【速報】Tokyo Midtown Award2015授賞式に行ってきた

若手男性広報スタッフは「篠崎愛さんに会える!」とシブカル祭の取材に行きやがったので、残ったおっさんチームでこっちにいった手羽です。(実話)

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ほんとは2つに分けるボリュームなんですが、芸祭とかネタが詰まってるので1記事にさせてもらいます。


昨日はミッドタウンアワード2015の授賞式がありました。

ミッドタウンアワードはデザインコンペ部門とアートコンペ部門に分かれてて、若手育成が目的のため「39歳まで」という応募制限がかかっています。
ちなみに広報スタッフから「手羽さんは事前に受賞者わかってるんでしょ?」と聞かれたんだけど、全然知りません。アートコンペは2次審査が公開だったんで、
Tokyo Midtown Award 2015アートコンペ2次公開審査会に行ってきた
上位12名のプレゼンは見てるし、2次審査通過した最終上位6名は
【アートコンペ】最終審査に進む6作品が決定しました。
既に発表されてるから、この中の誰かがグランプリになることはわかってるんだけど、デザインコンペは全く情報がないんです。


大学での打ち合わせが長引き、そして高速が渋滞だったもんで手羽は20分ぐらい遅れてミッドタウンに到着。

久しぶりにいったミッドタウンはグッドデザイン展の色が濃くなってました。もうすぐですもんね。(このネタもそろそろ書かなくちゃいけない・・・)

去年の授賞式はホールで行われたけど、今年は以前のパターンに戻って地下1階 意心帰(白い大きな石)前のスペースでした。手羽もこっちの方が好きです。

今年のトロフィは小山 薫堂さんディレクション、鈴木啓太さんデザインで、中には長期熟成に耐えられる最高峰の日本酒「満寿泉プラチナ」が入っているそうです。
ちなみに小山薫堂さんが審査員コメントで
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時節柄、今回の審査で例年以上に時間を費やしたのが「類似作品チェック」だった点が最も印象的だった。デザインの解釈って難しいですね。
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とおっしゃってます・・・。



まずはデザインコンペの各賞発表。


佐藤卓賞は、竹尾 太一郎さん・竹尾 梓さんの「はしおきガム」。

竹尾夫妻は東京造形出身かな?


柴田文江賞は、橋本真実さんの「日本古紋様写飾紙」。

橋本さんはムサビ工デ卒だったりするかしら。ほんとに情報がなく。誰か教えてください・・。
*追記:
工デ卒でした!やった!!おめでとうございます!!!


原研哉賞は、遠藤 生萌さん・池ヶ谷 優子さんの「充電ざぶとん」。


  • ちなみにさっきから画面に見切れてる頭は小山薫堂さんの頭です(笑)

お二人は千葉大学卒のようですね。


水野学賞は、吉田茉莉さんの「縦書きレシート」。


  • お着物がとっても素敵でした

吉田さんは東海大卒。


そして小山薫堂賞は、小川貴之さん、 山本絵理香さん、市川直人さんの「ねこ寿司」。

小川さんたちは「落雁ポーション」で優秀賞も受賞してたんで、珍しいW受賞です。
小川貴之さんって、もしかしてタマグラ卒で、2年前ぐらいに口の作品作った彼なのかな?
ちなみに小山薫堂さんが「落雁ポーションってもうあるんじゃね?と思っていろいろ調べたけど、ないんだねー」とおっしゃってました(笑)


準グランプリは、清水覚さん・山根準さん・菅原竜介さん・上久保誉裕さんたちの「浮世絵プチプチ

昔の浮世絵がどのように使われてたかを知ってると、「なるほど。うまいなあ」と感じる作品。

・・・清水覚さんたちもタマビ卒ですね・・・・。
あかん。今年もムサビ全滅パターンか・・・・時代はなんだかんだタマビなのか・・・。
これだけミッドタウンさんのためにいろいろやってるというのに、この仕打ちはどうなんですか・・・。


そして、栄えあるグランプリは吉田 貴紀さん・栗原 里菜さんの「ことはね

作品コンセプトを引用させていただきます。
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国旗模様の羽は「私はこの国の言語を話せます」という表明。胸元や帽子にファッション感覚で身につければ、日本へ訪れた外国人観光客に向けて、さりげなく手助けの意思を伝えることができます。知らない土地を旅する人にとって、母国の国旗模様は、ほっとする目印になるのではないでしょうか。言葉の壁をふわりと飛び越え、世界中の人に日本を楽しんでほしい。そんな気持ちを「身にまとうおもてなし」として表現しました。
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デザインコンペ初の審査委員満場一致によるグランプリだったそうです。
確かにコンセプトもアウトプットもすごくわかりやすいし、やはりこの中だとダントツにこの作品ですね。


はい。栗原里菜さんはムサビ卒なんです!
これまで準グランプリは何度か合ったけど、ムサビ卒の方がデザインコンペのグランプリを獲ったことはないんじゃないかしら。

きましたね。きまくりましたね。

佐藤卓さんによる総評。

佐藤さんもおっしゃってましたが、ミッドタウンアワードデザインコンペは、「アーバンなデザイン」でもなく、といって「オサレな雑貨・文房具」のデザインでもなく、ちょうどその間、ユーモアがあってクスっと笑ってしまい、使ってるシーン・起きた出来事をいろいろ想像でき、みんなをハッピーにするようなコンセプトのデザインコンペになってきました。
来年応募する方はぜひそのあたり考慮するといいですよ。

