こんにちは。
そろそろ夏も終わろうとしていますね。室温40度を超えるスタジオの中で意識が朦朧としながらの壁作りともお別れできそうです。自然の猛威を感じながらの作業は、普段どれだけ恵まれた環境で生きているのかを再認識させてくれました。つまりエアコンはないと死んでしまうということです。
宝田スタジオはぼろぼろの一軒家をスタジオ(アトリエはフランス語。スタジオのほうがオシャンティだから僕らはスタジオを採用。ちなみに日本語だと画室。)にリノベーションしている最中です。この投稿では一体スタジオをつくるのっていくらかかるの?という素朴な疑問に答えようと思います。他と比べてみても宝田の物件は格安だとは思いますが、他にこんなこと書いてるとこもないと思うので何かの参考になれば幸いです。
ところでなぜ普通の一軒家をリノベーションすることになったかというと端的に安く済ませたいということにつきます。そしてできるだけ都心にスタジオを持ちたいという願望もありました。7人くらいの制作スペースを確保できて、なおかつ都心部で、ということを考えると一軒家のリノベーション以外に選択肢はほぼありませんでした。いくつかスタジオにできそうな物件を見に行ったのですが、初期費用に60万とか余裕でかかるものばかりでした。どうやら住居物件ではないものの多くは初期費用を多くとるようです。まあ夜逃げ対策みたいのものなのでしょう。
そんな中、東京R不動産でたまたま見つけたのがこの物件。品川区大井町。渋谷にも10分くらい。駅からも近いし、何よりも3ヶ月フリーレントで、月の家賃が90,000円。さらに初期費用も礼金のみの90,000円と格安でした。
もうここしかない感じで内見しに行ったのですが、家の屋根がところどころなく、二階の一部は床がありませんでした。しかし僕らが持ちうるものはお金ではなく情熱のみでしたので、なんとかなるだろうと契約。これが2014年6月のことです。そこから血で血を洗う泥沼のガチリノベーションが始まったわけです。
月の一人あたりの家賃
さて、ようやく本題ですが家賃は月90,000円です。現在メンバーが7人いるので単純に割ると約13,000円になります。しかし間取り的にも、制作内容的にもスタジオを均等に割り振りして使うわけではないので、ある程度メンバー間に差を設けました。僕が使う二階の白壁エリア、絵画制作のスタジオを使用するメンバーは月14,000円に決定しました。また光熱費は大体4,000円から5,000円の間。一人あたり高くて700円ちょいでしょうか。なので合計すると僕は月に14,700円ほどでスタジオを持てていることになります。駐車場より安い。
リノベーションにかかった費用
まだまだリノベーション中なのですが、現在までに家賃、また光熱費以外でかかった費用を合計すると602,000円でした。
これは主に材料費、そしてぶっ壊した壁などを捨てたゴミの回収費用になります。
まず、一階に居を構える村上と坂爪はそれぞれのスタジオをそれぞれで改装しました。そして上の絵画ブースは飯塚、上原、小杉、鈴木、山脇の5人で材料費を割る計算になっています。
材料費は主に木材、石膏ボード、垂木、ビス、パテ、ペンキ、遮音シート等です。壁をぶち抜いて、そこに垂木でレベルを合わせOSB合板、石膏ボードという順で打ち付けています。途中友達の資材をおすそ分けしてもらったりしました。また考えられる最安の構成で壁面を作っています。
次にゴミ捨てですが、特に石膏はそのまま捨てることができず、業者に回収を頼まなければなりません。住んでいる区にもよりますが木材は小さく切ってゴミに出せば通常の燃えるゴミとして出すこともできます。産業廃棄物としての回収費用は大体15,000円/m3くらいでした。
詳しい内約を見てみましょう。
村上ブース 186,000円
坂爪ブース 91,000円
絵画ブース 325,000円 (主に3人+2人)
ゴミ回収費(全ブース) 230,000円
特に村上ブースは家具を作成するため防音のための資材、床の整備費、坂爪のブースはろくろ、釜の設置などの費用がプラスでかかってる感じですかね。二階の絵画ブースはほとんど壁面を建てる費用です。そしてそれぞれのブースにゴミの改修費(一人3万ちょい)が均等に足されています。
僕は絵画ブースで、今まで合計75,000円の出費ということになります。主に3人というのは壁面を使用する人間の数です。ですので後の2人は壁面組よりも少し払っている金額が少なくなります。
まとめると
全体での改修費合計は602,000円、僕の個人合計は75,000円でした。んでもってランニングコストが月15,000円ほど。思ってたよりも全然安かった、、。単純に比較してもあんま意味ないとは思いますが、大学の近くで借りていたスタジオは6畳の部屋に白壁があって月29,000円とかでした。ここは出来上がっていたので初期費用はなし。けど狭かった。また、宝田の場合は本当壊すところから始めたので、他のところでコストはかかっているのですが。(ここらへんは相当見積もりが甘かった)それを差し引いてもこれだけのスペースをこのコストで維持するのはそんなに見当たらないと思います。
しかしながら、まだまだリノベーションは終わっていません。去年の6月から契約を開始したので、一年と三ヶ月たったというわけですがようやく制作ができるかなというところです。
具体的に何が終わっていないかというと、
● 屋根 → ところどころ開いている → とりあえずブルーシートかけてる状況 → 台風とかくると雨漏りする → ジブリ!
● 照明 → 今後ギャラリーのように展示空間としても使うことを想定しているので蛍光灯と、スポットの設置を予定
● 一階のリビング(共用スペース周り)→ 今は僕の絵が詰め込まれていますすみません
庭 → 結構広いのに今ゴミと蚊しかいない
● 外観 → なんかシャレオツにしたいけど優先度めっちゃ低い
という感じです。特に屋根問題は深刻で、職人さんに見てもらったところ100万くらいはかかりそうとのこと。ヒャクマン!どうやら規格のものではなく、その屋根のサイズに合わせて瓦をのせる土台作りが必要とかでなんじゃそりゃ。もう国家レベルの某炎上案件と同じ問題を抱えているわけです。屋根ってお金かかるんだねって。僕らにとってのヒャクマンと、2500億?は同じようなもんです。僕らも白紙に戻しましょうか。
最後は愚痴に近くなりましたが、とりあえず以上になります。今後完成するまでにかかった費用も追記できればと考えています。また、屋根に関する知識、アイデア、また1550億円(上限)等ございましたらお気軽にご連絡下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。
執筆者:鈴木 秀尚(画家 / フロントエンドエンジニア )
@suzukihidetaka
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転載元:
「朽ち果てた一軒家をリノベーションするのにいくらかかったのかまとめ」
本記事は「宝田スタジオ」から提供を受けております。
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