【最後と最初の卒業式】令和4年度武蔵野美術大学卒業式に行ってきた

2023年3月18日(土)

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2023年3月17日(金)、卒業式が挙行されました。
令和4年度 武蔵野美術大学 学位記・卒業証書授与式

●日程:2023年3月17日(金)
●時間:
◎午前の部(10:00-)
・学部|視覚伝達デザイン学科 / 工芸工業デザイン学科 / 空間演出デザイン学科 / 建築学科 / 基礎デザイン学科 / デザイン情報学科
・大学院|視覚伝達デザインコース / 工芸工業デザインコース / 空間演出デザインコース / 建築コース / 基礎デザイン学コース / デザイン情報学コース
◎午後の部(13:00-)
・学部|日本画学科 / 油絵学科油絵専攻・版画専攻 / 彫刻学科 / 芸術文化学科 / クリエイティブイノベーション学科 / 映像学科 / 通信教育課程
・大学院|日本画コース / 油絵コース / 版画コース / 彫刻コース / 美学美術史コース / 芸術文化政策コース / クリエイティブリーダーシップコース / 映像・写真コース / 博士後期課程 造形芸術専攻
●会場:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 体育館アリーナ


昨年度同様、午前・午後の完全入替2部制での開催となりました。


上記写真は中央広場に設置されたフォトスポットで、

毎年入学式も含めて行列ができます。
今年もコロナの関係で保護者の方の式典参加はご遠慮願ったのですが、去年と違って構内には入れるので、お子さんと一緒に撮影する景色が4年ぶりに戻ってきました。
(今度の入学式も同様です)


卒業式といえば、

卒業式と入学式の年に2回だけ校旗・・のようなものが掲揚されます。
ムサビは公式な校旗が存在せず、この旗もいつだれが作ったのかはっきりとわからないんですが、なぜか昔から朝くるとこの旗が挙がるんですよ。

でも、今年は守衛さんが掲揚してるところにたまたま遭遇。

こんだけ長く勤めていても、掲揚してる瞬間は見たことがなくて。
大学史で保存レベルの動画(笑)


ここで注意!
ムサビは卒業式と入学式がほぼ同じステージ・演出なので、以降の記事は入学式のかなりのネタバレを含んでいます。入学式を楽しみに取っておきたい新入生(と保護者)はここで読むのをやめてください。



もう新入生は退出したかな?じゃ話を進めます。  
実は会場1時間前に直前リハーサルをやっていて、午前の部の先生方に集合してもらってました。


  • 流れを聞く先生たち

視覚伝達デザイン学科の先生。
手羽が写真撮ってるのに気が付いてポーズを撮る陽気な齋藤先生。
 
というわけでいよいよ始まります。

まずは校歌斉唱。

毎年「校歌斉唱」というナレーションに会場はざわざわします。「え。校歌なんて歌えないんだけど」と(笑)

ムサビの前身・帝国美術学校の校歌として1930年に制定されたもので、作詞はなんと北原白秋。北原白秋自筆の校歌も大学史史料室に保存されていて、歌詞の「帝国美術」を「武蔵野美術」と替えてずっと歌い継がれています。
あ、ここで聞くことができますよ。

手羽は2012年度卒業式の時にステージで校歌を歌ったから、ある程度歌詞は頭に入ってますが、校歌は入学式と卒業式しか聞かないんで学生も教職員もほとんど歌えません・・・でも今の学生さんは授業の「むさびを知る」で校歌を勉強してるから、昔よりは歌える人が確実に増えてるんじゃないかしら。

続いて教員紹介。


  • 視デ。

デ情主任教授・白石先生のアフロヘアは一段と爆発してた。
デ情立ち上げから関わってこられた森山明子先生も今年度で退職されます。
 

そして、メインイベントの学位授与式へ突入。
代表者が壇上にあがり卒業証書を受け取るんだけど、長年卒業式を見てきた中では今年が一番凝ったパフォーマンスものが多かったような。

工芸工業デザイン学科は神輿に乗ってサックスを吹きながら登場。

基礎デザイン学科は、ナレーション・巨大スクリーンを活用して「卒業証書を受け取るために、基礎デ教授と戦いながらアリーナに傷つきながらたどりついた戦士」を演出。


  • 「卒業証書なんて単なる紙切れだろ?あとでPDFでもらえばいいじゃないか」に爆笑。

最後は力尽きてタンカで運ばれていきました。
よく仮装卒業式が話題になるけど、ムサビはもうちょっと先を行ってます。
  
こんな感じのパフォーマンスが多かったから、むしろ

建築やデ情の普通の授与の方が今回は目立ったかも。

授与式も終わり、祝辞コーナー。

まずは長澤学長。
今年度で学長を退任されるから、長澤学長にとっても最後の卒業式です。

直前リハの時に演出担当者が「最後なんで学長をいっぱいにしてみました!」と元気に説明されて、みんな頭の中に「ミニオンズみたいに増殖した長澤学長が一斉にしゃべってる姿」をイメージし泣いたはず(いろんな意味で)。


  • 続いて白賀理事長


  • 最後は星 校友会会長。今日からみんな校友会メンバーです!

