本質を追い求め新しいワークスタイルに辿り着いた人々「株式会社CRAZY」で働くという選択

みなさんはCRAZYという言葉を聞いて、何を連想しますか?「気が狂った」、「熱狂」、「頭がおかしい」、そんな過激な言葉を社名に掲げる『株式会社CRAZY』は、100%オーダーメイドでお客様の願いを叶えるウェディングのプロデュースや、ケータリング、ウェブサービスなどを軸とし、様々なジャンルに可能性を広げている、今、最も目が離せない会社です。 今回はクリエイティブを担当するディレクター林隆三さん、江連有美さんに、お仕事からワークスタイルまで、幅広くお話を伺いました。美大生だけに限らず、仕事をする全ての人に刺激を与えてくれる、お二人の新しい姿勢や考え方を感じてください!

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隅田川とスカイツリーが近くに見える東京の古き良き下町、両国に『株式会社CRAZY』はあります。今年3月に移転したばかりの元工場だったオフィスビルは、広くてなんとも気持ちの良い空間。
そこを行き来する人々の表情には、絶え間ない笑顔が浮かんでいました。
インタビューを受けてくださった林さん、江連さんはもちろん、その空間にいる、打ち合わせ中のスタッフやお客様、全ての人が期待溢れる表情で生き生きとしているのが、私にはとても印象的でした。
そんな、人々から魅力が溢れ出る「株式会社CRAZY」。この会社、そしてこの会社の人々を知ることで、もう一度働くことの本当の意味を考え直してみませんか?
現役美大生、ヤマシタフミがお話を伺ってきました。

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林 隆三(はやしりゅうぞう)
株式会社CRAZY
チーフアートディレクター
インテリアデザイン会社にてオリジナルプロダクトのデザイン・開発、インテリアコーディネートのみならず、ゼネラルな能力も評価され、海外の最先端現代デザイナーの国内プロモーションを担当した。その後、フォトクリエーションを中心とした間ブランディング集団に所属。アーティストのCDジャケットやPV撮影での美術スタイリング、展示会・イベントでの空間演出を務めた。CRAZYとは創業時の2012年からcrazy weddingの外部アートディレクターとして携わり、仕事を重ねる中で本格的に事業への参画を決断。現在はウェディング等の空間演出を務めるアートチームの責任者を務めながら、オフィス設計、企画のディスプレイデザインなど幅広いジャンルでデザインのディレクションを務める。

江連 有美(えづれゆみ)
株式会社CRAZY
クリエイティブディレクター
美術大学を卒業後、新卒で大手広告制作会社にデザイナーとして入社。職種にとらわれず、企画など根本的な部分から最終的なアウトプットまで一気通貫した仕事をして評価を得る。大手飲料メーカーや保険会社など様々な業種を担当しながら経験を重ねた後、2014年11月よりデザイナーとしてCRAZYに参画。ロゴデザイン、WEBデザイン、ブランディングを手がける。

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CRAZY’s CREATIVE
当たり前と言われている物事をもう一度考え直そう


ーCRAZYのクリエイティブを担っているお二人は、いったいどんなお仕事をされているのですか?

林:「私はアートディレクターとして、CRAZY Weddingの空間のアートディレクションを担当しています。今年に入ってからは、ショー空間、企画・イベント・コラボレーションといったウェディング以外の仕事もしています。今後の展開としては、飲食系の企業の店舗の内装や、商業施設のディスプレイ、デザインを含めたディレクションなんかも増えていく予定です。

ーウェディングに留まらず、いろいろな展開をされているんですね。林さんの代表作品について教えてください。

林:「僕は通常のウェディングはもちろん、企業さんとのコラボでリアルウェディングを実施したりしています。

おもちゃメーカーのバンダイさんとはカピバラさんのファンを対象にウェディングをやりましょうと応募をかけて、実際にカピバラさんの世界観の中で式を挙げる企画「Thankyourise wedding カピパラさん×CRAZY WEDDING」をつくりました。

御殿場プレミアム・アウトレットでは、その施設内で結婚式を行う「Gotemba Resort Wedding」という企画で。アウトレットで結婚式を挙げるというのは話題性があったし、いろんな方が見てくれましたね。

