【最新のデザイン教育】ゼミ展2023とムサビ工デのインダストリアルデザイン卒展・クラフトデザイン卒展に行ってきた

2023年1月30日(月)

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1月29日(日)、まず手羽は六本木の東京ミッドタウン・デザインハブへ。

もちろんこれを見るためです。
東京ミッドタウン・デザインハブ第101回企画展「ゼミ展2023」

●会期:2023年1月10日(火)~2月12日(日) 11:00–19:00 *会期中無休 入場無料
●主催・企画・運営:東京ミッドタウン・デザインハブ
●参加校:大分県立芸術文化短期大学(美術科 デザイン専攻 ビジュアルデザインコース 西口顕一研究室)|九州大学(カーボンニュートラル・エネルギー研究所[I²CNER] 藤川研究室+芸術工学部 芸術工学科 未来構想デザインコース 尾方研究室)|慶應義塾大学(環境情報学部 鳴川肇研究室)|工学院大学(建築学部 建築デザイン学科 塩見研究室)|佐賀大学(芸術地域デザイン学部 芸術表現コース 有田セラミック分野)|芝浦工業大学(デザイン工学科 橋田研究室)|女子美術大学(デザイン・工芸学科 ヴィジュアルデザイン専攻 澁谷クラス)|多摩美術大学(情報デザイン学科 情報デザインコース 情報デザイン演習I 演出表現演習)|東京造形大学(インダストリアルデザイン専攻領域 井関ゼミ)|東京都立大学(インダストリアルアート学科 学部3年生有志+インテリアデザインスタジオ)|明治大学(理工学部 建築史・建築論研究室[青井哲人研究室])


美大だけじゃなく、総合大学でも「デザイン教育」のゼミがあり、大学ではどのように「デザイン教育」をやっているか一望してもらうための展覧会・・が簡単な説明かな。
今回ムサビは参加してないので行くつもりはなかったのだけど(笑)、ある企画を知って日曜見てきました。

 
で、先生がゼミ授業紹介するギャラリーツアーを会期中にやっていて、この日は

慶應義塾大学 環境情報学部の鳴川肇研究室とタマビの情報デザイン学科。


  • おお。加倉井さんがタマビの紹介してる。感動。

情報デザイン学科情報デザインコース の林響太朗先生が学生さんと一緒に授業紹介。
冒頭に書いた「ある企画を知って」というのは、去年5月に林さんにいろいろお世話になったので挨拶をしたくてやってきたのです。

出展ゼミによるギャラリーツアーは2月4日にもあります。事前予約制なのでご注意を。

この日はTUBでタマビ職員による進学相談もやってました。
  
 
で、東京ミッドタウンからちょっと歩いて、

AXISへ。
この東京タワーが見える景色好き。


何を見に来たかというと、
「Grind」武蔵野美術大学 工芸工業デザイン インダストリアルデザインコース 卒業制作展

●会期:2023年1月27日(金)ー 2023年1月29日(日)
●時間:10:00 ー 19:00 (最終日 16:00まで)
●会場:AXIS Gallery
●入場料無料


ムサビの工デ・インダストリアルデザインコースの卒展。
ムサビは毎年学外展をやってるデザイン系学科はほとんどなく、工デと視覚伝達デザイン学科選抜展ぐらいなんですよ。
今年の鷹の台卒展は見る時間が全然なくて、工デは学外展があるからとほとんどスキップしちゃったんです・・すいません・・。


  • やっぱり見に来てよかった

昔のインダストリアルデザインやプロダクトデザインって「かっちょいいー車や家電のデザイン」が主でした。
でもこの5年ぐらいで傾向が変わっているように感じています。
インダストリアルデザインはアウトプットの精度が高いので、ついアウトプットだけ見てしまうのだけど、実はやってることはサービスデザインやソーシャルデザインなんですよね。


  • こちらのプロダクトは「伝統工芸で作った繰り返し使えるホテルのアメニティ提案」だし、


  • こっちは「旅先のちょっとした感動を循環させるモビリティ」だし、


  • こちらは「工芸品と観光客がリアルで出会う機会を増やすサービスの提案」だし、

このテントも単なるプロダクトではなく「実体験を通してプログラミング思考を育成するテントセット」ですからね。

社会が必要とするものや学生さんの興味が変わると、企業が必要とする人材も変わり、そうなるとデザイン教育も変化する。
これがわかってると、工デが構想力テストをやってたり、今年から推薦入試でワークショップ入試を導入した理由などが見えてくるはずだし、逆にこれがわかってないと「デザイン系入試は平面構成と鉛筆デッサンだけやってればいいんだ!」的な浅い議論にしかならない。

 
この流れで表参道へ。

スパイラルです。
あ、スパイラルといえば、SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)の参加者を2月9日まで募集してますよ。
手厚いコンペなので、美大生は応募しておいた方がいいっす。
 
で、今日のラストはこちら。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科クラフトデザインコース 卒業・修了制作展 2022

●会期:2023.1.27(fri) - 31(tue) 11:00-20:00
●会場:Spiral Garden(Spiral 1F)


ムサビの工芸工業デザイン学科クラフトデザインコースは、木工/ 金工/ 陶磁/ ガラス/ テキスタイル専攻で構成されていて、その学外卒展です。
ちなみにムサビの工デは2年前期までクラフトデザイン、インダストリアルデザイン、インテリアデザインなどいろんな授業を体験し、2年後期から専攻に分かれる仕組みになってます。「工芸工業デザイン」なので。

大学によってクラフト(工芸)はファインアートの括りに入りますが、ムサビは「工芸工業デザイン学科のクラフトデザインコース」という名前の通り、デザインの括りに入っています。
それも他大学との違いかな。

今年の展示、すごくよかったです。明日までやってるのでぜひ。

ちなみに地下のレストランが

ワコールアートセンター事務所になっててびっくり。調べたら当面の間休業されてるそう。
 
 
以上、明日から恒例の「美大入試シリーズ」をスタートさせます、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。