれるこの芸術品は、将軍への献上品として代々受け継がれてきたという。2014年、陶芸家としては最年少の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された十四代 今泉今右衛門氏。
そのほか、出展予定の有田焼作家は38名。有田の伝統を基に新しく花開く、現代作家達の潮流を見ることができる。
展示販売と実演、そして参加型ワークショップ
また、会期中には展示販売と実演、参加型ワークショップも開催される。有田の名窯より選抜された熟練の職人や伝統工芸士が、会期中毎日、ろくろ成形・下絵付け・上絵付けの実演を行い、匠の技で有田焼の製造工程を見ることができる実演は必見。また、伝統工芸士の指導のもとで上絵付けをする参加型ワークショップもぜひ参加したい。
▼展示概要
「400年 有田の魅力展」
日時:2016年2月24日(水)~29日(月)
会場:9階 阪急うめだギャラリー・アートステージ
▼各種ギャラリートーク概要
「佐賀県立九州陶磁文化館 鈴田由紀夫館長によるギャラリートーク」
2016年2月24日(水)14:00〜15:00
「ギャラリートーク 十五代 酒井田柿右衛門/庄村 健/辻 聡彦」
2016年2月27日(土)14:00〜14:30 予定
「ギャラリートーク 十四代 今泉今右衛門/馬場九洲夫/辻 聡彦」
2016年2月28日(日)14:00〜14:30 予定
▼有田焼工房再現
実演内容:ろくろ成形、下絵付け、上絵付け
毎日開催
1.ろくろ成形:11:00〜12:00
2.下絵付け:13:00〜14:30
3.上絵付け:15:00〜16:30
▼上絵付けワークショップ
会期:2月24日(水)〜 28日(日)
参加費:2,700円
時間:①11:00 / ②14:00〜
参加人数:各回8名さま
追記(2月25日夜)
「十五代酒井田柿右衛門氏はタマビ中退、十四代今泉今右衛門氏はムサビ卒」なのだそう。
情報提供は手羽さんより。
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