【もうすぐ●●】ムサビ清里山荘に行ってきた

夏休み中の手羽です。でも明日から忙しくなってくる・・・

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▼昨日までの話はこちらをご覧ください。
【静かに時を刻む街】清里駅前に行ってきた

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今回の家族清里旅行には3つのミッションを設定してて、二つ目は「アウトドアにチャレンジ!」。

手羽は超インドア派です。
「バーベキュー?準備と片付けが面倒だから嫌。」
「渓流釣り?魚臭いのが嫌。」
「海?水が塩辛いのが嫌(泳げない)」
「山登り?どうせ降りるのに用もないのにあがるってわけわからんから嫌。」

という発想なので定番アウトドアは家族旅行で避けてきたんだけど、リンクロウくんが中2、あかりちゃんが小3とそろそろ親と遊んでくれなくなる年頃なので、思い出を残そうと。

「準備も片付けも面倒じゃなく汚れず、でも外で遊んだ感があるもの」を調べ、やってきたのが

サンメドウズ清里

「こんな施設、昔からあったっけ?」と調べてみたら、昔は「山梨県営スキー場」だったものを2002年にサンメドウズ清里スキー場としてオープンした場所だと判明。
リフトで標高1900mまで登れ、グリーンシーズンはいろいろ子どもが遊べるものが準備されてます。

手作りアスレチックや子供が大好きのターザンロープなど、ほんとは1時間ぐらいで帰るつもりだったのに、結局半日いちゃいました。

ただ、どうしても手羽家は家族全員インドア派というか、芸術英才教育というか、ワークショップのやりすぎというか

こんな超アウトドア施設にやってきても、ワークショップ系に手を出してしまうんですが。。。
来年の美大オープンキャンパスをダメ出しするためにワークショップ修行ってことで。
あ、この器、4つともリンクロウが作ったんです。2か月後に焼かれたものが届くそうで楽しみ楽しみ。

もちろん清里に来たら、
清泉寮でソフトクリーム
でしょ。


昨日紹介した「清里開拓の父」」こと、ポール・ラッシュさんが作ったキープ協会の中心施設がこの清泉寮(せいせんりょう)で、ジャージー牛のミルクで作られたソフトクリームが名物。

相変わらず濃厚でうまかったです。
ソフトクリーム1個400円は観光地料金のような気もするけど、清里でこれを食べずに帰るわけにもいかないしね。


清泉寮のすぐ横にキープやまねミュージアムもあるけど今回はパス。
「めんどくさくないアウトドア」が今年のテーマなんで、他に行きたいところがあるの。

小須田牧場で乗馬レッスン
引き馬(おじさんが馬をひっぱって、狭いところを1周回るようなやつ)はいろんな場所で経験してるので子どもたちも興味が全然なく、「じゃ家族全員で乗馬だ!」と。もちろん手羽家初乗馬です。

「お父さんは背筋がいいですね。だいたいこういう方はピアノをやってた方なんですよ」って褒められたり(ピアノやってました)、乗馬してる間は暴れん坊将軍のテーマソングが頭の中を回ったり・・・あ。本題は家族旅行じゃなかった(笑)
他人の旅行話ほどつまらないものはないっすよね。


というわけで、いよいよ目的地へ。

学校寮入口から数分の場所にそこはあります。

武蔵野美術大学 清里山荘!!

ムサビは奈良、五箇山、そしてこの清里にセミナーハウスを持ってまして、手羽が清里山荘に泊まるのはこれで4回目。
1回目は奥さんと付き合ってる頃に(照)、2回目は子どもが生まれてから、3回目は・・・はい、伝説となった3年前の美大日記・ムサビ日記合同合宿です。
日記合同合宿in清里 その10 - 美大日記::ムサビの手羽
久しぶりに読み返したけど・・・いやー、青春だね(笑)

ここが教職員がいる場合のみ使える山小屋風で自炊のできるA棟。

故芦原義信名誉教授の設計によるコンクリのB棟。
清里山荘はこの2棟で構成されています。

芦原建築の特徴といえば「スキップフロア形式」で、ムサビ7号館・1号館が典型例・・・これでわからない人は「東急ハンズ渋谷店みたいなフロア」でわかるかな?
B棟も例外ではありません。

薪ストーブのある食堂には

タマビ・建畠学長から「あの硬派な美術雑誌は続けて欲しかったし、再開を熱望してます」と言われた季刊・武蔵野美術が。
そうなんですよね。学生時代はその貴重さが全然わからなかったけど、卒業してこの連載陣・内容の凄さがわかり、廃刊になってからも同級生から「お金出すから季刊・武蔵野美術のバックナンバー売ってよ」と何回か言われたことがあります。
世の中でよく起きる
「普通にそこにあるとわからないけど、なくなることが決まると存在の大きさを知り、でも無くなるのが決まってから行動しても遅すぎ」
の典型例かもしれません。

