【美術のビジュえもん】パピヨン本田先生は何者か勝手に推測する

2021年5月24日(月)

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今、業界で騒ぎが起きてます。

というのも、5月11日に

パピヨン本田さんによる「美術のビジュえもん」が突然発表されたのです。

パープルームに調子にのった美大生が行ったら袋叩き」
「アーティストの知識の基礎は確定申告」

とか、美術関係者なら「クスっ」と笑ってしまうネタが1コマ1コマに入ってるし、そのネタのセンス、スピード感のある進行に「パピヨン本田先生って何者なんだ?!」と業界騒然としました。

驚きだったのが、翌日も更新されたこと。
しかも2話目で「美術手帖はBTになるまでが良かった」とか、みんな心で思ってたけどずっと口にしなかったことをぶっこんできてる(笑)

単発で美術ネタがバズることはこれまでも何回かありました。この時は「これもその一つだろう」とナメてかかってたら、それ以降も更新が続いてる。このレベルのものをほぼ毎日ですよ。
ちょっとこれは信じられない。

そして、

この回を読んでから手羽は「これは本物だ」とパピヨン本田さんの人物像について本気でプロファイリングすることにしました。

というのも、ファインアートネタっぽいところで進むのかと思ってたら、山口周さんなどを中心としたビジネス×アート思考系「若手実業家が買いそうな本」にも触れたんですね。「アート思考」ネタも扱えるのは、昔の美大教育にどっぷり染まった50歳以上の人には厳しいはず(すごい決めつけ)
ファインアート作家が美術ネタを漫画にすることはこれまでもあったけど、「これまでとはちょっと違うタイプだぞ」と気が付いたのがこの回でして。

5/12回でスパイファミリー、そして5/17回で、ブルーピリオドとハチクロをチェックしてるから、やはり50歳以下の方なんだろうなあ。だってハチクロを漫画やアニメじゃなく実写映画版なんだもん(笑)

そして、パピヨン本田先生は必ず「東京藝大」と、「芸大」ではなく「藝大」表記を使ってることにも注目。
文科省的な正式名称は「東京芸術大学」なのですが、ブランディングとして東京藝大は「東京藝術大学」表記を使うようになりました。東京だと「ゲーダイ」といえば東京藝大一択だし、テレビで「一応ゲーダイ出身です」と言った場合は東京藝大しかないんだけど、この10年ぐらいで関西の芸術系大学があえて自大学のことを「ゲーダイ」と呼ぶようになってきたんですね。
それもあって、手羽もグルーピングとしての「芸術系大学」と区別するために、「東京芸術大学」を表す時は必ず「東京藝大」と古い「藝」を使い、必ず「東京」を使うようにしてます。
なので、大昔の東京藝大出身者ではなく、「今もアンテナ張れてる人」だと確信。

この回でもう少し人物像が絞れました。
国立でも奥多摩でも美術館でもない(笑)国立奥多摩美術館の佐塚真啓くんだったり、アートセンターオンゴーイングをしれっと出すってことは、東京の美大出身者の可能性が高い。
次は美学校ネタあたりか。

にしても、国立奥多摩美術館もオンゴーインも、ほんとここ踏ん張ってほしいです。
あ、佐塚くんのクラウドファンド、支援しました。

大学の美術関係者には、大きく「実技などを学んだ人」と「美術史など座学を中心に学んだ人」の2種類があります。
これまでの回だとパピヨン本田さんがどちらなのか絞り切れなかったけど、「輪郭は存在しねえ」は、画塾に行ったら一番最初に指摘される、もしくは一番最初に気が付く部分なので、恐らくパピヨン本田さんは実技系なんだろうなあ。
のび太的な男の子も実は運動感のデッサンが取れてるから、多分デッサン教育を受けた人(もしくかマンガが大好きな人)

ところで、「美術手帖」って今の人には何て呼ばれてるんでしょ?
ある段階で「ビーティー」と「呼ばされる」ようになったけど、私の世代は「ビテチョー」。マンガの中に何度か「美手帖」という表現が出てくるから、手羽と同世代の人っぽい。

この回で「え。パピヨン本田先生は演劇界も詳しいの?!」とさらに衝撃が走ります。
他の回で具体美術協会の吉原治良さんに触れてたり、教養力がバケモノ級なのはわかってましたが、他の美術ネタ回でもわからないネタがバンバン入ってるのに、この回は平田オリザぐらいしかわからない。
調べてわかったけど、「チェーホフのかめもの初演が評判良くなかった」って一般教養?!


手羽はダラダラとブログを書くことしかできないのに、たった1ページにこの情報量とセンスをつめこめる才能がうらやましすぎて、


デマ情報を流したくなりました。
 

画塾ネタが再度出てきたので、実技系の方だと確定。喫煙所はオチャビっぽい気がする。

絶妙に知らない単語やネタが出てくるから(全部わかる人はいるのかな)、ビジュえもんって現代アートについて勉強させる効果もありますね。手羽も「かめもの初演」と検索しちゃったし。

今日現在の最新作ではカプリバッテリーに、この2年ぐらいで一番話題になったカテランの「コメディアン」、そして


  • 出典:https://partner-web.jp/article/?id=2037
  • 「【久しぶりの彫刻三昧】木彫ワークショップ@ルネ小平と深井聡一郎展@Art Center Ongoingに行ってきた」より

安定のオンゴーイングネタ(笑)

昔の美術の話、現代アートの今どきの話題、そして美大ネタとこういうのに触れてくれる漫画を美術関係者はみんな欲していたのか、なんと12日間でフォローは2万5千人を超えました。
すごすぎる・・・。


これまでの手羽の推測をまとめると、パピヨン本田先生の人物像はこうなります。
●年は35-49歳
●東京の美大出身者。
●分野は油絵か彫刻。
●学生時代に劇団に入っていた(「劇団むさび」とか)
●今は作家以外の活動もしている(作品制作以外の社会的接点がある人)。


これまでデザイン系ネタが一切ないので、多分ファインアート系の方で、ちょいちょい彫刻ネタを入れてるから彫刻学科卒の可能性が高そう。
手羽の推測では「ムサビ彫刻卒」でして、なんとなく袴田さんや冨井と同じ匂いを感じるんですよね・・いい線行ってると思いません?


以上、BT・・じゃなくて美術手帖さんが脚注解説いれた本を出したら売れるんじゃないかと結構本気で思ってる手羽がお送りいたしました。
業界ではブルーピリオドより売れそう。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。