昔だとこのあとにド派手なパフォーマンスをやってたけど、まだそこまでできないのが少し残念。来年こそは・・。
 
卒業される学生さん全員の名前がプロジェクターに映し出され、最後は

高くせりあがった長澤学長の「卒業おめでとう!!」とともに、恒例となった

キャノン砲が炸裂!!
これがなくっちゃ。
 
一連の様子はこちらの動画をご覧ください。

最後まで見てね。

全体卒業式後は各学科に分かれて授与式が執り行われます。
 
ちなみに30年前ぐらいまではムサビもすんごく普通の卒業式でした。
でも「偉い人が何人も出てきて長い話をするような卒業式じゃなく、在学生や教職員が一緒に卒業生を楽しく祝って送り出す形にしよう!」という声が教授会で起き、今のような形になりました。
多分この規模のものを完全外注したらすんごいお金がかかるはずですが、そこは美大。学内の機材や校友の力を総動員してやってます。


ところで冒頭に「午前・午後の完全入替2部制」と書きましたよね。

そうなんです。
午後の部の開場までにまた最初の状態に戻さないといけないから、最新テクノロジーの「ヒューマンシー」を使って・・・

ま、人海戦術のことなんですが・・・スタッフ・職員総出でキャノン砲で散った紙吹雪を全部掃除したり、

椅子を消毒して、全部の椅子の座面にパンフレットをおきました。
 
そして何事もなかったかのように午後の部の直前リハサールをし、

何事もなかったかのように午後の部スタート!!

教員紹介の油絵学科。
今度の入学式から樺山新学長ですね。

クリエイティブイノベーション学科。
 
そして授与式。
そうだ。今回のセットで「これ、大発明じゃね?」と思ったものがあって、

背景の鏡を使うと、長澤学長と証書を受け取る学生さんの顔を1画面におさめることができるんです!これすごくないですか?
授与シーンって「どっちかの顔しか見えない」という大きな問題が昔からあり、これを回避するには横顔を見せるか、2台のカメラを使って合成するしかなかったんです。鏡を使ったトリック撮影は映画ではよくあるけど、授与シーンでは世界で初なんじゃないかしら。これ思いついた人って天才なんじゃなかろうか。課題解決のためのクリエイティブなイノベーションを感じました。

なんてことを思ってたら、トップガンの曲が流れ始めた。
も、もしかして、

日本画学科の学生さんのパフォーマンスはトップガン マーヴェリック!

・・タマビプロダクト専攻の出しものもトップガンだったから、ネタがかぶったぞ。。

さすがプロダクトデザイン専攻だけあって立派な戦闘機を作っている・・こっちは本人が台車に乗ってビューンってやってるぞ・・・。
 
でも、

自分が飛行機や車になってビューンと飛び回った記憶はみんな小さい頃にありますよね。
「ごっご遊び」はクリエイティブの原点であり、同じモチーフでも「デザイン」と「アート表現」の考え方の違いがうまく出てるなあ、と感じながら見てました(ムサビ生に甘い手羽)。
 
そして、なにより

「学生さんの表現を優しい目で見守る教員」ってまさにムサビの構図なわけで、このパフォーマンスはいろんなものが表現されてた気がします。


さて、令和4年度卒業式の最大の特徴は、間違いなく「造形構想学部クリエイティブイノベーション学科(CI学科)の最初の卒業式」です。記念すべき一期生!
「造形構想学部」として初だから、CIの方は卒業証書をよーく見てください。通し番号が「1号」とか一桁の方がいるはずです。
 
記念すべき最初の代表者は

観客がQRコードを読み取ると、スマホが連動して光るようになり、それを壇上で操作するという、ムサビの卒業式で初めての観客を巻き込んだパフォーマンスでした。さすが。
 

映像学科。紛らわしいけど、この中の一人は本物のカメラマンです。

ラブ&ピース。

学長の祝辞。
午後の部ってことは、長澤先生が学長としてほんとに最後に学生さんへ送るメッセージ。
 
ちなみに今年は長澤学長が「ムサビ菌」というフレーズを出したら、

菌が舞うような画面が背景に出てました。


午後の部もキャノン砲が炸裂し、無事に終了。
すると学生さん達が壇上にきて、

学長との撮影会が始まってしまった・・全部撮影待ちの行列です。
でも、こんなに一緒に写真を撮りたいと思われる学長ってそうはいないかもしれませんね。

クリエイティブイノベーション学科の森町3人組は安定した3色。


最後に裏話を3つ書きます。

一つ目は「実は前日夜に結構ちゃんとしたリハーサルをやってます」

登壇する学生さんにも集まってもらって、前日にランスルーをやってるんですね。
そりゃ、ぶっつけ本番であんなにうまくいきませんって(笑)
 
2つ目は・・実は・・・学長は卒業式2日前にギックリ腰をやらかしてました・・。
2日前は全く動けない状態だったから、「前日リハの出席は取りやめて静養してもらい、一発本番勝負でいくか」と裏で話してたくらいのギリギリの状態で。 


  • 前日リハーサルの様子

でも頑張って前日リハにも結局参加されてましたが、相当辛そうでした。

 
そして3つ目。
これは長澤学長にも伝えてないけど、スタッフから「卒業式で学長に卒業証書を渡す役は誰にしますか?」と相談されて、手羽はすぐに「そりゃ、うちのプクシマしかいないっしょ」と答えたんです。


  • 前日リハーサルの様子

というのも今年度入職したばかりのデザイン情報学科卒業生なんです。
今年度で退任されるデ情の学長に、今年度入職したデ情OGが介添えを務める。エモイでしょ?ん?エモいの使い方間違ってる?


以上、手羽が学長を必死に撮影してる様子を大学史スタッフに激写され、

「なんだかんだ手羽さんは学長のことが好きなんでしょ?」と言われ、「そ、そ、そんなことないもん。一番好きなのは

自分だもん」の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。