パルコさんでは、30歳前後の元パルコ女子たちに向けて、結婚を機にまたパルコへ帰ってきてもらおうという趣旨で、「NEW STANDARD WEDDING」 という新しいウェディングを提案する企画をやりました。



NEW STANDARD WEDDING|story03 Love_Music

三つの小さなウェディングのストーリーを組みました。
一つ目はお花が好きなカップルが近所のお花屋さんで自分でブーケを作る結婚式。
二つ目は、本が好きなカップルが本屋さんでのパーティーで、来てくれたゲストにピッタリだと思う本をプレゼントし、自分の中で大切にしている本の一説を送り合う結婚式。
三つ目は、音楽が好きなバンドをやっていたカップルで、結婚を機に復活ライブをするという結婚式を想定しました。
その三つのストーリーのビジュアルを実際に作り込んで、その中でパルコにある商材でスタイリングをしたり、ギフトの提案をしたり、というコラボレーションでした。
僕らとしては大きな企業さんと一緒にやるというのは、プロモーションとしても大きかったかなと思いますし、結婚式自体もとてもいいものが出来上がったんじゃないかなと思います。」

ーおしゃれでセンス溢れる素敵な結婚式ですね!こんな結婚式ならやってみたくなります。江連さんのお仕事についても聞かせてください。

江連:「私の方は、CRAZYという自社ブランドのブランディングをすることが主な仕事です。CRAZYの中にはWedding、KITCHEN、WEBサービスの開発などの事業があって、それを統括的にどういう風に外に打ち出していくのかを考えています。最近だとCRAZYのwebのディレクションをしたり、それに伴うツールを作ったりしました。

それから「CRAZY KITCHEN」のディレクションもしました。Weddingでいうと引き出物袋を作ったり、本当に様々なことやっていて、どれか一つだけじゃなくて、全体的なCRAZYの見え方を作っています。」


ーCRAZYの真髄となる、全体のブランディングをされてるんですね。江連さんの代表作品を教えてください。

「私はやっぱり、CRAZYのオフィシャルウェブサイトですかね。最近できたばかりなのですが、オフィスの内装が完成したら(株式会社CRAZYは今年の3月に移転したばかり)トップページの背景にリアルタイムで一日中社内の映像を映し出す予定です。カメラである一点を写して、そこをスタッフが通ったりすることとで、このweb自体がメディアになればいいなって。

ーわぁー!それは面白いですね!完成が楽しみです。


「デザインの話をすると、ウェブサイトのトップでは、CULTURE、BISINESS、WORKSTYLEっていう文字が塗り潰されているデザインになっているのですが、CRAZYって当たり前と言われている色んな物事を、もう一度考え直そうっていうコンセプトがあって、たとえばCRAZY Weddingもそうで、今までは会場が主体だったウェディング業界を塗り替えて、新しいウェディングを提案しているんですね。CRAZY自体にそういう社風があるのでこういうデザインになりました。」



CRAZY’s WORKSTYLE
働くことも、休むことも、旅することも、自分の意志で決める

ーWORKSTYLEといえば、CRAZYには変わった制度や習慣があるようですね。

江連:「グレートジャーニー制度っていうんですけど、社員全員が長期休暇できるという制度で、普通の会社なら『は?一ヶ月休む?ふざけるな!』って感じになるじゃないですか。でもうちではそれを歓迎する制度なんです。」

林:「私は今月末に取る予定なんですけど、ニューヨークに行こうかなと。一緒に行くわけではないんですけどメンバー同士でグレートジャーニーの期間が被って、場所が一緒だったりすると、現地で会うことができたり。インターナショナルなチームですね。(笑)


  • 2013年全社員が休業しアルゼンチン・パタゴニアに集合。

今まで、休みといえば週休二日で土日休みが普通だとか平日休みが良いとか考えてましたけど、土日になったら休む、休まなきゃいけないっていう環境は、結果として世の中に休まされるんだって気づいたんです。そのことを職種関係なしにあらゆる働く人たちが誰も気づいていないんじゃないかと思ったときに怖いな、と感じて。

