社会問題の中に見出した、デザインの可能性。だから私はデザイナーになった。

この度日本の裏側でご縁を頂いて、PARTNERさんに記事を投稿させて頂くこととなりました。人生何が起こるかわかりませんね。そう、私は美大卒じゃないのです。なぜそんな私が美大生のウェブメディアPARTNERでライターに?今回は自己紹介も兼ねて、現在の活動をはじめるきっかけについてお話したいと思います。

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  • 写真:ebichileco モネダ宮殿前のチリの巨大国旗

初めまして。
チリでデザイナー活動をしております。
ebichileco(えびちりこ)です。

チリでデザイナーと言っても、
まだ日本からの仕事がほとんど。
チリで知られるデザイナーには
なれていません。
近い将来。。。


ということで、この度日本の裏側でご縁を頂いて、PARTNERさんに記事を投稿させて頂くこととなりました。人生何が起こるかわかりませんね。そう、私は美大卒じゃないのです。なぜそんな私が美大生のウェブメディアPARTNERでライターに?今回は自己紹介も兼ねて、現在の活動をはじめるきっかけについてお話したいと思います。


きっかけは幼少期・学生時代にさかのぼります…(あ、是非お茶でもすすりながら読んでください)

美大のみなさんもきっとそうかもしれません。私も小さい頃から絵を描くことが大好きで、ポスターや校内新聞の作成などがあればいつも周りの友人が私に依頼をしてくれました。
絵が上手いということを評価されるより、私の絵やデザインによって誰かが「見ようとしてくれる・喜んでくれる」という感覚を、昔から自身の喜び・やりがいとしていたのだと思います。


美大進学を悩んだ。でも、私は社会学部へ進学した。
その大きな理由は高校1年生の「留学」経験にあった。


高校3年生の時、先生や両親は美術大学への進学を勧めてくれました。しかし、当時の私は美大進学を選ばなかった。私は自らの希望で、社会学部へ進学しました。
その大きな理由となったのが、高校1年生の時1人でアメリカへ留学した経験です。留学を通して「世界には様々な人たちがいて、様々な考え方がある」と多様性を肌身で感じ、(漠然としていますが)世界について・社会についてもっと学びたいという気持ちが強まったのです。


留学中の3つの衝撃的なエピソードを挙げるとすると…

▼好きな人がゲイだった
当時15歳の私はその事実にただ言葉を失いましたが、周りの友達はそれを当たり前に受け止め、彼と接している姿を目の当たりにしました。

▼ホストファミリーの家のペットが「子ヤギ」だった
ペットがいるよ!…って犬猫じゃないんかーい。って。家に帰ったら子ヤギが庭の草を食べてたんですよね。「ペット」という固定概念を覆させられた瞬間です。

▼1年で10kg太った
自己管理の問題もありますが、食文化の違いを思い知らされました。パーティーでは巨大な円盤ピザを食べて、コーラも毎回LLサイズ!心も体も大きくなった気持ちになりました。


  • 左)Photographyの授業で撮った写真:左が子ヤギのパーシー。右はオーストラリアンシェパードのマギー。右)高校の体育の授業で:既に5kgくらい太った時点での写真。 / 写真:ebichileco


社会学部でいろんな社会の側面を知っていくうち、
ずっと好きだったデザインの力を活かしたいと思うように。


社会学部では、本当に様々な社会の側面について学びました。
自己と他者について・人種について・環境について… 
時には同性愛・人種差別・ゴミ問題・孤独死など…なかなか日常生活では意識していなかった部分について・無意識に目を背けてしまっていたような社会の側面について学びました。(これは今後紹介していけたらと思っています)
それらの単語を聞くと難しく感じるかもしれませんが、実は学べば学ぶほど興味が湧く社会学という学問。もっと知りたい、もっと学ばなければ!と頭を絞って考え込み、難しい文献などを読んでいました。そんなとき、ふと、自分が好きなデザインは難しく考えずに、自然に人の目に止まり、自然に人に興味を持たせる力を持っている…と、デザインと社会学のギャップを感じるようになりました。

(漠然としていますが…)デザインと社会学が結びついたら、みんな「小難しい社会問題」ではなくて「なるほど!社会ってそういう側面もあるな!」と気軽に知ってもらうことができ、もっと日常的に社会について考え、行動を変える一つのきっかけになるのではないか?自分が感じたギャップも埋められるのではないか?と思うようになりました。高校時代から興味のあったデザインと、社会学を学んできた自分の興味が、長年かけて結びついたのです。


  • 絵:ebichileco


デザインと社会学の専門性を活かし始めたのは、
デザインコンサルティング。


もちろん、そんなに簡単に社会問題が解決したり、人の考え方や行動が変わったりするわけではありません。私自身も、社会学についてもっと知識を深めなければならないし、デザインについても学んで表現力を身につけないといけないと思っています。しかし、私が学んできた「社会学」に、自分の得意なデザインからアプローチする「デザインコンサルティング」に可能性を見出しています。
まさに社会という森を知り、必要な道をデザインというツールで作っていくということに、幼い頃から抱いていた「自分のやりがい」を見つけられたのです。

現在は、社会・世界の仕組みそのものをデザインして変えていこう!
とするクリエイティブな方々と共に活動を始めました。


現在は、次世代人材塾「適十塾」のバングラデシュと日本を繋ぐプロジェクトのデザインコンサルティングをするなど、社会・世界の仕組みそのものをデザインして変えていこう!とするクリエイティブな方々と共に活動を始めました。社会学を学ぶなかで繋がった人たちとの仕事です。


  • 写真:ebichileco

▽適十塾の活動の一環である
「わらじ作り」


世界最貧国と言われるバングラデシュで生産した布わらじを、日本の皆様へお届けするプロジェクト。
私自身もバングラデシュに渡り、現地の女性にわらじの作り方を教えました。ものづくりの楽しみと、世界の仕組み作りの楽しみを実際に肌で感じた経験です。

詳細:わらじブランドami tumiのサイト



美大生のようにデザインを極めてきたわけではないけれど、違う専門性をもっているからアウトプットできるデザインの領域もあるのではないか。チリという刺激溢れる異国に身を置きながら、国内にいては見えなかった社会問題に改めて目を向け、デザインというアプローチでどんなチャレンジができるか。

これから南米チリで見聞きしたものを紹介したり、自分自身の活動についても紹介していけたらと思います!


Hasta luego!(また次回!)

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OTONA WRITER

ebichileco / ebichileco

ebichileco(えびちりこ) 一般社団法人TEKITO DESIGN Lab 代表理事/クリエイティブデザイナー 立教大学社会学部を卒業後、商社系IT企業勤務。2015年チリに移住し、デザイナー活動を開始。「社会課題をデザインの力で創造的に解決させる」を軸に、 行政・企業・個人など様々なパートナーと組みながら、事業を展開している。