東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」スタート!

上記写真で1人クネっと立ってるのが手羽です。

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7月21日(火)から武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで、東京工業大学(東工大)さんとムサビの合同ワークショップ授業「コンセプト・デザイニング」がスタートしました。
今日はそのレポートを。

この合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング」は、実験的に「ムサビ・デザイン情報学科生と東工大生」という組み合わせで2011年にスタートしまして。
で、「これは面白くなるね」とわかり、2013年に両大学は連携協定を結んで、
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました
以降、ムサビは「全学科3年生以上」、東工大さんは「大学院生」で募集をかけ、各10名合計20名で行うワークショップに変化。
そしてムサビは「オールムサビ対応」ってことで油絵学科の袴田先生、視覚伝達デザイン学科の古堅先生、東工大は留学生センター・人間行動システム専攻の野原先生が担当するようになりました。

この5日間の合同ワークショップでは、ざっくりと下記のような流れで行われます。

1)ある与えられたお題から
2)コミュニケーションによって、
3)コンセプトを構築し、
4)なんらかの造形デザインを作り、
5)グループプレゼンテーションする。


「コンセプト・デザイニング」は、本来なら(手羽の解釈だけど)「課題を解決するためのデザイン思考授業」なんだけど、それならどの大学でも・・・極端な話、一般大学でもできること。
恐らくデザイン系やコンサル系の専門家が担当する授業ですね。

でも、せっかくオールムサビ体制でやってるのだから、コンセプトの完成度よりも、モヤモヤっとしたお題を受けて、コンセプトにたどり着くまでのコミュニケーションによって、両大学の学生さんの発想の違いなどを共に学んでもらうことを重視しています。
「今までにない理工系思考とデザイン思考とファインアート思考をごちゃまぜにしたコミュニケーション中心の授業にしよう」と。

こちらが東工大の野原先生。

野原先生がおっしゃるには、東工大の学生さんはとかく「答えに向かって行動しがちである」、と。
美術系、特にファインアート系的な「自分で『問い』を見つけ、面白さを自分で見つける」発想が弱い。

一方、ムサビ生は感覚的に行動しがちで、論理的に物事を追究することが弱い。
ムサビ生は「なんか好き」で終わってた部分をちゃんと相手に説明できないといけないし、東工大の学生さんは感覚的な発想による思考の飛躍を経験してほしいと思ってて。

授業が始まったばかりなのであんまり語ると答えを言ってるようでアレなんだけど。
理工系と美術系では「何が違うのか」または「違わないのか」、 そこから自分に必要なもの、または相手に補完してもらいたいものを知ることができれば、一種の異分野コミュニケーション、グローバル人材教育、キャリア設計教育になるはず。

そんな気持ちで行っているのがこの「コンセプト・デザイニング」なのです。

こちらは視デの古堅先生。
「デザインの工程」の話を。


長澤学長が去年WEBで語った記事がありまして。
Speak or Die!― 表現力・プレゼン力を鍛える武蔵野美術大学の演習授業 言葉以外の表現力を持つ美大生こそ、本当のグローバル人材だ:JBpress(日本ビジネスプレス)

少し引用すると

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自分だけの感性に閉じこもることも、寡黙であることも許されない。言葉で足りなければ、絵でも、造形でも何でもとにかく表現することを求められ、相手に伝わらなければ意味がないということを常に意識せずにはいられない。
(中略)
ゴールが決まっているわけでもなければ、模範解答もない。与えられたテーマに沿って、グループで作品を制作したり、お互いの意見や考えをぶつけ合い、プレゼンテーションする。英語力も一定水準以上ながらバラバラ、専門性もバラバラ、発想方法も違う人たちが一つの教室に集い、時にぶつかり合い、時に協調しあいながら何かを生み出す。
============

まさにこの合同ワークショップで一番求めてる部分なのです。

この授業ではお互いのコミュニケーションが重要になってくるので、アイスブレイクを手羽が担当。
5日間しかないワークショップなので、早く仲良くなってもらわないと。

そして4グループに分かれ、いよいよ今年のお題を古堅先生が発表。

通常の「コンセプト・デザイニング」だと「●●で社会問題を解決しなさい」的なお題になると思いますが、例年、「会話」が発生しやすくなるようにできるだけ抽象的なモヤモヤっとしたお題にしています。
3年前が「想いが伝わるラブレター」、2年前は「オトナとコドモ」、去年は「くりかえす」でした。

さて、今年は!

これです。


あ、わかりませんか?
アップにします。

 
これなんです


え?これがなんなのかわからない?

はい。そこからみんなで考えてください。

ちょっとファインアート寄りなお題かもしれませんね(笑)

最初はどのグループもとまどってましたが、最近の学生さんはほんと優秀ですよね。
すぐにブレストに入ってました。


  • Aチーム


  • Bチーム


  • Cチーム


  • Dチーム

どんどん思いつくものをポストイットで書いていく学生さん。

おおっ、なんか大学案内とかで使われそうなヤラセ画像っぽく撮れた。

とかなんとかやってたら、そろそろ3時。

グループごとにおやつを買いにいってもらうことにしました。
条件は「何を買うかはお互い話し合って決めること」「1000円以内」。
ええ。手羽の自腹です(涙)

面白いのはグループによって買い方が違ったことですね。

このグループはそれぞれが違う飲みものを買ってきました。

このグループは1本のオレンジジュースとコップとポテチとウェットティッシュを買ってきた。

こちらはお茶ペットボトルと数種類のお菓子とおにぎり(笑)

驚いたのがこのグループで、500円のスイーツを2つだけ。
この発想は学生さんならではかもしれません。


  • ムサビ生はポートフォリオを使って自己紹介してました。自分の得意なものをプレゼンするのも手

コミュニケーションは言葉だけじゃなくスケッチだったり、線だったり、イラストだったり、写真だったり、体でもできるわけで、ぜひいろんな手段を使ってコミュニケーションを取ってほしいし、いろんなアイデアを出してほしいっす。


昨日から東工大大岡山キャンパスに場所を移し、アイデア固めが始まってます。
今日は中間プレゼンなので、どんな方向に向かってるのか楽しみ。
そして土曜日に蔵前会館で最終プレゼンです。

というわけで、ムサビ関係者の皆さん、今日も手羽は1日大学にいませんが遊んでるわけじゃないので・・・。

おっと、デザイン・ラウンジといえば今週金曜にWEEKEND学長トーク第2弾が開催されますよ。
vol.2 「もともと美大はグローバル!」

前回は満席でしたが今回はまだ若干席に余裕があります。
学長の狙いは「みなさんと話し合いたい」なので、ぜひ。

合言葉は「Speak or Die!

ちなみにこれは長澤学長が学生時代の写真です。

以上、ミッドタウンではサマーイベントがスタートしてるんだけど、バカルディさんがやってるACARDIMIDPARK CAFE

メガ すいか モヒートをどうしても食べたい手羽がお送りいたしました。
信じられます?スイカ半分くりぬきですよ!


今日のまとめ
●手羽美★の学食にメガすいかモヒートを定番メニューに



よし、手羽美術大学★開設の野望がまた一歩近づいた!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。