美大生を唸らせる無印良品のデザイン

美大生のなかには無印良品ファンが少なくないはずだ。
シンプルでスタンダード。一見単純に思われるデザインだが、デザインを勉強したことのある人にはわかるはずだ。シンプルが一番難しい。あまり表に出てこないが、無印良品の製品デザインや広告デザインは、実は田中一光、原研哉、深澤直人などの著名デザイナーの目が行き届いている。


無印良品の母体、良品計画という企業の方向性を決めるうえで大きな役割を担っているのが、「アドバイザリーボード」の存在だ。アドバイザリーボードとは、ブランドコンセプトを維持するために外部のデザイナーで構成された組織。現在はグラフィックデザイナーの原研哉氏、クリエーティブディレクターの小池一子氏、プロダクトデザイナーの深澤直人氏、インテリアデザイナーの杉本貴志氏の4人で構成している。毎月1回、ボードメンバー4人と金井政明・会長以下の幹部社員が一堂に会する「アドバイザリーボードミーティング」を開く。

引用元：日経ビジネスオンライン「MUJIデザインが生まれるまで図解で知る無印良品の商品開発プロセス」



そんな無印良品が、生活者とのコミュニケーションの場「Open MUJI Tokyo」をつくる。

情報発信のプラットフォームとして、毎週土日にクリエイターを招いてイベントやワークショップを開催、情報発信をしていくという。その前身となっているのはATELIER MUJI、2011年にスタートしたこの場所は4年間にわたり20以上もの「人と生活とモノ」を見つめる展示イベントを開催してきた。

そのスペースが改装され、今週末9月4日(金)にOpen MUJI Tokyo(東京都:無印良品 有楽町内)として生まれ変わった。



初回企画は名前もコンセプトも素敵な「お直し市場」

ようこそ、お直し市場へ。

壊れても古びても、捨てずに大事にとってある大切なもの、ありませんか？

何気ない毎日を支える暮らしの道具は、多種多様。生活に纏わるさまざまなものの仕組みやお手入れを学び、気持ちよく使うために、いろいろなお直しのプロが集まる市場を開きます。お直しという志を携えた、創造性や確かな技術を擁するクリエイターや職人が、壊れたものに新しい命を吹き込みます。

市場では人、もの、情報が行き交い、活気に溢れています。それらは、どこからともなく現れて、やがて消え、また始まります。ここでは、ものを大事に思う人と人がつながることで、暮らしをもっと丁寧に慈しむ、工夫や智恵や技術や想いを交換できます。

お直しがつなぐ、ものとひと。
たのしく役立つ市場に、ようこそ。

Open MUJI Tokyo




例えば直せるのはこんなもの。

「お直し」の種類は多岐にわたる。今回「お直し市場」に参加するのはクリエイター17組。それぞれのプロが新しい命を吹き込んでいく。スケジュールによって出店するクリエイターが違うので要注意。たとえば、以下で紹介する陶器やファッション小物のほか、ほつれたり穴があいてしまったニットや帽子、家具やざるなど、生活で使うあらゆるものが「お直し」の対象だ。

▼基本情報

会場：Open MUJI Tokyo
会期：2015年9月4日（金）〜2015年11月8日（日）（全66日間）
開場時間：10:00〜21:00　入場無料
お問い合わせ：http://www.muji.net/lab/ateliermuji/

主催｜無印良品
企画・運営｜生活雑貨部企画デザイン室・無印良品 有楽町 Open MUJI Tokyo
展覧会場デザイン｜有原設計室/arihara design
制作協力｜石巻工房