CRAZYでは基本的に、休みたい時に休むんです。もちろん定休日のような日はあるけど、そんなに重要性は無くて。もちろん疲れたから休むっていうのもありだろうし、今から素晴らしいパフォーマンスをするために休息・充電するとか、大切な人と時間を過ごすために休むとか。自分が休むという意思を持っているというのは大きいと思います。よく『一ヶ月も休めるんですか?』とか聞かれるけれど、まさにその反応こそが、既に世間に囚われていると思って。もちろんその休息期間は、価値のある時間にしたいし、するべきだと考えてますね。」

江連:「私は三週間くらい日本でゆっくりしたんですけど、制度を利用して結構みんな世界中に行ったりとかしてますね。その様子を載せられるページもウェブに作ってあります。

あとはCRAZYには全員で自然食のご飯を食べるっていう文化があって、時間を共有することでお互いのコンディションを確認する機会になっています。専属のスタッフが毎日違うご飯を作ってくれるので、写真に撮ってinstagramに上げたりもしています。他にも誕生日担当を決めて、みんなでスタッフの誕生日をお祝いしたり。」


応援されるし応援できる関係の仲間

ー健康的ですし、毎日の食事やイベントも楽しそうですね!そんなCRAZYでお仕事をすることで、自分の生活に与えられた影響や考え方はありますか?

江連:「私、前の会社と比べて働き方がすごく変わったんですよ。大抵こういうクリエイティブ職は、異常な程、夜が遅くて朝が遅いのですが、CRAZYは9時出社でみんなで掃除をしてから仕事を始めるので、午前中の時間ができてメリハリがつくようになったり。ライフスタイルが変わったことで、頭がすっきりしている時間が増えて、デザインをする姿勢が変わったし、前とは違うサイクルでやることによって面白い相乗効果が生まれたかなと思います。」

林:「僕は、今は仕事が好きで楽しいので時間的にも仕事を優先できていて、これがベストという形で楽しくやれているんですけど、この先家族ができたりしてライフスタイルが変わる時も、ここでなら柔軟に適応して仕事ができるし、応援してもらえるし、応援できる関係だと思うんです。

CRAZYの経営の優先順位は、まず個人にあって、次に人間関係、次にビジネス。ビジネスより先に仲間があるのはとても素晴らしいことだなと常々思っていますね。
社員の健康が一番の優先順位にくることがすごいと言われたりもしますけど、本当は普通でありたいことなんですよ。だからといってビジネスをないがしろにしているわけではないです。

今の仕事をしていて思うことは、何時から何時まで働くっていう就業時間があるけど、必ずしもこの時間の中で良いアイデアが浮かぶわけではないし、特にこのクリエイティブの仕事でそういうことを言っちゃうと、24時間中が仕事になってキリがなかったり。でも締め切りだからって言って終わらせると、妥協っていうことにもなりうるので、時間も自分でコントロールする、マネージメントするということがとても重要だなと思っていて、24時間働くことが良いとは思わないけど、就業時間内だけで働くことが仕事だとしたら、それはやらされていることなのかなと思ってしまうんですよね。

就業時間内だけがアートディレクターなわけではないし。寝る直前に良いアイデアが降りてくるときとかもあって、一般的には『そんな時間まで仕事してるの?』って思われるかもしれないけれど、こっちとしては『仕事というか神様待ちです』みたいな感じなので。価値観にもよると思うけれど、それを仕事と捉えるかライフスタイルと捉えるのかは人それぞれだと思うんです。うちの中でもキッチリ時間に合わせて仕事をするスタイルの人もいるし、本当に人それぞれですね。そういうこともCRAZYの面白いところだなと思います。」

江連:「基本的に、みんなものすごく仕事をするんです。だからこそ体が資本だと思っていて、健康も仲間も大事にしたいから、みんなで良いご飯をきちんと食べるんです。今までだったら深夜のコンビニ弁当が当たり前みたいなところもありましたからね。」

林:「クリエイティブの仕事ってそんなものだよね、みたいな世の中のイメージがあるのもわかるけど、それがおかしい、普通じゃないって気づける社会であるべきだと思っていて、どんなに素晴らしいものを作っていても、人間じゃないような生活を送っているのなら、なんのために生きているんだろうって思っちゃうんですよね。自分が生きていく中での手段としてクリエイティブがあるなら、そういう生活は間違っていると思うので。」


WHY CRAZY?
自分の価値を最大化できるチーム
できない理由ではなく、どうしたらできるかを一緒に考える

ーそんなユニークな環境のCRAZYですが、お二人はなぜこの会社を選ばれたのですか?