団体さん用の指示ホワイトボード。
来週、武蔵野美術学園の団体さんが泊まるようです。

裏側はこうなってて、そこには

バーベキューコーナーがあり、予約時に言えば利用できます。

あ、大学WEBやパンフレットの情報がほんと不親切で、使う側が必要とする情報が全然書かれてないんですよ。
3年前にわからなくて困ったことをまとめてるので、今後利用を考えてる方はこちらを参考にしてください。
日記合同合宿in清里 その6 -清里寮バーベキュー豆知識-

今度行く時の参考になった?
それはよかったよかった。


ただ。
 
 
今年8月31日で清里山荘は閉寮しちゃいますけどね(衝撃発言)

 
はい。今年の4月に発表されてます。
清里山荘の閉寮について

もともと牧場だった場所を山梨県が分割して学校や市などを誘致し「学校寮地区」にしたところへ、ムサビが昭和41年に入居しました。


利用者減と赤字状態が続いてたので、運営方法を見直しつつ数年前から閉寮するかどうかという議論はしてたんですが、
●借地権の契約が切れるので更新するかどうかのタイミング
●建物耐久年数を超えるので大工事をやるかどうか考えるタイミング
●管理人さんが定年になるタイミング
●利用者が激減(半減以下)した

等いろんな要素が重なっての、今年の閉寮判断となりました。

外観はきれいで取り壊すのはもったいない気もするけど、裏側はボロボロなんです・・・。

4月に発表して、もっと教職員、学生さん、OBOGから「閉寮反対!」の声があがることをうっすら期待してたんだけど、思ったほどなく・・・。
ま、「なくすなんてもったいない!」とおっしゃる人に「この数年、使いました?」と聞けば多分「使ってません・・だって不便だし」な反応じゃないかと。
「普通にそこにあるとわからないけど、なくなることが決まると存在の大きさを知り、でも無くなるのが決まってから騒いでも遅すぎ」
の典型例ってやつですね。

というわけで、家族旅行最後のミッションは「閉寮する清里山荘にお別れをする」。
清里山荘についた時、知り合いの卒業生に会いました。
「合宿で思い出があるから予約しようとしたんだけど、混んでて宿泊が取れなかったんです。なので見学だけしにきました」と。
そうなんです。
今年はラストイヤーだから皆さん予約されてて、土日はほぼ埋まってる状態だったんですよ。
こんなことならどっかの商店街のお店みたいに毎年「今年閉寮します」と宣伝すれば(以下略)

ムサビ清里山荘の周りには横浜国立大学さん、

文教大学さん、

enaの学究社さん(てことは新宿美術学院さんも使えるのかな?)、

明星学苑さん、

立川市さんの寮もありますが、ムサビのすぐ横にあった2つの寮は

兵どもが夢の跡状態。。

山梨大学は平成18年に、青山学院さんが2013年に撤退してるし、小平市も八ヶ岳山荘を平成24年に閉寮決定しています。

既にもみじ通りから2つ看板が抜けてますが、1年以内に更に2つ抜けるってことですね。

地方セミナーハウスはどの学校(市)も経営的にお荷物なんですよ。
「営利目的ではないから赤字のことは抜きにしても利用者が少なすぎ。残したいならもっと使ってほしかった。あった方がいいに決まってるけど、なくてもそんなに困らない施設で、持ってると余裕があるように見えるけど、そのお金があれば別のところに」
な代表格で、経営面で考えるならば真っ先に事業仕分けにあうサービスでして・・・・外部厚生施設って難しいです。
今は、自前で持たずにアウトソーシングしたり、外部施設と提携を結んだりする方向に進んでいます。


B棟内に戻ります。
できるだけ写真を残しておこうと。

部屋にはクーラーがついてないんだけど、風が涼しいから全然いらない。

年季の入ったマニュアル。
取り壊す前にこういうのも大学史史料室に寄贈してもらえると今後の資料になるので、総務の皆さん、どうぞご協力よろしくお願いいたします。

今なら「美」はプリントするんだろうけど、このマジックで手書きされた「美」も味わい深い。


以上、奥さんから
「私はサークルの合宿で清里寮を毎年使ってたから(奥さんもムサビ卒)、『ああ。まさにこの部屋で酔っぱらった先輩から説教されたなあ。なくなるのかあ・・思い出の場所が一つ消えるなあ・・』とか感慨深いもんがあるけど、あんたは学生時代の思い出とかないでしょうに。いるよね。潰れると聞いたら、そんなに今まで興味がなかったくせに急に『ボクの思い出が詰まった建物』的に感傷的にギャーギャー騒ぐ奴。あんたみたいな人が使わないからなくなるんだよ」
と説教された手羽がお送りいたしました。

そ、そんなことはない。
手羽にだって清里の思い出ぐらい・・思い出・・・確かに学生時代は一度も使ったことがないんだよね(ぼそっ)・・・・清里に寮があることにぶっちゃけ興味がなかったし、わざわざ泊まろうとも思わなかったし、だったらホテルに泊まりたいし・・・3年前の日記合宿以外は思い出と言えるものは・・・・。


今日のまとめ
●「季刊・手羽美術★」を発行して、手羽のエッセイ満載な本にしよう
●手羽美★も含めた東京の美大がセミナー施設利用協定結べはいいんじゃね?



よし、手羽美術大学★開設の野望がまた一歩近づいた!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。