10月30日は武蔵野美術大学創立記念日。
1929年創立だから今年が満96歳で、2029年にムサビは100歳となります。
それを記念して・・・ってわけじゃないのですが、めでたい話題を1つ。
真造圭伍さんの漫画「ひらやすみ」はご存じですか?
阿佐ヶ谷の平屋に住む山形出身のフリーター・生田ヒロトのもとへ、東京の美大に合格した従姉妹・なつみちゃんが上京して共同生活をする話。
すんごい大きな事件が毎回起きるわけではないので、このスローペースな展開に我慢できない人はダメかもしれませんが、のんびりした生活が丁寧に描かれて、疲れてる時、ホッとしたい時に手に取りたいマンガというか。
手羽は2022年に『川島・山内のマンガ沼』で川島さんが「ひらやすみ」を紹介され(その後真造さんの自宅に行ったり、番組でも超プッシュ扱いになってる)、タイトルだけはこの頃から知ってたんですが、あることが判明して全巻集めてしまいました。
ようやく書ける(笑)
それは何かというと、登場する美術大学がムサビそのままなんです。
「武蔵野美術大学」という名前こそ出てきませんが、見る人が見れば「ムサビやん!」なんですね。
例えば、
このコマだと
こんな感じ。でしょ?
これもムサビの人間ならすぐに「鷹の台ホール2階の第1食堂」とわかるはず。
これは少しわかりにくいかもしれないけど、鷹の台ホール1階世界堂の横ですね。
ここは通称「あひる池」。
昔、あひるさんを放し飼いしてたから「あひる池」と呼ばれてたんだけど、あひるさんが亡くなってずいぶん経つから今の学生さんには「あひる池」では通じず、「鯉の池」もしくは「池」と呼ばれてます。
ちなみに東京の美大で鳥小屋や鯉を飼ってる池(噂によるとウナギもいるらしい)があるのはムサビだけなんです。
独特な鳥居の正門といえば、
ムサビなので、これでムサビと気が付いた人も多いと思います。
筆を洗ってるのは、油絵学科低学年が使ってる4号館。
特徴的な三角屋根と螺旋階段がマンガの背景にうっすら見えますね。
芸術祭のシーンも出てきますよ。
正門の凝った装飾も
ムサビ芸術祭の独特な文化でして。
決定的なのがひらやすみ第8巻の表紙が、
1号館から中央広場を見た景色なんです。
原作者の真造圭伍さんは東京造形大卒、真造さんの奥さんである漫画家・谷口菜津子さんはタマビ卒なのに、なんでムサビなのか、これが謎で。
でもムサビはなぜか(知らないうちに)マンガに登場する美大に使われることが多く、「ハチミツとクローバー」しかり、「ブルーピリオド」しかりで、両方ともアニメ化や実写化された時に正式に依頼があり撮影協力したパターンでした。
だから「ひらやすみがもしドラマ化とかアニメ化されるんだったらムサビに声をかけてくれないかなああ」とずっと思ってたんです。
そしてこうなりました。
■鷹の台キャンパスにてNHKドラマ「ひらやすみ」の撮影が行われました(11月3日放送開始)
熱い展開でしょ?(笑)
11月3日午後10時45分から始まるNHK夜ドラ「ひらやすみ」で、1話15分で月~木の全20話。
ヒロト役が岡山天音さん、なっちゃん役が森七菜さんでして、ちなみに森七菜さんはネスレ キットカット 「リトルレター」篇 TVCM
をムサビで撮影してるから、ムサビは森さんにとって2回目のロケ地だったりします。
現在公開されてるカットだと
横山あかりちゃんと初めて会話するこのシーンは
鷹の台ホール1階世界堂の前で撮影されてます。
あ、後ろに「旅するムサビプロジェクト」のメンバー募集張り紙があるの、わかります?
でも、よーーーーーく文字を見てください。「ムササビ」になってるんです。
あくまでも架空の美術大学なのです。
他にも5A号館ピロティ・10号館アトリエ・12号館食堂などで撮影されてるし、ムサビ生がいっぱいエキストラで登場するので、絶対に絶対にチェックしてください!!
以上、
「酒井博基さんから『ナラティブモデル: 一人称視点から始めるビジネスデザインの思考法』を献本してもらったよ!」写真とみせかけて、実はひらやすみの宣伝がメインだった手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。