林さん:「僕はもともと一年くらいCRAZYの前身であるUNITED STYLEから外注で仕事を貰っていてパートナーとして一緒に仕事をしていたので、会社のことは知っていたし、どういう仕事をしているのかとか、どういう理念で、どういう人間がいるのかを近い距離で見ていたので、とても魅力的で素敵な会社だなと思っていたんです。
そこで、そろそろ一緒にやらない?っていう話を受けて、ちょうどその時期にそろそろ自分もフリーランスとしてやってみようかな、安定して仕事ができるんじゃないかなと考えていたんです。でもフリーランスはいつでもできるっていうのと、CRAZYが単なる会社じゃないってということは十分わかっていたし、そんな会社に誘われることって今しかないチャンスかなと思ったんです。
ここにジョインして勤め人になることで、自分一人でやるとか、どこか違うところに所属してやるより影響力を持てるんじゃないかという期待値が非常に高くて。

結局のところ、チームでやることの価値を見いだせたのと、あとは何よりもワクワクするというか、一か八かっていうところも含めて、自分の人生がもう少しドラマチックになるんじゃないかなって感じたのが最大のジョインの理由だと思います。あとは失敗してもいいやっていう部分もあったんですけど、失敗する気はあまりなかったですね。自分が生きていく上で、自分の価値みたいなものを最大化することができるんじゃないかと思って、CRAZYを選びました。」

江連:「私はたまたま、面白いウェディングないかなぁと思って海外のサイトをよく見ていて、なんとなく日本のサイトを見ていたら、CRAZY Weddingがあって、こんなのやってるとこあるんだーと思って調べてみたら、やってる人たちの歳が近くて、悔しい!と思ったのがキッカケでしたね。
その後仕事をしていく中で、本当に世の中にとって良いものって少ないんじゃないか、自分がすり減らされてるんじゃないか、みたいな感覚とか違和感が生まれてきて。

でもCRAZYはそうじゃない。本当に良いものしか世に出したくないし、本当に意味のあること、自分たちが本質的だと思うことしかやらないと。そしてそこのブランドを作るデザイナーを募集しているというのを聞いて、これは私、やりたいなと思いました。私は今までにブランディングとかを経験したことは無かったんですけど、ここでやることがすごく面白そうだなと思ったし。今後にすごく意味のあることなんじゃないかと思って。」

ーCRAZYの人々と出会って、仕事を共にすることで、何か感じたことはありますか?

江連:「すごく当たり前なんですけど、私はここに来て色んな人がいるなぁと。自分と人とはこんなにも違うんだと改めて思いましたね。ここには自分の考えてみたこともないようなことを考えている人がいて、しかもそれをお互いに口に出すことが多い気がする。

そういうことを言わなくても仕事は成り立つし、むしろ無いほうがドライにサクサク進んでいくこともあるけど、ここではそういうことはなくて、全部ちゃんと考えて、相手のことを尊重して、知っていこうとするから、それがすごく面白いなあと。」

林:「CRAZYって多分、良い意味で他者を知る機会が多すぎるんですね。普通だったら知る必要ないことでも、シェアするっていう環境が作られていて、その人の為を思って良い事も悪い事も伝えることを許される、むしろそれが健全であるっていう環境におかれているんです。
だから相手を知らなくちゃいけないし、知りたくなるというのが会社としての文化になっていて。作品を作っても上辺だけの評価じゃなくて、本気で仲間の作品を見て、年齢とかキャリアとか関係なく、ちゃんとフィードバックし合う。それを当たり前のようにできることが素晴らしいと思うし、そういう関係がうちの強みでもあり、個人の成長にも繋がっているんだと思います。」

