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「学生×編集者」から見える新たな可能性
現役の大学生でありながら、出版業界と密接に関わる活動を行う学生編集者たち。紙とWebを自由に行き来するデジタルネイティブである彼・彼女らは、活動を通じ、どのような可能性を見出そうとしているのか。
「自分も本を書いてみたい」と思われるような場づくりを工夫
——まずは自己紹介も兼ねて、所属団体の活動について教えてください。
徳田:私が所属している「Student Freepaper Forum 2015(以下SFF)」は、“制作者一人ひとりにスポットをあてる”を理念に掲げて活動しています。年に一度、学生が制作するフリーペーパーを全国から100誌以上集め、学生フリーペーパーの魅力や制作者の多様な熱量をみんなで共有するイベントを開催しています。私は「SFF」加入以前、学園祭の実行委員として学祭パンフレットを作成しており、企画することに興味があったので、「SFF」に入りました。
小倉:「PARTNER」は美大生が美大生のためにつくる総合メディアで、今年で9年目を迎えます。紙とWeb、イベントという3つを軸に活動をしていて、私は8年目から参加して1年半ほど、デザイナーとして誌面のデザインを担当しました。2015年4月と7月に発行した35号と36号では、アートディレクターとして誌面全体のデザインに携わりました。
田中:「出版甲子園」は、全国の学生から本にしたい企画を募集し、商業出版へつなげるサポートをしている団体です。僕自身は、ベンチャーの出版社でインターンシップをして実際の編集者の方々のお話を伺ったり、その経験が楽しかったこともあって、編集に興味を持ちました。そして現在は編集局の局長をやっています。
——それぞれ団体では、イベントという“場を編集する”ことをされていますが、その際に意識しているのはどのようなことですか。
徳田:フリーペーパーの制作者と読者が、分け隔てなく同じ立場で参加できるような場づくりを目指しています。一昨年まではコンテストを開催し、どんなフリーペーパーがもっとも魅力的なのか、順位付けをしていました。ですが、「様々なフリーペーパーをそのまま提示することで、より多くの人に多様な価値観を感じてもらいたい」という思いが生まれ、“価値観を切り捨てない”ことを重要視するようになりました。それで、昨年からは展示ブースやワークショップ、講演会と、様々な形で熱量を感じてもらえるような場にリニューアルしたんです。イベントというリアルな場だからこそフリーペーパーのような一方的な発信ではなく、参加者とのインタラクティブな交流ができるように意識しています。
田中:「出版甲子園」は3次審査までは企画書のみで審査をします。そして、最終審査である決勝大会は、会場を借りて企画者によるプレゼンバトルを行います。決勝大会はプロの編集者である審査員の方々に加えて、観客の方々にも投票に参加してもらうのですが、プレゼンを見た学生に「自分も本を書いてみたい」と思ってもらえるような場にできるよう工夫しています。
小倉:学生のつくった作品をプロのクリエイターの方々に直接講評してもらう「持ちこ込みナイト」というイベントを開催したときは、“学生に夢を実現してほしい”という思いのもと、学生が憧れるクリエイターの方をゲストにお呼びしました。自分たちが制作した作品やポートフォリオをプロのクリエイターの方々から直接講評してもらい、受賞した学生には6次元という場所で個展を開催できる機会を設けるなどの工夫もしました。学校にいるだけでは味わえないような、学生が社会と通じる場を提供するということを意識していました。
徳田:個人的に何か一つのテーマについて、学生と社会人の方が一緒に考えられる場があったらいいな、と思っているので、いつかそうした場をつくってみたいですね。今は学生相手の活動でメンバーも学生だけなので、良くも悪くも学生の視点しかありません。様々な立場の人が同じことを考えて話し合う機会があれば、活動としても新たな可能性が生まれるのではないかと感じています。
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気になる続きは、編集会議2015年秋号に掲載されています。
今回の企画の他にも、今注目を浴びている又吉直樹さんの担当をされた編集者の方へのインタビュー記事や、SFFのイベントでもご登壇して下さったコルク代表の佐渡島庸平さんのインタビュー記事なども編集会議2015年秋号ではご覧いただくことができます!
また、“編集”という分野に深く精通していない私でも、とても読みやすく、“編集”という分野にさらに新しい魅力を発見することができました。
是非お手にとってご覧下さい!
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執筆 小倉裕香
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