ちなみにデザインコンペ受賞作品は、商品化・現実化が検討されます。
今年も商品化される4点が発表されました。
【デザインコンペ】Tokyo Midtown Award受賞作品4点の商品化が決定!
「落雁ポーション」は来年商品化され、「ことはね」はミッドタウンで使われるかもしれません。


ただ。
手羽ちゃんアワードデザインコンペグランプリを出すとしたら、冒頭で紹介した小山さんのトロフィかな。
「今ではない、いつか飲んでほしい」ために造られたものだけど、その「いつか開封する時」とはどんな時なんだろう。
オリンピックエンブレムに選ばれた時なのか、コンペ受賞者どうしが結婚した時なのか、死の間際のベットの中で「あ、あ、あれを飲ませてくれ・・・」とつぶやいた時なのか、家飲み会でお酒が足りなくなって「あ、そういえばあれがあったっけ」と開けちゃった時なのか、授賞式が終わって「こんなのを引きづる方がかっこ悪いぜ」と帰りの駅で飲んじゃう時か、落っことして割っちゃった時なのか・・・・・そのシーンやその人の人生をいろいろ想像できる面白さがあり、まさにデザインコンペの今のコンセプトに一番マッチしてるのが、あのトロフィなんじゃないかと。
小山さん、なにかあげますので連絡ください(何様)

原先生、柴田先生は授業のため欠席されたんで、受賞者パーティ会場でビデオコメントが流れました。ムサビは来週から芸術祭準備期間に入るもんで、この金曜日は先生も学生さんも忙しい時期でして・・・どうもすいませんでした・・。



次はいよいよアートコンペ部門の発表。
アートコンペは2次審査を通過した上位6名が実物を作り展示し、そこで最終審査され、グランプリ・準グランプリ各1名、優秀賞4名が選ばれるステップ。


優秀賞1人目は、風間 天心さんの「Ebb」。

神棚以外は全部水引でできています。
風間さんはムサビ卒です!

実は・・・2次審査を見た時に風間さんがグランプリ獲ると思ってまして・・・圧倒的な作業量と質が伝わってくる作品ですから。
なので今回大学広報スタッフに「多分風間さんがグランプリだから取材に来てよ。手羽のアートセンスを信じてさ!」とお願いしたの。若いスタッフはシブカル祭に行っちゃったけど(ぼそっ)
最初に優秀賞で名前が呼ばれた時は愕然とし、広報スタッフの顔が見れませんでした・・。
でも、おめでとうございます!!


優秀賞二人目は尾花 賢一さんの「グランドライン

尾花さんは筑波大出身で、LUMINE meets ART準グランプリなどを受賞されてる注目株の作家さんです。ただ尾花さんの作品は、ここよりギャラリーとかの方が作品が生きるんじゃないかと個人的には思いました。



3人目は阿部岳史さんの「DEADPAN」。

阿部さんは東北芸術工の彫刻出身。


4人目は三上 俊希さんの「未確認生命体

三上さんは現在愛知県立芸大の大学院生。

 

・・ん。待てよ・・・・これ、もしかして、もしかしたら、もしかしちゃうんじゃない?・・・・。

いよいよ準グランプリの発表。

ムサビ建築大学院の上坂直さんが受賞しました!
やりおった!!(涙)

2次プレゼンの時も審査員のコメントがかなり好印象でしたからね。
風間さん含め最後の6人には残ると思ってたけど、まさか準グランプリを獲るとは思ってなかったのです。ごめんなさい・・・美術って奥が深いなあ・・・。

デザインハブの方から「最近、ムサビ建築、特に若手がきてますね」と言われながら、第15回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展出展作家に選出された増田信吾さんの話になったんだけど、うん、ほんとにムサビ建築きてますな。
いい流れだ。


  • 2次プレゼンの時はムサビの廃棄ロッカーをそのまま使ってました(笑)もちろんこれは違います。

上坂さん、おめでとうございます!!

両コンペに二人ずつ入り、グランプリと準グランプリ。
いやー、来ちゃったね。来てしまったね。ムサビの時代が。


あ、グランプリは愛知県芸卒の田島大介さんの「五金超大国Ⅱ」です。


  • この大きな絵ですが、


  • 狂気を感じるほどの緻密な絵なんです・・・

アートコンペ審査員の土屋先生から総評。


最後に受賞者で記念集合写真を。

デザインコンペ受賞の皆さん。
おめでとうございます!!

アートコンペ受賞の皆さん。
あらためて、皆さんおめでとうございます!!


公式カメラマン
では、アートコンペ部門の方は表現者ですから、体で受賞の喜びを表現してください。はい!

随分ムチャブリするカメラマンだなあ・・・。

それに対応する皆さん。
さすがだ・・・手羽はこの表現力がないんだよなあ・・・・。

デザインコンペ・アートコンペの受賞作品は東京ミッドタウン地下1階で11月8日まで展示されてますのでぜひご覧くださいまし。

なお、公式な結果発表はこちらをご覧ください。
Tokyo Midtown Award 2015 各賞が決定しました。

来年この場所にいるのはあなたかもしれませんよ。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。