品田遊。
東京都在住。過去には漫画『くーろんず』を出版。
「もともと識字能力があったので本を読んでいたし、高校時代はなんとなく文芸部に所属し、民家にオットセイが侵入してくる短編などを書いたこともあるが、書くのが趣味というわけではなかった」
そんな彼が、小説『止まりだしたら走らない』を出版した。小説家デビューだ。
どんな小説を書いたのか?
まずはぜひサイトを見て欲しい。
→サイトへ
凝ったつくりのこのサイト。
現代文のテストみたいだ。
まさか小説のPRサイトと思えない。
でも、作品の試し読みになっている。
彼が小説を書くことに決めたのは、ツイッターをキッカケに声をかけられ、「かけば?」と言われたから。自分で書こうと思ったわけじゃない。「何事にもモチベーションに欠け、必要に迫られるとやるタイプなので、周囲の環境が小説を書くように要請してきたことが書くきっかけとしては大きい」と。
なんだか、小説に傾ける情熱が燃えたぎるわけでもなく、力の抜けた感じがいい。
編集者がツイートのなかに見出した
笑いと情緒、人を感動させるもの
ところで、やはり編集者というのはすごい。
「小説家になりたい!」と燃えたぎる情熱をもっていたわけでもなかった、そんなダ・ヴィンチ恐山のツイートを見て、「書いてみないか」と声をかけたのだ。
佐渡島さんは、彼のツイートの何に可能性を見出したんだろう。
「ツイッターの投稿が笑えるだけじゃなく、時々見せる情緒的な面があり、人を感動させる一文を小説の中で書けるとおもった」
のだという。
品田さんは
「声をかけられたときは『へぇ~』と思った」
という。
このリアクションに、彼の奢らず淡々と自身のアウトプットを続ける様子が感じられる。
それにしても、ツイッターというプラットフォームに、並々ならぬポテンシャルを感じざるを得ない。6万6千を超えるフォロワーを抱えるダ・ヴィンチ恐山。
「ツイッターは良くも悪くも長くいすぎて、
どんな場かを考えることすらなくなってしまった。
独り言とコミュニケーションのいい所どりをできるところはとても便利だが、
そのせいで独り言もコミュニケーションもヘタになった気がする。
コミュニケーションはもともとヘタだったかもしれない」
一度きり記憶に残る「生のイベント」を
大喜利などのゲストではイベント経験があるものの、自分が主役になる事が得意ではない品田遊/ダ・ヴィンチ恐山が初めて自身主催のイベントに登場するらしい。最近はどんな情報もネットに半永久的に残ってしまうが、生のイベントは一度きりで記憶だけに残るから、「気が楽」。「自分たちだけがこの場でこれを見た」という特別感を、お客さんには提供したいと意気込む、品田遊、小説家としてのデビュー戦。
誰よりも早く、この新鋭若手作家・品田遊をチェックしてみては。
ちなみに、主役になるのは好きではないということだったので聞いてみた。そしたらやっぱり!
「もちろん、生きている人間と向かい合わなければいけないプレッシャーもあるが、そこはごまかして、平気なフリをする」と、ちょっと緊張の様子も!?
▼イベント概要
7月に小説『止まりだしたら走らない』を刊行したばかりの新鋭若手作家、
品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)が豪華ゲストとともに小説の未来をアレします!
「小説の未来をアレするナイト(仮)」
日時:2015年11月16日(月)OPEN 18:30 / START 19:30
入場:前売¥1,800 / 当日¥2,000(税込・要1オーダー500円以上)
※前売券はe+またはファミリーマート店頭にて
出演:品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)(御用作家)
ゲスト:川田十夢(AR三兄弟)、ワクサカソウヘイ(コント作家)
勢いで小説家になってみたはいいものの、「小説」がさっぱりわからない。
文字の周辺をウロウロしている3人が、企画を通して小説をいじり倒す!
予定企画
・歴史小説を適当に書いてみる
・文学になる比喩表現、ならない比喩表現
・名作小説を混ぜて超名作を作ってみよう(他)
→詳細はこちら
執筆:上野なつみ
協力:株式会社コルク
PARTNER編集部より、美大生や卒業生にオススメのニュースを配信しています。展示情報やイベント情報、学校や学生にまつわる情報を提供します。