せんだいメディアテークで地域資源「亜炭」を通して風土の記憶を堀りおこす展覧会、京都造形大生のゼミ発表も。

仙台の地域資源「亜炭・埋木」をキーワードに、知られざる街の歴史や暮らしの記憶を掘りおこし紹介する展覧会がせんだいメディアテークで開催されます。期間中は『亜炭香古大學』として京都造形芸術大学のレクチャーやゼミ発表、哲学者・鷲田清一さんと美術家・伊達伸明さんの対談などが行われます。

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亜炭香古学 足元の仙台を堀りおこす

亜炭は、昭和30年代頃まで宮城県仙台市で風呂や暖房の燃料として使われ、仙台にある青葉山はかつて亜炭鉱山として人々の暮らしに密接に結びついている地域資源でした。また同じ地層からは、地元の工芸特産品「埋木細工」の原木も産出され、一家にひとつはあるともいわれるほど普及していました。
2012年から始まった『亜炭香古学』は、身近な場所・人・モノを丁寧に見つめ直してそこに宿る物語や知恵を掘り起こし、新しい視点や楽しみ方を探るアーティストと市民の共同活動です。ひとむかし前の仙台の暮らしの風景を、当時を知る方々の証言とともに再発見します。


  • 資料提供・所蔵:舟形町立歴史民俗資料館


またたく記憶の紡ぎ方

「亜炭・埋木」をキーワードに市民が持ち寄った記憶や思い出の品々(生活用品、写真、地図など)を素材に、美術家・伊達伸明が、街の心象風景をほのかに浮かび上がらせます。暗室インスタレーションや伊達伸明の新作ウクレレが展示されるほか、大條伊達家文書「埋木文臺勧進之歌」(複写)も公開されます。
地中に潜む見えない物語(過去)と地上に表出する物語(現在)、足元のカケラがもつ、膨大な時間の積層にこもる人々の暮らしの物語を感じてください。


  • 光で探る(展示イメージ)

伊達伸明 美術家
1964年兵庫県生まれ、大阪在住。1991年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。取り壊される建物の人肌こもる部材を用いてウクレレを制作する「建築物ウクレレ化保存計画」主宰。2000年から現在まで寺院、学校、一般住宅など65件をウクレレ化。
〈展覧会〉
水戸芸術館(2002年)、兵庫県立美術館(2005年)、国立民族学博物館(2005年)、大阪市近代美術館心斎橋展示室
〈企画構成・その他〉
「未来への素振り」(小山田徹との共同展示/京都芸術センター/2010年)「池上遊覧鉄道」(岡田毅志との共同制作/総社市池上邸/2011年)「一弦さん」(「楽器は語る」展示関連イベント/国立歴史民俗博物館/2012年)「阪大宿舎おみおくりプロジェクト」(大阪大学豊中キャンパス内/2014年)、「おしえて!あの日の市民会館」(豊中市立市民ギャラリー/2014年)、「豊中市立市民会館 おみおくり展」(豊中市立市民ギャラリー/2014年)、「待兼山少年」(大阪大学総合学術博物館/2015年)、アートプロジェクト「亜炭香古学」(市内各所/2012~2015年)ほか



  • 旧岩倉炭鉱事務所

亜炭香古大學

京都造形芸術大学の学生を対象に、
地域の風土や記憶に関わる伝達、
表現のあり方について講義があります。
下記の講義は一般参加も可能です。

講師
上村博(京都造形芸術大学)
伊達伸明、渡邉武海(デザイナー)
薄井真矢((公財)仙台市市民文化事業団)

レクチャー
作家による展覧会説明と質疑応答
8月10日(月)15:00~16:30

ゼミ発表
仙台市街の古層フィールドワーク発表と講評
8月12日(水)16:00~17:30
 
会場 せんだいメディアテーク6階ギャラリー
無料・申込不要・直接会場へ
主催 京都造形芸術大学(お問い合わせ 075-791-9124)


  • 東北大学大学植物園地下壕

展覧会情報

対話の可能性 亜炭香古学2015
展覧会「山のひかり 川のほし」

展覧会公式ページはこちら

日時
 8月8日(土)〜18日(火)
 10:00~19:00(初日は11:00から、最終日は17:00まで)

会場
 せんだいメディアテーク6階ギャラリー(宮城県仙台市青葉区春日町2-1)

観覧料
 一般300円、65歳以上・高校生以下100円、未就学児無料
 フリーパス500円 *各種手帳割引あり

展示資料
・大條伊達家文書「埋木文臺勧進之歌」、名取川埋木
・山と川の埋木細工(約300点予定)、埋木原木(約80点)、埋木製ウクレレ(世界初公開)
・東北大学植物園内地下壕写真、模型(世界初公開)
・亜炭の暮らしや蛍のいた頃思い出話、坑夫の俳句、炭鉱写真(約50点)ほか 

イベント
「地中を想う/地上を語る」
 ・照越亜炭シャベル会の亜炭紙芝居
 ・川埋木トークと埋木製ウクレレ演奏
  8月8日(土) 14:00~15:30
  せんだいメディアテーク1階

「鷲田清一とともに考える4界面活性力?/見るべきものを見ずに、見ないでいいものを見る」
 ・哲学者鷲田清一さんと伊達伸明さんとの対談
  8月8日(土) 16:00~18:00 
  せんだいメディアテーク1階
  ※東北工業大学・緑の楽校 運営委員会代表 松山正將先生が、会期中の午前中展示室に在室します。

主催
(公財)仙台市市民文化事業団

助成
(一財)地域創造、(公財)アサヒグループ芸術文化財団、(公財)朝日新聞文化財団、
(公財)全国税理士共栄会文化財団、(公財)福武財団

展覧会お問い合わせ先
(公財)仙台市市民文化事業団
事業課     022-301-7405(平日9:00〜17:00)
展覧会会場直通 080-1834-4382(会期中のみ)

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