【モデルもやった】広島県立熊野高校と広島市立基町高校に行ってきた

2026年3月28日(土)

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3月26日(木)、手羽は朝1で広島空港到着。
某所に立ち寄ってから、

広島県立熊野高等学校へ。
「熊野筆」が有名な熊野に位置する県内唯一の芸術類型がある高校で、音楽、書道、美術、アートディレクションの4つのコースがあります。
あ、有吉弘行さんの出身校ですね。

新2,3年生に1時間ぐらいガイダンス・・といっても、ムサビの詳細な学科紹介や入試制度を解説しても仕方ないので、こういう場では「東京の私立美大に行く意味」をメインでしゃべるようにしています。まずは東京へ行くことのハードルを少しだけ下げたくて。

そのあとは、参考作品を持ってきてたのでそれを見てもらうことに。
ほとんどの生徒さんが初めて合格参考作品の実物を見たようで「え。これを3時間で描いてるの?・・」と。

生徒さんと雑談とかも含めて1時間ぐらいやってたかな。
素朴な生徒さんばかりで、また訪問したくなりました。
 
  
3月27日(金)。
この日は油絵学科・小尾修先生、広報スタッフと一緒に

2000年にできた校舎がほんと立派で、大きな吹き抜け構造になっていて、ムサビ10号館を豪華にしたような感じ。設計は梅田スカイビルや京都駅ビル、札幌ドームなどをされた原広司さん。
ちなみに映画「君と名は。」の瀧が通う高校の校舎内のモデルと言われます。(立地は新宿高校ですが)

なんと校舎内にエスカレータもあるんですよ。公立高校でエスカレータがある高校って基町高校ぐらいじゃないかしら。

下が隙間から見えてしまう高所恐怖症にはたまらないブリッジを渡ると、

創造表現コースがある西棟に。

設備がとにかく立派で、公立美大に入ったら「あれ。高校の設備の方がよくね?」となりそう(笑)
 
と、ここでハプニング発生。
会場を作ってる時に小尾先生がホテルに今日使うスケッチブックを忘れてしまったことが判明。
荷物があったからシェアカーを借りてたんでホテルに戻ることは可能ではあるけど、開始時間までに戻ってくるのはかなり厳しそう。
なので広報スタッフ運転で小尾先生と一緒に戻ってもらうことにして、手羽がそれまでの場をつなぐことに。
急遽10分ぐらいのスライドを作って、「よっしゃ!かかってこいや!!」と鼻息荒くしてたら、開始1分前に小尾先生たちが戻ってきた。完全にしゃべるモードになってたけど、無事でよかった。
 
なんやかんやありましたが、定刻で開始。

小尾先生による模擬授業で、「グリザイユの描き方実習 簡易版」てな感じかな。
レクチャーやワークショップぐらいのことは高校でもやるんですが、油絵の具を使ったかなり本格的な高校での実習って、手羽は初めての経験。

最初に小尾先生が実演されて、これがほんと見てて凄かったんすよ。

お手本で球体をものの5分ぐらいで描いて、

こういう絵が完成したんです。
生徒さんはもちろん、それを見てた高校の先生、広報スタッフ、手羽も全員「しゃべりながら5分ぐらいでこのレベルの絵が描けちゃうの?・・・す、すごっ・」と。

油絵具の弱点は「乾きにくい」だけど、それはメリットでもあり、画面上で色を合わせていくことができちゃうんですね。パレットで色を作るのではなく画面で作っていく・・・手羽も油絵学科を受験した人間なんで最低限の知識はあるけど、正直「こうやって描くのか」と初めて理解しました(笑)
こういうふうに教えてくれてたら油絵受かってたかもしれないなあ・・・。
ロジックがわかれば油絵ってすごく面白いもので、見ながら「あ。油絵を描くのってすごく楽しそう」と感じたし、それは生徒さんもそうだったんじゃないかな。
動画も撮りました。

描きだして1分ぐらいで「たったそれだけの線で絵になってる・・」と驚きます。

まずは1枚、同じように球体を描いてみて、油絵の具に慣れる練習。

そしていよいよ本番。
「じゃ次はモデルさんを描いてもらいます。えーと・・・手羽さん、モデルになってくれます?」と突然の無茶ぶり。
でも、手羽は芸術のためなら脱ぐ覚悟はいつでもあります。

いや、物理的には脱がないけども。一肌ね。

ただ、美術モデル経験はこれまで2回あって、一回目は受験の時。
当時は東京造形大彫刻がヌードモデルだったこともあり、画塾で男子受験生だけ夜集まり、交代でヌードモデルになって描きあってたんです。
当時は「そういうものだ」と思ってたから、ヌードになることは全然疑問に感じなかったんすよね。

