IT企業クリエイターの休日!知られざるもう一つの顔

日々目にしている様々なプロダクト、その裏にはIT企業に勤めている多くのクリエイターたちがいる。しかし、彼ら、彼女の名前が表に出ることは珍しい。そんな70名のクリエイターたちの普段は見れない、プライベートな作品にスポットライトを当てた展示に密着してきた!

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どどーん!はじめまして。武蔵野美術大学油絵学科二年生の安永沙羅ジューストーと申します!

今日は「REFLECTION クリエイターの休日」を見に原宿のデザインフェスタギャラリーを尋ねました。Partner-Webでも取り上げられている記事はこちら

さて、外見から見るとごく普通のグループ展示に見えるが、よく見るとどれもこれもクオリティがすごく高い。いや、本当にうまい。まるでプロみたい・・・と思わせる。はい、実はみなさん本当のプロなんです!

「REFLECTION クリエイターの休日」の参加者は皆IT企業に勤めているクリエイターたち。今回の展示ではインターネット上の様々なwebサービスを手掛けるDeNAをはじめ、gloops、Tokyo Otaku Mode、MUGENUP、SUPERFLAT、誠文堂新光社デジタル・ピクチャーズ、つくる女の6社1団体などなど、様々なメンバーが集まっていた。普段はプロダクトの裏で掛け替えのない活動をしているみなさん。しかしその多くのクリエイション(作品)には名前が表紙されないのが殆ど。その上、企業に勤めているクリエイターの個人の作品が発表される場はない。ということで、「一人でも多く「匿名のクリエイター」がいなくなるように」との思いで企画された今回の展示。クリエイターの休日に密着しました! 

デザインフェスタギャラリーのEAST SIDE と WEST SIDE の複数の展示室を使った今回の展示。贅沢なスペースを本当に上手に使っている、が最初の印象。数々の作品を含むグループ展だが一つ一つの作品がとても見やすいし、キャプションも読みやすい。それ以上、展示に入りたいと思わせる空間になっているのが非常によかった。だからかな?と思わせるぐらい初日なのに大勢の人で空間はにぎわっていた。


  • DeNAの高木正文さんと彼の作品

そんなところで偶然、今回の展示のポスターの画像を描いた高木正文さんとお話しができた。DeNAに勤めている彼は作品を二点だしていた。一つはボスターのイラスト。今回の企画のために考えて描いた作品らしい。私もポスターを見て気になっていた作品だった。聞いてみると、女の子の片方にある白は「仕事」の世界を表したもので、もう片方に見える黒は「プライベート」の世界を表しているらしい。確かに、黒の世界に見えるぐちゃぐちゃな絵の具は自由を感じる。そして白の世界のほうに女の子が手にもっているのはICカードらしい。このディテールはさすがにスマートで笑ってしまった。高木さんが展示されている二枚目の作品は大好きなドラゴンを描いたものだと言う。コンセプトボードに見えますね!とコメントしたら「仕事でコンセプトボードやるときもあるからね」との答え。仕事で身につく技術もあるが、それを自分の好きなものにインプットすることも「休日」にできることなのだなと思った。


  • 高橋一彦さんのアナログ作品

IT企業だとやはりデジタルを使って制作をするのが殆ど。結果、展示にはデジタルで描いたイラストが多かった。そんな中、アナログで描かれている作品が数枚あってびっくりした!高橋一彦さんの作品もその一つ。全てアクリルで描いたという作品は細かいディテールと色彩力に覆われていてとても印象に残った。話を聞いてみると普段は風景を描く仕事をしているとか。この作品から伝わってくる風景、そして世界観への愛は絶対に仕事にでも生かされているのだろうな、と思うとなんかホッとした。高橋さんは企業に入って展示に参加するのははじめてとのことだが、このように仕事とはちょっと違う、個人の作品を見られる魅力が伝わってきた。

更に「REFLECTION クリエイターの休日」では普段の展示では見られないものがもっとあった!


  • すらすらと描いてくれるさわえみかさん

  • 私!

似顔絵ブース!

これは「つくる女」(TSUKURUJYO)のメンバーさわえみかさんが、なんと無料で似顔絵をその場で描いてくれるというブース。しかも、定番なアナログで描く似顔絵ではなく、デジタルで描くもの。しかもプロセスはお客様側を向いているモニターで見られるというおまけ。さっそく私も描いてもらいました。「目力強いねー!」「目を燃やしちゃおう!」とかとか、最終的にすごく似ていた(笑)。似顔絵はツイッターにあげられる形式。これがまさに現在似顔絵アート・・・!


  • Oculusのブース

Oculus体験もあった!

そもそもOculusって知っている?これはゴーグル見たいなものとヘッドフォンを着けて体験するバーチャルリアリティーのこと。簡単にいうと、本当にプログラムで作られた世界、あるいはゲームなどに自分が入っているみたいに感じる機能。そう、そしてこれを使った作品もあったのだ。JM WORKS作、「darkness」という作品。まさかOculusを使ってみたのはこの作品ではじめてだという。気になって私も体験してみた。なんと私が大に嫌いなホラーの世界になっていた。終わった時には汗びっしょりだったほど怖かった。でも、ぜひ体験してほしい!


  • ボックスの中に・・・!

  • ドレスの作品も!?

  • ディテールがすごい・・・

本当に様々な種類の作品が展示されていた。

一人一人、世界を持っていて、作品からは愛を感じた。

「つくるとは?楽しくもある辛くもあるけど、たぶん一生飽きずに続けていくこと」一つのキャプションで見つけた文章。本当にそうなのだな、と思った。

クリエイターはどんな企業に入っても、クリエイトすることが好きだから仕事も自分の作品も続けていける。仕事になると好きな物ばかりは描けなくなるが、それでも今回の展示に個人の作品がこれほど集まったということはまだまだクリエイターとしての根っこ、そしてきっかけを皆まだ大切に持っているのだなと思った。 

「REFLECTION クリエイターの休日」では見ているほう、そしてきっと作ったほうもそんな確認がとれたのではないだろうか。


  • イラスト集も販売中!

▼展示概要

REFLECTION -クリエイターの休日-
公式サイト:http://reflection-info.com

会期:2015年11月13日(金)〜11月15日(日)
時間:11:00 - 20:00(初日14:00-/最終日-18:00)
料金:入場無料
会場:「デザインフェスタギャラリー原宿 EAST/WEST」
   明治神宮前駅5番出口より徒歩5分
   原宿駅より徒歩9分

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STUDENT WRITER

安永沙羅ジューストー / yasunaga sara giusto

小・中・高をカナダで過ごした英語のほうが得意な帰国子女。時々面白い事をやっている人。