【3年ぶりのみんなの卒業式】令和三年度 武蔵野美術大学卒業式に行ってきた

2022年3月19日(土)

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2022年3月18日(金)。
肌寒い雨模様の中、令和3年度 武蔵野美術大学 学位記・卒業証書授与式・・・いわゆる卒業式が挙行されましたので、レポートをお送りいたします。

注意!
卒業式と入学式はほぼ同じステージ・演出なので、以降の記事は入学式のかなりのネタバレを含んでいます。
入学式を楽しみに取っておきたい新入生(と保護者)はここで読むのをやめてください。

 

 
今年度の卒業式は、ムサビとして初めての「午前・午後の完全入替2部制」でした。

もちろん密回避のためで、「保護者の参加」「外で後輩の歓迎」なども今年はやれなくて残念だけど、2年前は卒業式自体が中止、去年は代表者だけアリーナだったから、こうやってみんなで体育館アリーナに集まっての卒業式は3年ぶり。
ちなみに映像学科は2019年に造形学部から造形構想学部に移ったので、造形学部としての映像学科卒業生は計算上今年が最後になります。(実際は休学者等がいらっしゃるのでもう数年何人かは卒業生はいますが)

今年の次第はこうなってます。

毎年「校歌斉唱」というナレーションに会場はざわざわします。「え。校歌ってあったの?」と(笑)

ムサビの前身・帝国美術学校の校歌として1930年に制定されたもので、作詞はなんと北原白秋。北原白秋自筆の校歌も大学史史料室に保存されていて、歌詞の「帝国美術」を「武蔵野美術」と替えてずっと歌い継がれています。
ここで聞くことができます。

手羽は2012年度卒業式の時にステージで校歌を歌ったから、ある程度歌詞は頭に入ってますが、校歌は入学式と卒業式しか聞かないんで学生も教職員もほとんど歌えません・・・でも今の学生さんは授業の「ムサビ入門」「むさびを知る」で校歌を勉強してるから、昔よりは歌える人が確実に増えてるはず。


さて、時計を前日3月17日に戻します。
毎年大掛かりな演出が入るムサビ卒業式なもんで、前日夜にリハーサルをやってるんですよ。
ここから少しリハーサル風景を紹介します。

今年の舞台はこういう感じでした。

まぶしいくらいのグリーン!

巨大なグリーン幕と、ステージはドローイングのように描かれたグリーンが配色されていて、そこに映像を合成する、と。

手羽が知らないだけかもしれないけど、これ発明ですね。
グリーンバックって「裏仕掛け」なわけで、普通はグリーンバックが見えると興ざめしちゃうけど、「グリーンバックじゃなく、新緑と絵具をイメージした緑色メインのステージ」と解釈すれば、グリーン自体が演出要素になるから、見切れてもあまり気にならない。
なおかつ、グリーンバックってきれいに張らないとムラがでてうまく抜けないので、そのためにはお金も時間もかかる。でもドローイングのようになってて、なおかつ立体状にデコボコになっていれば、合成のムラも気にならない。
グリーンバックの弱みをうまく逆手に取ったやり方のように感じました。

代表で卒業証書を受け取る学生さんにも来てもらって、かなりきっちりしたリハーサル。
 
そして3月18日当日の開場1時間前。

先生にも集まってもらい、ランスルーもやってます。
ここまでちゃんと卒業式リハーサルやってる大学もそうないんじゃないかしら(笑)

ちなみに25年前ぐらいまではムサビもすんごく普通の卒業式でした。
でも「偉い人が何人も出てきて長い話をするような卒業式じゃなく、在学生や教職員が一緒に卒業生を楽しく祝って送り出す形にしよう!」という声が教授会で起き、今のような形になりました。
多分この規模のものを完全外注したらすんごいお金がかかるはずですが、そこは美大。学内の機材や校友の力を総動員してやってます。


ではお待たせしました。

卒業式の様子をお送りします。

ま、といっても映像を通してみてナンボな演出なので、現場はきれいなグリーンが配色された舞台のままなんですけどね。

校歌斉唱の後は教員が各学科ごとに登壇し、挨拶。

デ情・白石先生のアフロヘアは一段と爆発してた。

続いて学位記授与。

後ろの巨大モニターで合成された様子がわかります。

こちらは配信映像。こんな感じでした。
編集されて多分アーカイブが公開されると思うので、もうしばらくおまちください。
 
学長の祝辞に続いて理事長、校友会長の祝辞が行われ、式は1時間半ぐらいで終了。
昔だとこのあとにド派手なパフォーマンスをやってたけど、まだそこまでできないのが少し残念。来年こそは・・。

最後は学長による「卒業おめでとう!」の掛け声と同時に

キャノン砲が炸裂!
これがなくっちゃね。

で卒業生と教員は退場し、各学科の卒業証書授与会場に向かいます。

あ、この写真を編集してて気が付いたけど、

こちらは工芸工業デザイン学科の主任教授・山中先生。
どんな時でもTシャツを着てて、多分これは冠婚葬祭用のTシャツと思われます。


ところで冒頭に「午前・午後の完全入替2部制」と書きましたよね。

そうなんです。
午後の部の開場までにまた最初の状態に戻さないといけないから、

スタッフみんなで椅子を消毒したり、キャノン砲で散った紙吹雪を全部掃除しました。
実は裏でこういうことやってたんです。

何事もなかったかのように午後の部スタート。

そして、またしても

キャノン砲爆裂!


式が終わった後、学長は代表で授与された学生さんから「一緒に撮ってください」と言われて

ずっと撮影大会が行われてました。

中央広場に行くと、ここでも学長は「一緒に撮ってください」と言われ、

こんな感じになってました。


てなわけで、
みなさん、ご卒業おめでとうございます!!
ただ、感動してる時にアレなんですが、学籍上は3月31日まで学生です。
あくまでも卒業式は「卒業を祝福する式典、学位記を授与する日」なだけなので、4月1日になるまでは犯罪(以下略)


以上、

グリーンバックの前でかっこよく撮ったから、合成して何かに使っていいよ、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。