江連:「特に私はこの会社のブランディングをやっているので、中で仕事をする人々が何を考えてここにいるのかとか、どういう風に世界に出て行きたいのかを話すことによって、じゃあデザインをこういう風にすればもっと伝わるんじゃないかとかを考えることができるんですね。
深い付き合いをして、それが作るものにも反映されるので、作る人にとってはとても良い環境じゃないかと思うし、人と繋がったデザインをしたい人なんかには、すごくやりがいがあるんじゃないかなと思います。
あとは、みんなが良いと思ったものを全力でコミットしてくれるんですよ。面白い・良いと思った人全員が責任を持って、一緒にやってくれます。」

林:「言ってもだめだろうなみたいなことって、世の中に結構はびこってると思うんですけど、その感覚こそが世の中のスピード感を落としているんじゃないかって思っていて、うちのスピード感は、ダメかもしれないけれど一回やってみるっていうところから来ていて、それが新たな発想とか革新的なアイデアを生む要因になってるなと感じますね。」

江連:「基本的に否定的な言い方をする人がいないので、アイデアに対してできない理由ではなくて、どうやればできるかを協力して考えてくれるんですね。それが本当に心強いです。疑問をもったことは誰でも社長に聞いていいし、発言が平等でフラットなので、一年目の人でも間違っている時はちゃんと言ってくれますね。」



本質的であるかどうかが
CRAZYのクリエイティブのはじまり

ーCRAZYの理念「本質的で美しくユニークに」をクリエイティブに体現するために意識していることはありますか?

林:「僕は本質性についてよく考えるようになったかなと思いますね。美しさとかユニークさは元々感覚的に判断することが多かったんですけど、それが本質的かどうかはあまり触れてこなかった。だから今は全ての判断基準を本質的かどうか、というところからスタートしていて、そこからどういうビジュアルにするか、それがイケてるかどうか、世の中のみんなが見た事がない新鮮さを意識して考えることが、染み付いてきている感覚がありますね。」

江連:「ただのお祭り騒ぎみたいな、新しくて面白いだけのものに違和感を感じていたので、CRAZYではそうじゃない本質的なものを作りたいと思うようになったし、社会にあるものも意識的に見るようになりましたね。
結構難しいことを考えている会社なんですけど、それをどうやって伝えたらいいんだろう、どうかっこよくすればいいんだろうってことを意識的に考えるようにしています。」


  • 伊勢丹新宿店にて手がけたディスプレイ

ーそんな意識を持って仕事をする中で、最高だと感じる瞬間はありますか?

林:「僕は存在意義とか存在価値が自分の中でテーマになっていて、やっぱり求められたり、認められるときが一番幸せなんですけれど、それがどんな瞬間かっていうと、お客さんが喜んでくれているときはもちろん、社内の仲間とか社外のクリエイターさんと仕事をしているときも、必要とされること、認めてもらえること、自分がここにいる意味とか自分が生きている意味みたいなものが確認できることが一番大切だなと思います。

それと同時に、自分が他者の存在価値とか意義をどうやったら引きだしてあげられるかというのが新しいテーマになってきていて、二十代の頃は全くそんなことを考えずにやってきたんですけど、ここに来てからは自分が他者や社会に対してどういうことができるのか、その人の可能性を引き出すこととかをすごくよく考えるようになりました。

でもそれってそんなに甘いことではなくて、あなたはいるだけでいい、生きてるだけで素晴らしいとか言うタイプでもないので、そこで本当に努力して、何かを変えようとしたり、自分の可能性を信じて頑張っていることに対しては、もっと的確なアドバイスを言ってその人の素晴らしさを僕自身が引き出してあげられたらいいなと思っています。

そういうことが何よりもクリエイティブだなと思って。モノ作りというのは今まで自分がやってきて、好きなことなんだけれど、人が生きること、自分の人生そのものをクリエイティブって捉えるようになったのはCRAZYに来てからだと思うので、それがすごく面白いなと思っています。」

