町を歩いていると、突然作品がある?!
武蔵野美術大学の学生、そしてその周辺に住む人たちが毎年出会うこの美術の光景、「小平アートサイト」を紹介したい。
ちょうど先週公開された小平アートサイトは今年で29回目。武蔵野美術大学と小平市の後援の下、おもに彫刻学科の学生によって運営されるアートイベント。
場所は小平市内にある武蔵野美術大学の最寄り駅である鷹の台駅の周辺をはじめ、すぐ横にある中央公園、武蔵野美術大学へたどる玉川上水、地域センターなど様々なエリアが含まれている。
それぞれの場所に、学生の作品が期間中毎日展示されるこのイベント。
学生に対しては町の中で展示を行える重大な場と同じに、学生と地域の人たちが美術を通してコミュニケーションができる貴重な場面。
毎年小平アートサイトにはテーマがある。
今年は「異彩」、約30名の学生が参加している。
その中の数個の作品を紹介したい!レッツゴー!
最初に、玉川上水を歩いていると、カエルを発見!
黄色の落ち葉の中に溶け込むような木彫のタイトルは「かわづ」。作者の長谷川葉平さんは彫刻学科の一年生で小平アートサイトの参加は初めてだ。学校の課題と違い、とても自由にできたとか。そしてカエルを見つけて「はっ」と驚かせたいと説明してくれた。
次に話を聞けたのはこの小平アートサイトを企画してくれた一人、彫刻学科三年生の佐野いずみさん。
「うねり」という作品は彼女の好きな形を彫り進めたもの。今にも動き出しそうで生き生きしている。一時期幼い子供が作品を転げて遊んでいたという、野外展示でしか起こらない出来事。それを見て面白かった、と佐野さんは言っていた!
最後は毎年印象に残る作品を作っている彫刻学科三年生の田中義樹さん。去年は通りかかった人ならだれでも覚えている不気味なパンダを作っていたが、今年もそれに負けないほどインパクトがある「マルゲリータピザを突き破る人」を石膏、紙、ビニールなどを使い展示していた。
鷹の台駅から出ていく人たちの殆どが二度見するほど「異彩」というか、陽気というか、目立っている作品。本人は世界平和を目指しているらしい。もっと話してみると社会的、宗教的問題などが潜まっている作品と気づいてびっくりした。ぜひ、自分の目で見て解釈してほしい。
そして、実は私もこのイベントにはじめて作品を出してみた!
私は彫刻ではなく、鷹の台駅のすぐ横にある地下通路の壁に絵を描いた。「ハグ」と名付けたこの作品は英語(hug)で抱きしめるという意味。私は10年間海外のいた帰国子女であるため、日本人が全然ハグをしないことに毎日異彩を感じてしまう。
大勢の人、しかも美術に関係を持っていない町の人の中で作品を見せるということは作者、そして見る側にも勉強になると思う。ぜひ、小平アートサイト2015に足を運んでほしい!
・情報・
小平アートサイト2015
日程 2015年11月14日(土)~2015年11月23日(月)
時間: 9:00-17:00
小・中・高をカナダで過ごした英語のほうが得意な帰国子女。時々面白い事をやっている人。