2回目は学生時代、夏スクーリングのモデルバイト。今は女子頭部モデルしか募集してないけど、昔は男性モデルバイトもあったんです。海パン1枚だけはいて1週間モデルやりました。
 
「さて、ポーズはどうしよう」と考えて、

手羽がムサビ彫刻を受験した時のモデルさんのポーズを取りました。試験では女性モデルでしたが。そうなんです。いろんなことをすぐ忘れるけど、試験では6時間、集中してずっと観察して描いたから頭に焼き付いちゃって、試験時のモデルさんのポーズを今でも覚えてるんですよ。
これは「美大受験あるある」で、小尾先生も「自分の時の油絵学科デッサンはブルータスのド正面だった」とおっしゃってました
 
今回は時間もないので、15分×2ポーズで描いてもらいました。

5分休憩の時に周りの絵をチェック。
1年次に全員油絵を1枚は描いてるそうですが、半分ぐらいは日本画や彫刻、デザインなどの希望者なので油を4枚以上描き続けてる生徒さんは少数。
でも15分でこれくらい描けちゃうんですよね。
 
さ。2ポーズ目スタート。

もう一人モデルさんがいて、この春基町高校を卒業したばかりの生徒さん。
あ。小尾先生はこっちで描いてる。手羽を描いてほしかった・・・。
 
あっという間に2ポーズ目も終了。皆さん、お疲れ様でした!

こちらが小尾先生の描いた絵。
途中、指導しながらやってたから実質20分も描いてないんじゃないかしら。それでこれなんすよ。すごいなあ・・。
小尾先生が描いてるところを見てたスタッフの話だと、生徒さんはチロっとモデルを見たら画面にしばらく向かってる感じだけど、小尾先生はモデル→画面→モデル→画面と視線の移動を頻繁に繰り返してたそう。サッカーでいうところの「首振り」ですね。
よく「ちゃんとモチーフを見よう」と指導するけど、やっぱりそういうことなんだな。

ここからは生徒さんの描いた絵を。


  • おお。似てる!

繰り返しますが、時間は30分だし、これが油絵2枚目という生徒さんもいます。
それでこれだけ描けるってすごくないっすか?
この作品なんて顔を描いてないのに、手羽だとわかる。

2時間の実習でしたが、かなり生徒さんの満足度は高かったと思います。
小尾先生は「ほんとは3時間欲しいところだけど」とおっしゃっていたけど。
 
片付ていたら、「あのー、作品見てもらえますか?」と次々と生徒さんがやってきて、

講評会が始まった。
ほんとは長岡造形大学さんがこの後この教室を使う予定だったけど、教室を移動してもらいました。(ご協力ありがとうございました)

あらかた講評会も終わり、「じゃホテルに帰ろう」と移動を始めたら「アトリエに大きな作品があるんで、それを見てもらえますか」と。
全然大丈夫。そのために来たんだもん(講評をやるのは小尾先生だけど)

基町高校は何度も来てるけど、この部屋に入るのは初めて。

講評も終わり、「今度こそほんとに帰りましょ」と廊下に出たら、筆洗缶を片付けててた生徒さんが「私の絵も見てください。これなんです」と。

筆洗缶を持ったまま廊下で講評。
2時間の訪問の予定だったけど、結局4時間いました(笑)
夏に多分タマビさんと一緒に来ると思うので、その時もよろしくね。
 
 
そうそう。
黒板ジャックの活動を紹介する時に手羽が昔からスライドで使ってるのが、こちらの写真なんですが、

実は2年前に「・・・ん。これよく見たら小尾先生じゃね?」と気が付いたんです。
知らないうちに小尾先生の描いた黒板アートをずっと使ってたというね。
 

 
さて、広島は今日行われるこちらのイベントのために来ています。
広島YMCA芸大美大受験科主催「美術系・芸術系 大学説明会」

●日程:2026年3月28(土)
●時間:16:00-19:00
●会場:広島YMCA2号館4階大会議室
●参加大学:広島市立大学/尾道市立大学/金沢美術工芸大学/長岡造形大学/岡山県立大学/沖縄県立芸術大学/武蔵野美術大学/多摩美術大学/女子美術大学/東京造形大学/東北芸術工科大学/倉敷芸術科学大学/横浜美術大学/比治山大学/基町高等学校 創造表現コース
●参加無料・申込不要・入退場自由


東京4美大がそろってるんで、ぜひぜひ!!

 
以上、熊野高校へ行く前に

これを見てたりするんだけど、それはまた後日、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。