江連:「私は、相手が脳でイメージしていることを上手くビジュアル化できたときは、すごく楽しいし、自分のする仕事がダイレクトに相手の反応に繋がるっていうのが最高に面白いと感じますね。」


ー最後に、美大生に向けてメッセージをお願いします。

林:「美大の卒業後って、デザイナーとしてデザイン会社に務めるか、どこかの企業に入るのか、フリーランスでやるのかくらいで、選択肢が狭いような気がしますけど、これから新しいスタイルがどんどん出てくると思うので、流されないでほしい。

『美大を出たからデザイン会社でしょ』とか、『誰かの下で働くのが嫌だからフリーでしょ』みたいにネガティブではあってほしくないし、CRAZYみたいな新しい環境を知って、『こういう新しい選択肢もありますよ』っていう情報を持っていてもらえればいいなと思いますね。」


  • 会社の屋上からはスカイツリーが見える

江連:「美大生の時って、目の前の課題とか作ることに対しての熱量がすごいと思っていて、それは社会に出ても変わらないものだと思うので、今後の自分が、もの作りをどう人生に組み込んだらより楽しいものになるのかを考えるといいと思いますね。

もの作りは一生関わっていくことだと思うから、色んな働き方をしている人を見て、色んなものを知って、その中で自分に一番合っている生き方を探してほしいと思います。それに、もの作りって手を動かすことだけが全てじゃないから、どうしたら自分が気持ちよくもの作りをやっていけるのか、もの作りをしている人と関わっていけるのか、広い目線で社会をを知ってほしいです。

世の中には面白い仕事がたくさんあって、もの作りに関わる人の考え方って世の中の人たちに必要とされていると思うので、美大生からそういう人たちにコミットして繋がっていくことで、自分の表現も広がっていくんじゃないかなと思います。」

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今回、私は将来的にアートに関わる一人の人間として、新しい仕事の形や仕事への姿勢を知り、その発想にとても刺激を受けました。
そしてお二人がおっしゃっていたように、日本での仕事としてのクリエイティブは、まだまだその在り方を模索している最中です。きっと私たちの思いもよらないクリエイティブの形が今後も生み出されていくことでしょう。
大切なのは、既存の考えに流されずに自分で確かめること、様々な考え方を知ること、そして自らで決断を下すこと。
当たり前に思えることこそが、本質に近づく第一歩なのかもしれません。

執筆:ヤマシタフミ
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林さん、江連さんと話そう!

Living vol.1
「クリエイター談 "サードウェーブな生き方"」

イベントでもセミナーでもない、
リビングのような場で語る"これからの生き方の可能性。
それが"LIVING"。

Vol.1は株式会社モーフィングと株式会社CRAZYによるコラボ。
クリエイター・アーティストの可能性を追求するそれぞれのクリエイターと、
参加者の皆さんでともに"生き方"について自由に語りあってもらいます。

テーマは「クリエイターとしての"サードウェーブな生き方 "」

インハウスでもフリーランスでもない、
"場所”、"時間"、 "組織"などの枠にとらわれず、
自由にクリエイティブを表現する"新しい生き方とは"

中盤にはmorphing×CRAZYのクリエイターによる
トークセッションも行う予定です。

お酒を片手にソファーに座りながら、
真剣に生きるクリエイター同志で
楽しく語りあいましょう。

日時:8月24日(月)19:00 OPEN 19:30 START
場所:SHARE BASE amata(株式会社モーフィング内)
住所:東京都国分寺市南町3-22-31島崎ビル3F
   JR中央線国分寺駅の南口を出て右折、三井住友銀行とスポーツ用品店の小道を左折、
   1階にマッサージ店のある島崎ビル3階。
費用:1,500円(お酒、軽食付き)
応募資格:25歳以上(今回は現役美大生の参加は見送らせていただきます。)
応募方法:Wantedlyからご応募ください。

TALK SESSION
林 隆三    株式会社CRAZY チーフアートディレクター
江連 有美   株式会社CRAZY クリエイティブディレクター
加藤 晃央   株式会社モーフィング 代表



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